【2024年】森見登美彦おすすめ文庫小説ベスト10!唯一の世界観にはまること間違いなし
森見登美彦さんといえば、『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』が特に有名だと思います。
こういった作品では現実からかけ離れた設定、癖が強くもどこか憎めないキャラクターなどが強烈な印象を放っていて、森見さんの作品=これというイメージを抱いている人も少なくないかもしれません。
しかし、これはあくまでも森見さんの一側面でしかなく、他にも全くテイストの違う魅力があります。
また京都が舞台の作品が多く、その雰囲気が好きという人にもぜひ読んでほしいです。
この記事では、僕なりに森見さんの作品をランキングにしましたので、これから森見さんの作品を読む人や二作目以降を選びかねている人の参考になれば幸いです。
なお、手に取りやすいよう文庫本に限定しています。
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森見登美彦おすすめ文庫小説ベスト10
第10位『きつねのはなし』
「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現われて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は?底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。
「BOOK」データベースより
森見さんといえばどこか憎めない癖の強いキャラクターの描かれた作品が有名な一方で、言葉で説明のできない幻想的でどこか怖い作品もまた定評があり、本書は後者に当たります。
独立しているようで繋がりがあり、かと思えばやはり独立している四つの短編。
読んだ後でもうまく言葉で説明できない話なのですが、得体の知れない恐怖がたまらない一冊です。
後に出てくるホラーに比べてとっつきにくいと思うので、森見さんの作品の一冊目として読むにはあまりオススメしません。
第9位『熱帯』
沈黙読書会で見かけた『熱帯』は、なんとも奇妙な本だった!謎の解明に勤しむ「学団」に、神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと、「部屋の中の部屋」…。東京の片隅で始まった冒険は京都を駆け抜け、満州の夜を潜り、数多の語り手の魂を乗り継いで、いざ謎の源流へ―!
「BOOK」データベースより
怪作とも呼ばれる本書。
連載自体は2010年より始まっていましたが、著者である森見登美彦さんが多忙だったことから2011年に持っていた連載をすべて一度停止し、それから修正されたり書き足されたりしてようやく出版されるに至りました。
登場人物に森見さん自身がいて、誰も最後まで読んだことのない佐山尚一の『熱帯』という小説を求めるうちに不思議な物語の世界に迷い込んでいくという内容になっています。
蓋を開けたらまた同じ人形がある、まるでマトリョーシカのような物語で、読み進めることはそう簡単ではありませんが、それでも読み続けてしまう魔力を本書は持っています。
第8位『宵山万華鏡』
一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。次々と現れる異形の者たちが崇める「宵山様」とは?(「宵山金魚」)目が覚めると、また宵山の朝。男はこの繰り返しから抜け出せるのか?(「宵山迷路」)祇園祭宵山の一日を舞台に不思議な事件が交錯する。幻想と現実が入り乱れる森見ワールドの真骨頂、万華鏡のように多彩な連作短篇集。
「BOOK」データベースより
森見さんといえば奇天烈な登場人物、予測不可能な展開などトリッキーで、いわゆる森見ワールド全開な作品のイメージが強いという人も多いと思います。
しかし、本書はそれを含みつつも、現実か夢か区別がつかない幻想的な短篇が多く、これまでとは違った読了感を得ました。
茫然とした、化かされた。
そんな言葉がしっくりきます。
短篇ごとに繋がりがあるので、二回目はその構成を把握した上で読む楽しみがあり、そうしたくなるだけの魅力が本書にはあります。
第7位『太陽の塔』
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
「BOOK」データベースより
男性であれば誰でも通るであろうくだらない、そして夢に溢れた妄想。
それをこれでもかとぶちまけているのが本書です。
しかし、本書の主人公である『私』は一味違います。
妄想と現実との境が曖昧で、元彼女である水尾さんを研究と称してストーカーし、それを崇高な行いだとばかりに正当化します。
本書に登場する『変態』と『紳士』という言葉を見て、『変態紳士』という言葉を久しぶりに思い出しました。
これがデビュー作だというのですから、森見さんの色々な意味でのすごさが分かると思います。
第6位『新釈 走れメロス 他四篇』
芽野史郎は激怒した―大学内の暴君に反抗し、世にも破廉恥な桃色ブリーフの刑に瀕した芽野は、全力で京都を疾走していた。そう、人質となってくれた無二の親友を見捨てるために!(「走れメロス」)。最強の矜持を持った、孤高の自称天才が歩む前代未聞の運命とは?(「山月記」)。近代文学の傑作五篇が、森見登美彦によって現代京都に華麗なる転生をとげる!こじらせすぎた青年達の、阿呆らしくも気高い生き様をとくと見よ!
「BOOK」データベースより
本書に収録された物語はどれも京都を舞台にしていて、登場人物はまさに森見さんの血が通っています。
表面的な部分だけを見るとどう見ても森見作品ですが、作品の深くまで潜るにつれて原作の持つ意味や魅力がしっかり息づいていることが分かり、見事に森見的解釈で元の作品が再構築されていることが分かります。
表題作の『走れメロス』については原作を知る人も多いと思うので、どのあたりが現実を再現しているのかというのが分かりやすいのではないでしょうか。
元となった名作に触れるチャンスにもなりえる作品なので、読書の幅がかなり広がると思います。
第5位『有頂天家族』
糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天―。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。
「BOOK」データベースより
森見登美彦さんによるファンタジー小説で、舞台はお馴染みの京都です。
『夜は短し歩けよ乙女』など森見さんの著書を読んでいるとちょっとした関連も見られ、より楽しめます。
狸、天狗、人が混在しており、そこに森見節が炸裂するので、もう何でもありです。
物語に入りこむのに少し時間がかかるかもしれませんが、一度入り込んでしまえばあとは心のままに楽しむだけです。
あとアニメ化もされていて、かなり丁寧に作られているので、原作を気に入った人は必見です。
第4位『ペンギン・ハイウェイ』
小学4年生のぼくが住む郊外の街に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎の研究を始めるが―。冒険と驚きに満ちた長編小説。
「BOOK」データベースより
小学生の僕の憧れである歯科医院のお姉さんは、ペンギンを作り出す不思議な力を持っています。
なぜそんな力が備わっているのか。
僕は研究するわけですが、一見、本書はファンタジーに見えます。
しかし僕のお姉さんに対する感情は憧れ以上の強さがあり、その点においては立派な恋愛小説だと思っています。
映画化もされていますので、とっつきやすい点も高評価です。
第3位『四畳半神話大系』
大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。―『太陽の塔』(第十五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作)から一年。無意味で楽しい毎日じゃないですか。何が不満なんです?再びトンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る。
「BOOK」データベースより
一言でいうと、森見ワールド全開のSF小説です。
一章から森見作品らしい捻くれてユーモア溢れる登場人物がたくさん出てくるのですが、二章に入ると同じ描写が何度もあるので、最初はかなり戸惑うと思います。
違うビラを選択した時点で森見さんの意図が理解できるようになっていて、そこからは面白さがさらに加速します。
並行世界について、丁寧に説明されているわけではないので、それを理解する過程がとても新鮮でした。
SF作品にあまり馴染みのない人でも十分理解できる内容なので、臆する必要はありません。
第2位『夜行』
『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』『きつねのはなし』代表作すべてのエッセンスを昇華させた、森見ワールド最新作!旅先で出会う謎の連作絵画「夜行」。この十年、僕らは誰ひとり彼女を忘れられなかった。
「BOOK」データベースより
とても印象的な表紙で、一瞬で読みたいと思わせてくれた本書。
本書は森見登美彦さんの作家十周年を記念して執筆されました。
森見さんのこれまでの作品とは違った印象を受け、怪談という言葉がぴったりな内容になっています。
以下は小学館による本書の特設サイトです。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語『夜行』森見登美彦 小学館
最初の76ページが無料で試し読みができたり、聖地巡礼のおともとなる『夜行』マップが掲載されていますので、読む前でも後でも作品をより楽しむことが出来ます。
個人的には第1位にしたいくらいの作品ですが、幻想的ゆえにスッキリしない部分もあり、評価が分かれることが予想されたのでこの順位にしました。
第1位『夜は短し歩けよ乙女』
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
「BOOK」データベースより
森見登美彦さんといえば本書を思い浮かべる人も多いと思います。
本書は第20回山本周五郎賞受賞、第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位など何度も話題に挙がり、2017年にはアニメ映画化もされました。
ジャンルとしては恋愛ファンタジーとなっていますが、大学生二人の恋愛という点では青春ですし、コメディ要素も強くて様々な要素を本書一冊で満たすことが出来ます。
おわりに
京都を舞台に多種多様な物語を描いてきた森見さん。
癖が強いので合う合わないがはっきり分かれると思いますが、その分、はまればその欲求を他の作家さんで満たすことは出来ません。
ぜひこの記事をきっかけに森見さんの創る唯一無二の世界を知ってもらえれればと思います。
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