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【2021年版】ホラー小説おすすめ10選!背筋が凍りつく最高に怖い名作選

『怖いもの見たさ』という言葉があるように、人間にとって恐怖という感情は決してマイナスなものだけではなく、時にこの上ないほどの快感を与えてくれます。

ホラー小説であれば自分の身を危険に晒すことなく、安全に背筋の凍りつくような恐怖を楽しむことが出来るので、手軽かつ最高の娯楽といえます。

この記事では、様々なテイストのホラー小説を厳選してご紹介します。

ホラーが苦手な人でも読めそうなものから、心臓のドキドキが止まらないような怖いものまで取り揃えているので、自分のお気に入りを見つける上で参考にしてみてください。

ホラー小説おすすめ10選

① 夜市

大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

「BOOK」データベースより

いつどこで開かれるか分からない、何でも売っている夜市を舞台にしたホラー小説です。

冒頭の掴みから抜群に面白く、すぐにその世界に引き込まれてしまうはず。

異形の者たちが登場して恐怖はもちろんありますがただのホラーでは終わらず、物語が進むにつれて感動が生まれてくるところが本書の見どころです。

表題作の『夜市』以外に『風の古道』も収録され、また違ったテイストの恐怖と感動を味わえるので、よほど怖い話が苦手でなければぜひ読んでみてください。

② ぼぎわんが、来る

幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか…。第22回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

「BOOK」データベースより

ぼぎわんという一見ユニークな名前ですが、これがとんでもなく恐ろしい化け物で、後半に進むにつれてさらに狡猾になっていくのだから手に負えません。

ぼぎわんが近づいてくる恐怖、そして退治するために正体を突き止める推理が面白く、ホラー小説好きであれば読んでおいて損はありません。

澤村さんへのインタビューはこちら。

第二十二回日本ホラー小説大賞・大賞 澤村伊智『ぼぎわんが、来る』刊行記念インタビュー

映画化もされています。

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③ 残穢

この家は、どこか可怪しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が…。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢れ」となり、感染は拡大するというのだが―山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

「BOOK」データベースより

タイトルは『ざんえ』と読みます。

最初はよくありそうな気配、違和感ですが、調べるにつれて恐怖の感染源が特定されていくというもので、確実に得体の知れない巨大な負のオーラに近づいてくのを楽しみながら読むことができます。

直接的なホラーとは一味違うので、もしかしたらホラーが苦手な人でも読めてしまうかもしれません。

あと映画化もされていますので、こちらも合わせて楽しんでもらえればと思います。

映画化に際して、中村義洋監督と著者の小野不由美さんが対談していますので、合わせてご覧ください。

小野不由美さんが語る「ホラー愛」――ハマった『呪いのビデオ』シリーズ〈映画『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』公開記念対談(1)〉

④ 鼻

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが…。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。大型新人の才気が迸る傑作短編集。 

「BOOK」データベースより

表題作を含む三つの短編から構成されていて、『鼻』は第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞しています。

それぞれテイストこそ違いますが、どれもいわゆる幽霊や化物が登場するホラーと違い、不条理や理解の追い付かない制御不能な世界が描かれています。

そのため怖いものが苦手だという人でも無理なく読めると思います。

特に『鼻』は読者を唖然とさせる大胆な仕掛けが施されているので、他では味わえない衝撃を与えてくれます。

⑤ 玩具修理者

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。 

「BOOK」データベースより

小林泰三さんのデビュー作である本書。

表題作の他にもう一つ中編が収録されていて、どちらも小林さんの魅力である淡々と描かれる異常な恐怖を味わうことが出来ます。

『玩具修理者』はグロの入ったホラーで、一般的にイメージするホラーがこちらです。

一方で、『酔歩する男』はSF要素が入ったホラーで、自分では制御できない事態に陥った時に感じる恐怖を味わえます。

どちらも小林さんの得意とする分野で、個人的には『酔歩する男』の方がある意味怖く、終わりの見えない結末に絶望感を抱きました。

⑥ 黒い家

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

「BOOK」データベースより

第4回日本ホラー小説大賞を受賞した本書。

本書で描かれるのは幽霊や化け物といった得体の知れないものからくる恐怖ではなく、あくまで現実で起こりえる恐怖です。

しかし、それゆえに恐怖にリアリティがあり、一番怖いのは人間なのではと考えさせられました。

著者の貴志祐介さんは『クリムゾンの迷宮』、『悪の教典』などで広く知られているので、著作を読んだ人であれば容易に想像できると思います。

貴志さんのホラーはどれも一級品ですが、その中でも本書が一番怖くて一番読んで欲しいです。

⑦ Another

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎は深まるばかり。そんな中、クラスメイトが凄惨な死を遂げた。この“世界”でいったい何が起きているのか!?名手・綾辻行人の新たな代表作となった本格ホラー。TVアニメ版のキャラクター原案を手がける、いとうのいぢのイラストで登場。

「BOOK」データベースより

綾辻行人さんといえば『十角館の殺人』だと勝手に思い込んでいましたが、本書を読んでその浅はかな認識は簡単にひっくり返されました。

最初はちょっと不気味な学園ものくらいに考えていましたが、とんでもありません。

謎が謎を呼び、与えられた情報から推理するミステリ要素もあれば、それ以上に理解を越えた恐怖をリアルに描くホラー要素もあり、綾辻さんを語る上で外せない作品であることは間違いありません。

以下は新本格ミステリ三十周年を記念したインタビューで、本書にも触れています。

「新本格ミステリ30周年」インタビュー 綾辻行人の「館」

⑧ 夏と花火と私の死体

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。

「BOOK」データベースより

乙一さんのデビュー作である本書。

当時十七歳とは思えない観察力、発想力が発揮された作品で、第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しています。

本書には表題作の他に『優子』という短編も収録されていて、こちらでは表題作とはまた違った和テイストのホラーを味わうことが出来ます。

本書に関する乙一さんへのインタビューはこちら。

元々好きだったのはホラーではなくファンタジー!?いかにして名作『夏と花火と私の死体』が生まれたのか?

本書は決して難しい言葉で書かれていません。

しかし、その文章に無駄はなく、分かりやすい言葉で分かりやすく恐怖や焦りを伝えてくれます。

そうすることによって難しい表現では生まれることのない根源的な恐怖があり、短い話にも関わらず非常に読み応えがありました。

テイストは違いますが、『向日葵の咲かない夏』をなんとなく思い出しました。

⑨ よもつひらさか

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。

「BOOK」データベースより

僕は『よもつひらさか(黄泉平坂)』というタイトルからして惹かれて読んだのですが、ホラーというジャンルで括ってしまうにはもったいないと思う短編集でした。

軸にホラーがありますが、短編によっては奇妙な後味だったりミステリ色の方が強い作品もありますので、12篇の中からお好みの話を見つけてもらえればと思います。

普通の長編であれば設定の紹介程度であっという間に消化してしまいそうなボリュームですが、本書の短編はどれもこの短い文章の中で読者に状況を伝え、衝撃的な結末を突きつけてきます。

それが12篇もあるのですから、それはもう濃厚な読書時間です。

⑩ エンド・ゲーム 常野物語

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。そして今、母が倒れた。ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。親切な言葉をかける老婦人は味方なのか?『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。

「BOOK」データベースより

恩田陸さんの『常野物語』シリーズの第三弾で、いきなりシリーズものの途中を薦めるのはどうかと思う人もいると思います。

しかし、ご安心ください。

前二作とはテイストが異なり、読んでいなくても十分に楽しむことが出来ます。

『あれ』と呼ばれる存在と、『裏返す』『裏返される』の命がけの戦い。

想像できない攻防ゆえに想像が膨らみ、著者の恩田さんの意図しない恐怖すら生み出す可能性を秘めています。

少しでも予習をして臨みたいという人は、第一弾の『光の帝国 常野物語』を事前に読むことをお勧めします。

収録されている短編の一つの本書の主人公が登場しているので、より本書の事態に対して緊迫感を覚えられると思います。

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おわりに

ホラーといっても、その面白さは作品ごとに大きく異なります。

ただ怖ければ良いというわけでもないので、ぜひ表紙、タイトル、あらすじなどから自分の感性にあった恐怖を探してみてください。