『サイコロジカル(上)兎吊木垓輔の戯言殺し』あらすじとネタバレ感想!山奥の研究所に集う天才たち
「きみは玖渚友のことが本当は嫌いなんじゃないのかな?」天才工学師・玖渚友のかつての「仲間」、兎吊木垓輔が囚われる謎めいた研究所―堕落三昧斜道卿壱郎研究施設。友に引き連れられ、兎吊木を救出に向かう「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”の眼前に広げられる戦慄の“情景”。しかしその「終わり」は、さらなる「始まり」の前触れに過ぎなかった―。
「BOOK」データベースより
前の話はこちら。
戯言シリーズ第四弾となる本書。
シリーズ初の上下巻構成に加えて、二作ぶりに玖渚友が主要人物として登場します。
友の過去に関係した話で、天才が何人も登場します。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
かつての仲間
かつて玖渚友をリーダーとした『チーム』という組織があり、各分野の天才九人から構成されていました。
チームは誰もが驚く行動を起こし、何の痕跡も残さないまま消滅しました。
本書において焦点が当たるのは、チームの一員だった兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)という男です。
兎吊木は破壊(クラック)に長けていて、現在は堕落三昧(マッドデモン)の通り名で呼ばれる天才科学者・斜道卿壱郎の研究施設に特別研究員(フェロー)として所属しているといいます。
友は兎吊木をこの研究施設から出したいと思っていて、そのための旅に主人公であるぼくを同行させます。
さらに保護者が必要ということで、ぼくの住むアパートの住人・浅野みいこの親友、鈴無音々(すずなしねおん)も同行することになり、三人は山奥にある斜道博士の施設を訪れます。
平行線
一同はまず斜道博士と面会します。
この研究所のパトロンは友の一族が築いた玖渚機関なので、斜道博士は一見友を歓迎しているように見せます。
しかし、あくまで友が玖渚家の人間だからこその対応であり、そもそも彼女は玖渚家から絶縁をくらっています。
つまり斜道博士にとって望まれていない客人であり、友好な話をできるはずがありません。
友は気にせず兎吊木とも会います。
二人の会話は描写されていませんが、ぼくと兎吊木の会話から友の提案を兎吊木が断ったことが分かります。
事件
兎吊木をここから出すためにはどうしたらよいのか。
その方法が分からないまま、一行は研究所の他の研究員と交流を深め、一日滞在します。
そして、誰もが予想していなかった事件が起き、物語は一気に動き出します。
感想
あくまで導入
本書は上下巻構成のうちの上巻なので、当然ですがより盛り上がるのは下巻です。
上巻である本書はあくまで導入部分を担当していて、比較的あっさりしています。
しかし、ご安心ください。
ちゃんと面白いです。
友の過去が少しずつ明かされ、かつての仲間や知っている人が絡んできますが、この人たちがまた友とは違ったタイプの天才で強烈なキャラクターを持っています。
ここでいう天才はとは、兎吊木と斜道博士のことを指します。
斜道博士は友や兎吊木と比べると天才でないのでは?という議論もされますが、読者からすれば理解の範疇外という点においてどちらも天才であることに間違いありません。
誰もが一歩も譲らない口撃の応酬。
物語としてはさほど進行しませんが、変わり者で曲者が多く登場するので、彼らのキャラクターを掴んでいくだけで面白かったです。
ぼくの気持ち
ここでもまたぼくの内面が抉られます。
彼にとって友はどんな存在なのか。
クールに見えてすぐに熱くなるところがいかにも主人公らしく、語り手に徹しようとしてもすぐに物語の中心にきてしまうところが微笑ましく思います。
他の天才たちに対抗できるのは戯言くらいで、その言葉でどんなことができるのか。
ぼくにとってはまたしても大変な旅になりますが、音々がいることでフォローが行き届い
ているので、その点において安心して読むことができました。
ここで傷を負い、どんな答えを見出すのか。
下巻が楽しみです。
ぼくの推理
終盤、ぼくは関係者の前で推理を披露し、事件に終止符を打ちます。
ところが肝心の内容が適当で、スッキリしなかったという人も多いと思います。
その感覚は正しいです。
後に潤からも指摘されていますが、ぼくはとある目的を達成するために一見それらしい推理を並べていますが、真実はそうではありません。
では、推理の裏ではどんな思惑があったのか。
その答えが一番最後にあります。
明確な記述はありませんが、読めばぼくの意図するところが分かるので、そのことを踏まえて読んでみてください。
誰が得をしたのか考えればスッキリするはずです。
おわりに
導入にしては冗長に感じる人もいるかもしれませんが、新キャラがどれも魅力的で、西尾維新さんらしい言葉遊びを堪能できる上巻でした。
下巻では事件の謎解きが中心になるので、よりミステリ要素が強まります。
上巻とは違った楽しみを得られるので、必読です。
次の話はこちら。
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