『ゆうずどの結末』あらすじとネタバレ感想!一冊の本がもたらす想像を絶する恐怖
こんな結末は耐えられない――。
Amazon商品ページより
大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。
宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。
「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。
しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。
そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。
何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。
菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが――。
滝川さりさんの作品は『お孵り』に続いて二作品目です。

そこまで複雑な構成ではないため、恐怖の仕組みはすぐに把握できるのですが、それでも最後まで恐怖を楽しめました。
それは読者が待ち望んでいた恐怖だからであり、滝川さんはそれをしっかり描いたからではないかと思っています。
『お孵り』が個人的にはそこまで引っかからなかったため、本書は読んで良かったと思えました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
ゆうずど
私が熱を出したため医療機関を受診し、処方箋を持って薬局に行きます。
受け取りを待っていると、薬局にあるブックラックに『ゆうずど』と書かれた本を見つけます。
角川ホラー文庫から刊行されていますが、著者の名前は聞いたことがなく、マイナーな作家であることが予想されました。
私は何気なくそれを読み始めて、冒頭には黒い栞が挟まれていました。
少しだけ読んでブックラックに戻しますが、家に帰ると、ゆうずどは鞄に入っていました。
薬局に返しにいっても所有する本ではないと、受け取りを拒否されてしまい、なんとかカウンターに置いて帰りますが、また戻ってきてしまいます。
何度も上記のことを繰り返して絶望する私ですが、さらに驚くことに、黒い栞は少しだけ先のページに挟まれていました。
連鎖
場面は変わり、とある大学の文芸サークル。
部室にいた菊池と先輩の日下部は、同じサークルのメンバーである宮原すみれが飛び降り自殺するところを目撃します。
死体の側には『ゆうずど』がありました。
亡くなる前、すみれは精神的に不安定になっていて、最近では紙の化け物を見ていたのだといいます。
すみれと特に仲良くなかった菊池は特に気にしていませんでしたが、ある日、気がつきます。
日下部が『ゆうずど』を読んでいることに。
特に異変は見られませんでしたが、六日後、日下部もまた飛び降り自殺をしてしまいました。
自分の番
菊池は同級生で日下部の彼女・海老原晴美から日下部のことを聞きます。
死ぬ間際、日下部もまた紙の化け物を見ていて、単なる自殺ではない可能性がありました。
その後、警察が事情聴取のために菊池の元を訪れます。
見せられたのはエレベーターの監視カメラの映像で、映像中の日下部は何かに怯えていました。
警察は不思議そうに見ていますが、菊池もまた日下部と同じリアクションをとってしまいます。
なぜなら、紙の化け物が見えたからです。
感想
分かりやすいホラー
本書の恐怖に関するルールは至ってシンプルです。
『ゆうずど』を読むとそれに囚われ、やがて死に至るのです。
黒い栞の位置や紙の化け物の登場などによって自分の進行度が分かる仕様になっていて、読者への親切設計になっています。
僕はこういった類のホラーを多く読んでいるわけではありませんが、恐怖が感染するという意味で『リング』を思い出しました。

先が読めるけれど、しっかり怖い。
あっという間に読めてしまったので、面白かったんだなと振り返ってみて思います。
オムニバス形式
本書は様々な登場人物の視点で描かれ、特に章と章が絡み合うことはありません。
完全に独立しています。
『ゆうずど』が共通しているので、ある程度流れをもって読めたのは、リーダービリティという観点から良かったです。
また単純に『ゆうずど』の設定に頼るのではなく、違った視点からも伏線などの仕掛けが施されていて、単純な読書にならないよう一役買っています。
結局、『ゆうずど』って存在したのか。そもそも何だったのか。
こう考えることもあり、読み始めの頃よりも物語の奥行があったことは嬉しい誤算でした。
おわりに
本書を読むと、紙媒体の本に栞が挟まっている光景が怖くなるかもしれません。
それくらい現実への侵食度が高い作品で、それは面白いホラーであることの証明です。
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