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文庫化までの期間はどれくらい?理由は意外と大変な出版業界事情?

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僕は読書が好きですが、持ち運びなどを考えて基本的に文庫本を買っています。

もちろん大好きな作家さんの本は単行本で買いますが、せいぜい二、三人で、それ以外は文庫本が発売されるまで待っています。

ところで、文庫本って発売されるまでどれくらいかかるのだろう? と疑問に感じたことはありませんか?

実は最近、湊かなえさんの『絶唱』という作品が文庫化されることが決まったのですが、調べてみて驚きました。

なんと、単行本から文庫本が発売されるまでに約四年五か月(2015.1.22~2019.6.26)もかかっているのです

ちなみに僕は2019年に入ってから単行本を買い、文庫本も買う予定です。

しかし、これにはちゃんと理由があり、それを知っておくと本をより好きになれるだけでなく、出版業界についても知ることができます。

この記事では、文庫本が発売されるまでにかかる時間、その理由について解説したいと思います。

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文庫化までにかかる時間

先に結論から申し上げます。

多少前後しますが、おおよその作品は『二~三年』で文庫化されます

先ほどの『絶唱』は例外とはいいませんが、比較的文庫化が遅い作品ということになります。

しかし、これは決して読者に意地悪をしたくてこんな期間を設けているわけではありません。

文庫化まで時間がかかる理由は、本にかかる経費などにあります

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文庫化されるタイミング

それは『本を出版するためにかかった費用が回収できた時』です

もちろん例外もあると思いますが、基本的には一定数売れたものに限られます。

そのタイミングというのが、おおよそ二~三年ということです。

単行本の価格設定などについては以下の記事で言及しています。

本の印税は10%?単行本の値段設定が高い理由を解説! 本を買う人なら分かると思いますが、単行本って高いんですよね。 作品によりますが、文庫本の三倍なんてこともざらにあります。 ...

 

ちなみに、単行本の値段が高いと感じる人も多いかと思いますが、実は驚くほど利益が出ません

ここには著者の印税や出版社の利益だけでなく、書店や取次の利益も含まれています

さらに出版社は本を世に送り出すために取材費だったりプロモーション費用をかけていますので、これらを売り上げから回収するまでは利益は出ない仕組みになっています。

最近の話で面白かったのは、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』のお話です。

文庫本のあとがきで書かれていますが、この本は取材費がめちゃくちゃかかっていて、相当売らないと大赤字になるほどだったそうです。

そのため、出版社はまず単価の高い単行本を売り出し、それまでにかかった経費を回収します。

経費が回収できれば利益が生まれ、今度は投資に回すことが出来ます。

新人作家などは知名度も低く、簡単には本が売れないため、赤字になることもざらです。

しかし、ここに投資をしないと次世代を担う作家が育たないため、有名作家などが利益を稼ぎ、それを原資に次世代を育てることになります。

例外

文庫化までの期間が一般的に二、三年と上述しましたが、いくつか例外もあります。

例外① 映画化など他メディアに進出

分かりやすいのが映画化、ドラマ化など他メディアにその作品が進出した場合です。

この時、普段本を読まない人にも作品が周知され、買ってもらえるチャンスが生まれます。

そこで文庫本を投入すれば、廉価版なのでより手に取ってもらいやすくなります。

よく店頭に平積みで置かれ、派手な帯がついた本を見かけると思いますが、それらがまさしくこの場合です。

よほどの本好きでない限り、話題性があるor 有名な作家の本しか買わないため、出版社もそのタイミングを取りこぼさないよう必死になるというわけです。

例外② 大ヒットを記録

これはあくまで僕の推測ですが、単行本販売の立ち上がりが早く、一気に売れた本は文庫化までの期間も短くなると思います。

しかし、調べてみましたがその実例となる作品は見つけられませんでした。

というのも、大ヒットを記録した作品はすぐに映画化、ドラマ化などされてしまうからです。

その場合、文庫化までの期間が短かったとしても、映画化などの影響ともいえるので、結論は出ません。

正直、売れるうちは単行本を販売し、適正な期間を経てから文庫本を出版することが、最終的には読者・出版業界両方の利益になると思います。

そういう意味でも、特別な理由がなければ文庫化は二、三年待つのが適正なのでしょう。

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まとめ~そもそも文庫本の意義~

読者にとってコンパクトで、場合によっては単行本に加筆修正され、非常にありがたい存在の文庫本。

しかし、出版業界からしたらそうありがたい存在ではないと思います。

もちろん文庫本でも利益は出ますが、あくまで廉価版なので単行本ほど利益は出ません。

これはあくまで単行本が発売されて数年が経ち、売れ行きが鈍化してきた時のテコ入れのようなものです。

単行本が発売して二~三年がテコ入れのタイミングと言い換えることもできます

あくまで単行本が売れたから文庫本を出せただけで、そもそも売れない作品は文庫化されずに店頭から消えてしまいます

その中にはきっと、ほとんどの人が知らない名作も含まれているのでしょう。

そう考えると、今後も新しい才能を持った作家さんと出会いたいと願う読者は、可能な限り、単行本を購入するのがいいと思います

もちろん値段が高いというネックもありますが、今なら電子書籍もありますので、大きくて重いというデメリットは解消されます。

電子書籍について、正当な利益が得られないのではという意見もあります。

しかし、とにかく購入すること

これだけで作家や出版業界への恩返しになります。

本は本当に一期一会なので、ぜひ店頭で見てビビッと来た本があれば、思い切って購入してみてください。

最後に

文庫本が発売されるまでおおよそ二、三年かかり、もっと早く出してほしいという意見の方もいると思います。

しかし、そこには出版業界の事情があり、決してお金儲けだけを理由に意地悪しているわけではありません。

文庫化を待ち焦がれるくらい熱意があるのなら、もう思い切って買ってしまいましょう!

はじめは重たくて抵抗があると思いますが、やはり単行本を読んでいる時の高揚感は格別です。

装丁も綺麗で豪華で、コレクター気質な方に特におすすめです。

最高の作品を、最高の気分で読む。

そんな時に、単行本ほどぴったりなものはありません。

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