【2024年】エンタメ小説おすすめ10選!笑いあり涙ありの心が豊かになる名作選
小説のカテゴリー同士の比較として、エンターテインメント小説(大衆文学)と文学小説(純文学)がよく挙げられます。
簡単に言えば、エンタメ小説が娯楽性に富んでいて、一方で文学小説は芸術性に重きを置いています。
そのため小説が苦手、あるいはこれまで読む習慣がなかったという人には、エンタメ小説の方が読書を習慣づけるための入口としてより適しているといえます。
もちろんそれだけでなく、読者を楽しませるために練りに練られたアイディアが満載の作品も多いので、読書家の人にもぜひ読んでほしい名作揃いです。
そこでこの記事では、僕がオススメするエンタメ小説10作品をご紹介します。
これからエンタメ小説を探す上で参考にしてもらえると嬉しいです。
なお、手に取りやすいよう文庫本に限定しています。
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エンタメ小説おすすめ10選
① 有川ひろ【三匹のおっさん】
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。
「BOOK」データベースより
毎回、常識を無視した驚きのエンタメ作品を提供してくれる有川ひろさんですが、本書もかなり攻めた内容になっています。
まず、主人公が還暦を迎えたおっさん三人と、一見華がありません。
しかし、この三人の個性がかなり際立っていて、年齢を感じさせない、むしろ若者よりも力強いパワーを見せてくれます。
またおっさんたちと世代の違う人との交流も見どころで、お互いに認識を改めて歩み寄る姿が印象的でした。
一話ずつが独立した短編なので、サクサク読めて暇つぶしにもぴったりです。
② 東野圭吾【流星の絆】
何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。
「BOOK」データベースより
2008年に刊行され、その年にテレビドラマ化された本書。
二宮和也さん、錦戸亮さん、戸田恵梨香さんなど豪華出演陣なので、ドラマの印象が強いという人も多いのではないでしょうか。
東野圭吾さんといえばミステリ、と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
本書はミステリ要素を取り入れつつも両親を殺害された三兄妹の絆の強さ、末っ子の妹とその相手の恋を描いたエンタメ作品で、誰にでもオススメできる超名作です。
五〇〇ページ近いので本を読み慣れない人からすると気後れしてしまうかもしれませんが、東野さんの作品は読みやすいようあらゆる工夫が凝らされているので、安心して挑戦してみてください。
③ 恩田陸【ドミノ】
一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。
「BOOK」データベースより
恩田さんの作品はジャンルこそ多岐にわたりますが、喜びから悲しみ、感動など心をあらゆる方向に揺さぶるという点では共通しています。
そして本書もそれは同様で、読者をこれでもかとハラハラドキドキさせ、笑わせてくれます。
登場人物の一覧だけでも二十七人(と一匹)というとんでもない数が登場し、一つの出来事がドミノ倒しのように次の問題を引き起こし、東京駅を中心に大騒動を巻き起こします。
この常識外れの手法に反感を覚える人も少なくないと思いますが、新たな可能性を打ち出したことは事実であり、読んでみればその魅力に気が付くはずです。
④ 原田マハ【本日は、お日柄も良く】
二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、気が滅入る27歳だ。けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。
「BOOK」データベースより
原田マハさんといえば『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』など美術関係の作品を思い浮かべる人も多いと思いますが、本書はそういった原田さんの専門分野が解禁される前の作品です。
しかし、侮ることなかれ。
本書は一言でいえばお仕事小説のようなもので、スピーチライターという職業にスポットライトが当てられています。
どんな言葉で、どんな気持ちを伝えたいのか。
一つ一つのフレーズ、単語に意味や感情が込められていて、一言一句見逃すことができない極上のエンタメ作品に仕上がっています。
⑤ 伊坂幸太郎【陽気なギャングが地球を回す】
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。
「BOOK」データベースより
伊坂さんの魅力が詰まり、テーマ的にも気軽に読める名作です。
四人の男女が銀行強盗として活躍(?)しますが、それぞれが長所を持ち、チームとして非常に良いバランスとなっています。
彼らは楽しそうに銀行強盗をするので、良いことをしているように錯覚しそうになるのが読んでいて非常に面白かったです。
⑥ 三浦しをん【舟を編む】
玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく―。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか―。
「BOOK」データベースより
三浦しをんさんの作品の中でも特に知名度が高い本書。
アニメ化もされ、読書を普段あまりしない人にまで普及した名作です。
タイトルの舟とは『辞書』のことです。
無数にある言葉はまるで海のようで、その海を何も心配せず渡るためには辞書が必要不可欠であり、本書ではその辞書が出来上がるまでの十数年を描いています。
最近の若い人からすると馴染みがあっても電子辞書で、紙の辞書を引いたことがないという人もいるかもしれませんが、辞書に注がれた情熱は形を変えて今もなお受け継がれていますので、ぜひ読んでみてください。
⑦ 奥田英朗【イン・ザ・プール】
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。
「BOOK」データベースより
本書の最大の見どころは、何といっても伊良部の変人ぶりです。
太って色白で、清々しいほど勘違いした自慢やとんでもない行動で相手を困らせ、注射するところを見るのが大好きな変態。
その一方で、適当に見えて意外と的を得た診断と改善策。
ただの変人なのか、実は名医なのか分からないところに彼の良さがあります。
彼の元を訪れる患者は、皆はじめは伊良部を気味悪がりますが、話を重ねるにつれて何だかんだ彼に心を許すようになり、伊良部には精神科医としての素質があることがうかがえます。
伊良部の助手である看護師のマユミも良いキャラをしていて、無愛想だけれど悪い人でないことが分かると愛着が湧いてきます。
こんな神経科があったら、行きたいような行きたくないような。読了後もつい悩んでしまいます。
⑧ 森見登美彦【有頂天家族】
糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天―。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。
「BOOK」データベースより
ファンタジーというカテゴリーに分類される本書ですが、話はそこまで壮大ではなく、個人的にはコメディ寄りのエンタメ作品だと思っています。
一族同士の争いだったり、狸鍋として食べられてしまう危険性だったり、普通に考えるとかなり緊迫感のあることが描かれていますが、登場する狸や天狗、人はいつも飄々としていて、真剣味が足りないせいかそんな緊迫感とは無縁です。
いつでもふわふわしていて、最初から最後まで楽しく読めました。
一方で、総一郎の死の真相や弁天の時々見せる憂いなど、切なくなる場面も所々挟まります。
これが良いアクセントになっていて、ただ面白おかしく暮らしているだけではないのだと分かり、より作品に感情移入できるようになっています。
⑨ 木皿泉【昨夜のカレー、明日のパン】
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。
「BOOK」データベースより
何気ない日常に見えてその裏に悩みを抱えた人たちを描いた連作長編です。
それぞれ独立した話ですが、脇役だった人が別の話では主役で出てくるなど様々な視点から一つの日常を眺めることが出来ます。
生きることは大変で、不変なものは何もない。
だから輝かしい未来でないとしても受け入れ、変わって生きていかなければならない。
大変なことですが、その分、何気ない日常の尊さを教えてくれる名作です。
登場人物たちの気楽なキャラクターによって気負わずにサラリと読めるのもポイントです。
⑩ 重松清【とんび】
つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。
「BOOK」データベースより
重松清さんの作品はどれも人情味に溢れ、不器用ながらも懸命に生きる姿にいつも感動をもらっていますが、その中でも本書は別格です。
結婚して子どもが生まれ、幸せの絶頂期に妻を失い、それでも懸命に生きる不器用なヤスさんの姿は読んでいてニヤニヤしたり、心配になったりと感情が色々な方面に振れっぱなしでした。
乱暴者だけれど人を大事に思い、誰かのために本気になれるどこか憎めない人。
そんなヤスさんだからこそ成立した物語で、一冊読み終わる頃には随分心が豊かになった気がします。
おわりに
ただ面白いだけがエンタメ小説ではなく、悲しさだったり感動だったり、様々な方向に感情が揺れ動き、心が豊かになるものこそがエンタメの本質ではないかと思っています。
この記事で取り上げた作品はエンタメ小説として括ったものの、面白さの方向は様々です。
まずは自分の気持ちに向き合い、今の自分の気分に合う作品を選んでもらえればと思います。
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