【2024年】恩田陸おすすめ文庫小説ベスト10!ミステリだけでない名作選!
恩田陸さんはミステリなどのジャンルを問わず様々な作品を生み出し、郷愁を誘う文章が数多くの読者の心を引き付ける作家さんです。
またご自身も年間三百冊もの本を読む読書家で、その豊富な知識が彼女の作品を支える原動力になっています。
この記事では、そんな恩田さんの名作の中から初心者でも読みやすいベスト10作品を選びました。
なお、手に取りやすいよう文庫本に限定しています。
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恩田陸おすすめ文庫小説ベスト10
第10位『蜜蜂と遠雷』
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。
「BOOK」データベースより
本書は第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞のダブル受賞を果たし、ダブル受賞及び同作家二度目の本屋大賞受賞は史上初ということで、本書で恩田さんのことを知ったという人も多いと思います。
物語はピアノコンクールを舞台に描かれているのですが、まるで音楽そのものを味わっているような臨場感に包まれ、恩田さんだからこそ表現できたものだと思います。
正直、知名度が高すぎるためランキングに入れようかすら迷いましたが、ここまで五感に訴えかけてくる作品を知らないため、あえて入れました。
本当は一位に入れたいくらいです。
非常に長いので読むのは大変かもしれませんが、ぜひ読んでほしい一冊です。
もし本書を気に入ったのであれば、後で紹介する『チョコレートコスモス』も読んでみてください。
音楽と演劇という違いはありますが、どちらも理解を越えた先にいる天才が描かれていて、そこからもたらされる感動は格別です。
以下は本書に関する恩田さんへのインタビューです。
第9位『私の家では何も起こらない』
小さな丘に佇む古い洋館。この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪れた。男は館に残された、かつての住人たちの痕跡を辿り始める。キッチンで殺し合った姉妹、子どもを攫って主人に食べさせた料理女、動かない少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年―。家に刻印された記憶が重なりあい、新たな物語が動き出す。驚愕のラストまで読む者を翻弄する、恐怖と叙情のクロニクル。
「BOOK」データベースより
ヨーロッパのどこかにありそうな屋敷を舞台にした、様々な短編が収録されている本書。
短編単独で見てもテイストの違うホラーが楽しめますが、全ての短編を通して読むことで繋がりが見えてきて、深みが増していきます。
恩田さんは異世界というか、日常から一歩ずれた世界を描くのが非常に上手で、本書にそれが顕著に表れています。
そこまで有名作ではありませんが、おすすめしたい一冊です。
第8位『夜のピクニック』
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
「BOOK」データベースより
おそらく恩田作品で一番の人気作であろう本書。
長い距離を高校生たちがただひたすら歩くだけ、これだけのイベントなのに、なぜか面白いんです。
何気ない場面に青春の思い出があり、自分の高校時代にもこんなイベントがあったなら、と思わずにはいられません。
こちらのレビューも非常に参考になりました。
恩田陸の不朽の名作『夜のピクニック』!「みんなで夜歩く。ただそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろう」|ダ・ヴィンチWeb
第7位『木曜組曲』
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か―?傑作心理ミステリー。
「BOOK」データベースより
耽美派小説の巨匠の死をめぐり、物書きを生業とする五人の女性がこれまで秘めてきた心情を吐露していきます。
やはり恩田さんの描く女性はとびきりユーモア溢れ、読まずにはいられないと思わせてくれる作品です。
ミステリに分類こそされますが、物語で得られる情報で真実に辿り着くのはかなり難しいので、それを期待して読むと少し拍子抜けしてしまうかもしれないので、ご注意ください。
第6位『三月は深き紅の淵を』
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。
「BOOK」データベースより
『三月は深き紅の淵を』という稀覯本(きこうぼん)をめぐる四つの物語で構成される本書。
一応、どの中編も『三月は深き紅の淵を』が関係していますが、それぞれ独立しています。
特に四つ目の中編は主人公が恩田さんご自身のような書き方で、作者の内面を垣間見たような気分になります。
さらに恩田作品である『麦の海に沈む果実』、『黒と茶の幻想』と関連している部分もあるので、上記二作を読んでいるとより楽しめるかもしれません。
しかし、あまり結末らしい結末が得られないので、読了後もモヤモヤしてしまう人もいるかもしれませんが、想像の余地が残るところが良いともいえます。
第5位『ライオンハート』
いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ…。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って―。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。
「BOOK」データベースより
恩田作品では珍しいラブストーリーです。
しかもただの恋愛ではなく、時代を越えて出会っては別れを繰り返し、決して結ばれることはありません。
別れる度に身を裂かれるような悲しみに襲われますが、それでも毎回、会えて良かったと思える出会いに、切なくも心が温まるのを感じました。
第4位『ユージニア』
「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。
「BOOK」データベースより
物語はインタビュー形式で進み、少しずつ真実が明らかになっていきます。
全ての謎の答えが明示されるわけではないので、人によっては消化不良感を味わうかもしれません。
しかし、読者は結末が知りたいと想像力をフルに働かせることになり、物語の幻想的な雰囲気も相まってそれがたまりません。
作品にのめり込んだが最後、いつまでも頭から離れない名作になるでしょう。
読書があまり得意でない人にはこの楽しみ方はちょっと難しいかもしれないので、どちらかというと読書玄人向きな作品です。
以下は本書に関する恩田さんへのインタビューです。
第3位『麦の海に沈む果実』
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。
「BOOK」データベースより
恩田さんが描く学園を舞台にした作品です。
作品に漂う不思議さ、不気味さは恩田作品の魅力そのもので、世界観に引きずり込まれるとはこのことです。
明確な説明がされない事柄も多くありますが、それが空想の余白を作ってくれ、楽しみが倍増します。
以下のレビューが非常に良かったので、合わせてお楽しみください。
少女が迷い込んだ「三月の国」で起こる殺人事件――恩田陸『麦の海に沈む果実』|ダ・ヴィンチWeb
第2位『チョコレートコスモス』
芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを―。少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう!興奮と感動の演劇ロマン。
「BOOK」データベースより
恩田さんはオマージュ作品を数多く手がけています。
本書はあとがきで触れている通り、『ガラスの仮面』へのオマージュ作品です。
演劇の世界を描いていますが、ほとんどが練習やオーディションの風景という一見地味なもの。
しかし、そこには演劇にかける演者、演出家、脚本家などの本気とプライドが気迫あふれるほどに描かれていて、何度鳥肌が立ったか分かりません。
あと注目してほしいのは天才の描き方です。
一般的に描くことが難しいと呼ばれる天才ですが、恩田さんは本書において佐々木飛鳥という天才を見事に生み出しました。
時には恩田さんのコントロールから外れるほど常識を超えた飛鳥と、それに応える違った天才や秀才の面々。
このやりとりは贅沢で、演劇と音楽という違いこそありますが『蜜蜂と遠雷』に通じるものがあります。
第1位『光の帝国』
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
「BOOK」データベースより
僕のおすすめ第1位です。
不思議な能力を持つ『常野一族』をめぐる短編集で、一言でいうなら優しいファンタジーです。
深く読み込まなくとも、理屈抜きで心に入り込む不思議な力を本書は備えています。
また本書はシリーズものなので、気に入った方はぜひその他の作品も読んでみてください。
おわりに
恩田作品には唯一無二の世界観があり、他の作品で代用ができないほどの魅力があります。
まだ読んだことのないという人も、ぜひこのランキングを参考に恩田ワールドを体験してください。
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