『スケルトン・キー』あらすじとネタバレ感想!サイコパスが巻き起こす予測不可能なミステリサスペンス
週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を上げることで、自分の狂気を抑え込むことができるからだ。最近は、まともな状態を保てている。でもある日、児童養護施設でともに育った仲間から電話がかかってきて、日常が変わりはじめた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう―僕に近づいてはいけない。殺してしまうから。あなたは死んでしまうから。
「BOOK」データベースより
恐怖という感情が欠如している、他者への共感性がないなどの特徴を持つサイコパス。
本書ではサイコパスが主人公や主要人物として複数人登場し、それによって常人ではあり得ない展開で物語が進行するミステリ、サスペンスになっています。
通常のミステリとは一味違った魅力を持っているので、道尾秀介さんのファンの人にもそうでない人にも読んでほしい一冊です。
以下では、道尾秀介さんが本書について対談形式で語っています。
【刊行記念対談】“もう一人の僕”が顔を出すとき、必死に守ってきた平穏が壊れてしまう――。予測不能のサスペンス。『スケルトン・キー』道尾秀介×中野信子
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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タイトルの意味
内容に入る前に、タイトルの意味について。
『スケルトンキー』とは非常に単純なデザインの鍵で、ウォード錠を開ける際に用います。
ウォード錠はセキュリティ能力が低く、そのほとんどがスケルトンキーを使うことで開けることが出来ました。
それによってスケルトンキーは『合い鍵』という意味でも用いられるようになり、本書ではその意味で使われています。
物語において非常に重要な意味を持つ単語なので、どんな意味で物語に組み込まれているのか予想しながら読むとより楽しめると思います。
あらすじ
サイコパスの少年
坂木錠也は生まれた時には母親を亡くし、青光園という施設で育てられました。
十九歳になると園を出て、間戸村という週刊誌記者の依頼で追跡、潜入捜査をこなすようになります。
錠也は生まれつき恐怖という感情を持ち合わせておらず、同じ園で育ったひかりは彼のことをサイコパスだといいました。
危険な仕事ですが錠也にとって天職であり、そのまま人生を送るかと思われました。
復讐
ある日、錠也は同じ施設で育った友人・迫間順平から衝撃的な事実を伝えられます。
順平の父である田子傭平は殺人の罪で刑務所に入っていて、今は順平と暮らしていますが、田子の殺害したのが錠也の母親だったのだといいます。
錠也は田子のことを恨んでいました。
母親の仇だからではなく、自分のあったかもしれない人生を奪った相手だからです。
そして後日、田子が遺体となって発見されます。
殺人容疑
錠也は殺人事件の容疑者として警察に疑われ、逃げることを決意します。
一方、以前に錠也が追跡調査でスキャンダルの的になった俳優が事件を起こし、この二つがやがて複雑に絡み合っていきます。
そして終盤、読者の想像もしていなかった衝撃的な事実が明かされます。
感想
新感覚のミステリサスペンス
サイコパスは決して悪者というわけではなく、その特徴から成功を収めている人もたくさんいて、小説において魅力的な人物を描くのに都合の良い設定です。
数多くの作品でサイコパスやそれに近い存在が登場しますが、本書のように主人公かつ一人称の語り手がサイコパスというのはそう多くはないと思います。
錠也は恐怖を感じないゆえに、常人であれば避けること、躊躇することに対しても合理的だと判断すれば選択できます。
そのせいで読者の共感が入りこむ余地はほぼなく、一人のサイコパスがすることをただ追いかけることになります。
共感こそ読書の醍醐味だとする人からすれば好ましい作品ではないかもしれません。
しかし、本書にはサイコパスが複数人登場するので、彼らの究極の合理的選択が織り成す極限状態のミステリサスペンスが味わえるので、一見の価値ありです。
結末がやや物足りない
道尾さんの物語の構成はいつもよく練られていて、本書においてもそれは同様です。
ちゃんと物語に張られている伏線は回収され、結末で見事に収束します。
しかし僕は、この結末についてやや物足りなさを感じました。
その方向のクライマックスは求めていなかったというか、もっとサイコパスならではの惨劇のような強烈なものを求めていたので、その点だけ残念でした。
あと、これは僕のせいなのですが、つい最近読んだ作品で本書最大の仕掛けと同じ様なものが仕込まれていたので、驚きが半減してしまったというのもあります。
それがなければもっと楽しめたと思うので、大体の読者の人であれば問題ないと思います。
安心してお楽しみください。
おわりに
ミステリというよりもサスペンス色が強く、サイコパスの特徴がよく活かされ、目が離せない一冊でした。
ハラハラドキドキしたいという人には、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
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