さよならポニーテール『奇妙なペンフレンド2』見どころと感想【さよポニという概念がより深まる一冊】

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十年後くらいに第二弾を出したいと言われていた『奇妙なペンフレンド』が、二年という短いスパンでリリースされました。

前のペンフレンドはこちら。

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さよならポニーテールという音楽ユニット、というか概念がますます深くなっていることがよくわかる一冊で、ファンは必見です。

この記事では、ネタバレを極力さけた上で本書を簡単にご紹介します。

そもそもさよポニってなに?という人はこちらの記事をご参照ください。

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見どころ

リリース状況の裏側

本書でも第一弾同様、これまでリリースした作品に込められた思いや意味をクロネコが解説してくれます。

一番前だと『新世界交響曲』。

新しいものだとこの時点で最新アルバムの『銀河』。

どれもクロネコの私見がふんだんに取り込まれているので、他の制作陣やボーカルは違うことを考えているかもしれない。

僕らリスナーが受ける印象と異なる部分があるかもしれない。

こういった思考の余地が醍醐味で、普段あまりないのですが鼻息を荒くしながら読んでしまいました。

音楽的知識は皆無なのにそれでも分かる部分があり、さよポニは音楽ではなく概念なんだなと改めて思いました。

インタビューが盛りだくさん

今回は内情を語ってくれるのはクロネコだけではありません。

さよポニを支える制作陣であるメグ、マウマウ、324P、ふっくんのそれぞれ1万字という膨大なインタビューが掲載されています。

これがとにかく豪華すぎる。

トップバッターのメグの時点で明らかに言ってはいけなそうなカミングアウトをしてくるし、それぞれのインタビューから中の人がだだ漏れてきます。

個人的にはこういうの大好物ですが、ファンの中でも自分の感じていた世界観が壊れて嫌だと思う人もいるかもしれません。

しかし、さよポニという活動が十年以上続いて中の人とキャラクターの境界が曖昧になってきているので、色々カミングアウトするにはちょうど良い時期なのかもしれません。

インタビューを読むと好きな音楽のジャンル、ルーツが本当にバラバラなのが分かります。

本当に同じグループ?っていうくらいにバラバラです。

ここがうまくまとまっているのは間違いなくクロネコのおかげだし、さよポニという唯一無二の活動形態だからこそなしえた奇跡ともいえます。

感想

当たり前だけどファン必見

なんて濃厚で、贅沢な一冊なんだろう。

前作を読んでもそう思いましたが、本書はそれ以上に豪華です。

とにかく音源などのさよポニの活動の表側だけでは感じ取れない細かいニュアンス、思想が惜しみなく書かれていて、もう冒頭から興奮しっぱなしです。

クロネコも本書を買うような層は相当コアなファンだと言っていますが、まさしくその通り。

本書を手に取る人は音源だけでなくTwitterなどでも逐一さよポニの情報を収集している熱心な人たちだと思うし、その人たちに本書が刺さらないはずがありません。

読んだときに衝撃を受けてほしいので詳しい内容はすべて伏せますが、こんなこと明かしていいの!?っていうくらいに内情をぶっちゃけています。

人によっては自分の思い描くさよポニを打ち砕かれ、嫌な気持ちをするかもしれません。

でも、個人的にはここまでさよポニを追いかけている人であれば、そんなことも含めて彼らを愛せるのかなと思います。

最近のさよポニは特に現実と創作の境界線が曖昧になってきて、その影響が楽曲に色濃く反映されているわけですが、それがとても良いのですから。

長々と書きましたが、とにかくファン必見であることをまずお伝えします。

さよポニをまだまだ好きになれる

僕は人並み以上にはさよポニを愛していると少しの自信を持っています。

三枚目までのアルバムは妻とまだ結婚する前にずっと車の中で流していて、第二の青春を感じさせてくれるし、結婚式では『ねぇ、ずっと好きでいてもいいかい?』を流した時のことを今でも鮮明に覚えています。

妻とこの辺りの話をしたことがありますが、彼女はどうもピンとこないようでした。

夫婦という近い間柄でも捉え方が違うので、僕の捉えるさよポニは僕だけの感覚なのかもしれません。

それってすごく面白い。

それからCDは機器の問題で聞けないレコード以外はすべて購入しているし、本書も含めて周辺グッズなんかも心待ちにしています。

もうこれ以上さよポニを好きになれないだろう。

そう思いながら本書を読みましたが、そんな思いは一瞬で吹き飛びました。

さよポニ、もう本当に大好き!

クロネコの本音むき出しのライティングが興味深いのはもちろんのこと、本書ではこれまでほとんど素性が明かされていないふっくん、324P、マウマウ、メグの各一万文字のインタビューまで掲載されていて、それがめちゃくちゃエモかった。

文章からでも人柄がにじみ出ているし、好きな音楽などで何となく世代がわかるし、中の人が薄っすら透けて見えるようでした。

こんな舞台裏が明かせるのも、さよポニがまた新たなフェーズに向かって進もうとしているかな、なんて勝手に期待が膨らみます。

正直、さよポニの楽曲だからなんでもかんでも好きというわけではなく、時には自分に合わないものもあります。

それでもさよポニへの愛は止まらないし、できるだけ彼らの音楽を理解したい、愛したいといつも心から願っています。

僕としては、これからも自分たちの追い求めるものをそのまま形にして、僕らにそれを届けてくれることほど嬉しいことはありません。

そして、そんなさよポニの影響を受けて、これから十年の自分がどう変わるのか。

その時にさよポニはどんな形をしているのか。

僕はそんなちょっと先の未来を夢見て、これからもさよポニの活動を応援します。

おわりに

いつもより熱量多めに書いたせいで、余分な文章も多く読みにくいかもしれません。

でも、こういう記事は感情が乗るからこそ読む価値があるのだと僕は思っていて、改めて自分から見たさよポニを認識できたし、この思いが少しでも新たなさよポニファンに繋がるとこの上なく嬉しいです。

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