『邪教の子』あらすじとネタバレ感想!最後まで気が抜けないサスペンススリラー
この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のサスペンススリラー。
Amazon商品ページより
澤村伊智さんの作品である本書。
ニュータウンを舞台に、新興宗教にがんじがらめにされた少女を救い出す一部始終を描いた文章を読むという形式で始まります。
その文章には違和感が至るところに隠されていて、その謎が明かされてからも驚きの連続なので、最初から最後まで一気に読めてしまう没入感を味わうことが出来ます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
新興宗教
冒頭、慧斗(けいと)が過去にあったことを書き記したものを読者は読むことになります。
慧斗が十一歳だった時の話。
彼女が住む光明が丘というニュータウンに飯田家が引っ越してきますが、これが問題の発端になります。
慧斗と同い年の飯田茜は歩くことができず車椅子生活で、両親は治療のためにあらゆる方法を模索しました。
その中で行き着いたのがコスモフィールドという団体でした。
母親は娘の体を治すために多額のお金を寄付し、引っ越してきてからは募金活動のために車椅子にのった茜を連れだすところも目撃されています。
しかし、母親の精神状態はかなり悪化していて、茜を学校に行かせない、暴言や暴力をふるうなど虐待に行為に及んでいました。
気になった慧斗は友人の祐仁、朋美と共に茜の家に乗り込みますが、母親によって早々に追い払われてしまいます。
その時、茜から拒絶の手紙を渡され、慧斗は深く落ち込みます。
暗号
ところがしばらくして、手紙には暗号が込められていて、茜が助けを求めていることが判明します。
さらに『みずはし』という言葉も込められていて、それが脱会屋のみずはしを意味していることがのちに分かります。
脱会屋とは宗教団体から抜け出す手助けをして、洗脳が解けるまで別の場所で保護などする人のことを指します。
慧斗は朋美とともにみずはしの居場所を突き止め、茜の救出を依頼。
本来であればまともなお金が払えない、とても依頼とはいえない内容でしたが、みずはしはこの依頼を承諾。
そして急に運命の日が訪れ、茜奪還の作戦が始まります。
違和感
慧斗の残した文章が終わると、物語が一転します。
今度は別の人物がこの文章を読み、そこにある違和感から様々な真実が浮かびあがってきます。
慧斗を取り囲む環境とは、本当はどういうものだったのか。
タイトルにある『邪教の子』とは何を指すのか。
物語の本番はここからで、驚きの真実が次第に明かされていきます。
感想
見方一つで変わる
本書そのものや宗教などにいえることですが、見方によってまるで違った形や意味になります。
宗教は理解できない人にとって胡散臭いものでしかありませんが、それによって救われた人、あるいは他にすがるものがない人にとっては心の支えであり、それ以上のものはありません。
改めて宗教=悪ではないことを認識しましたが、それでも受け入れがたい押しつけがましさもあり、頭で理解していても難しい問題だと感じました。
それから本書について。
慧斗の手記には違和感がいたるところに隠されていて、真実が明かされる前から一種の不穏な空気をまとっています。
平和で幸せそうなのに、どこか素直に受け入れられない得体の知れない恐怖がある。
やがて真実が明かされると手記の持つ意味がガラリと変わり、物語はひっくり返ります。
どんでん返しとまではいきませんが、本書は驚きの連続で、気を抜くと新たな事実に打ちのめされ、何が本当で何が嘘なのかが分からなくなってしまいます。
ぜひ最後まで気を抜かずに読んでください。
最後がもう一押しほしい
目が離せない魔力のようなものがあり、一気読みしてしまうほど面白かったです。
面白かったのですが、個人的には中盤までの盛り上がりに対して最後がやや拍子抜けでした。
着地地点としては妥当なのかもしれませんが、そこに至るまでに膨れ上がった期待を満たすには不十分で、その点が多少の不満として残りました。
おそらくですが、これは僕が勝手に『ぼぎわんが、来る』などのホラー作品を念頭に置いて読んでいたため、違ったテイストの内容にギャップを勝手に感じてしまったからかもしれません。
前者はホラーですが、本書はサスペンスで面白さのベクトルがやや違います。
澤村さんのファンでこれから読むという人は、先入観を抜きにして読んだ方が本書を純粋に楽しめると思います。
おわりに
ニュータウン、新興宗教など、僕の大好きなワードを澤村さんという大好きな作家さんが描いてくれる最高の組み合わせでした。
何かに没頭したい人に特に向く作品なので、時間を確保して一気読みをオススメします。
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