『安達としまむら12』あらすじとネタバレ感想!
恋人になった女子高生2人、夏休みに海に行きます。
もしも安達がわたしの先生だったら。
もしも安達が小説家だったら。
もしもあの時、体育館の二階に行かなかったら。空想は置いておき、安達からお誘いが。
Amazon商品ページより
「う、海……は、広いね」
「いいよ。来週くらいに行こうか」
「来週、ですか……」
垂れ下がった耳と尻尾が見えるけど、こっちも色々準備が必要だ。お小遣いとか、水着とか。彼女に可愛いとこ見せたい気持ちはわたしだってあるのだ。……きゃー。
シリーズ第十二弾となる本書。
前の話はこちら。
安達としまむらはすでに恋人同士なので甘い展開しかないのですが、本書では本来の世界線から離れた『if』も描かれていて、それが一つの見どころになっています。
いつ、どんな時でも安達としまむらは変わらないと分かるところに、二人の結ばれる運命というか、強いものを感じさせます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
もしも安達さんが教師だったら
ifその1。
安達が先生で、担任である1年生のクラスにしまむらがいるという設定です。
今回はいつもと逆で、しまむらが安達にめちゃくちゃ懐いていて、猛烈アタックをしてきます。
満更でもない安達が拝めるとともに、母親との関係も本編より良好で、そこも良かったです。
もしも安達さんが小説家だったら
ifその2。
安達が小説家として執筆した作品が映画化され、その収録に立ち会うことになりますが、そこにいたのは主演を務める女優ことしまむらでした。
本編ではしまむら視点が多いため、安達が美人だという描写が目立ちますが、しまむらの十分美人だということが分かる内容になっています。
ここでもしまむらは積極的で、本編がレアな展開だったのか?と疑問になりました。
もしもしまむらさんがバックトゥザ
しまむらが車にはねられそうなところを、ヤシロが助けます。
この世界線では二人は初対面で、しまむらは安達のことをろくに認識していません。
そこでヤシロは、自分の介入が影響していることに思い至り、二人が本来の関係性になるようテコ入れします。
それが合コンでした。
もしもすべてがいつもどおりだったら
高校三年生の夏休み。
安達がしまむらを海に誘い、二人は夏休みに海に行くことにします。
しまむらは海に行くための軍資金集めのために家事を手伝い、その日を迎えるわけですが、そこにはただただ幸せな時間が待っていました。
感想
いつでも二人は一緒
本来の時系列である最後の短編までは、ひたすらifストーリーが描かれます。
安達としまむらが単なる同級生ではなく、年齢差があったり、立場が違くて大人になってから出会ったり、そもそも出会ってなかったり。
色々なシチュエーションがあるのですが、いつどんな時でも二人は結ばれてしまうのだ、という強い運命のようなものを感じさせる内容で、どれも読んでいて微笑ましかったです。
さらに出会っていないパターンではヤシロが上手くリードしてくれるのですが、普段ぐうたらして遊んでいるだけの幼女なのに、やる時はこんなに頼りになるんだという、謎の安心感を見せてくれました。
そして、無事に接点を持つことができた二人がたどり着いた未来を読んで、そうきたか、と懐かしさがこみ上げてきました。
このシーンを読んでから一巻を読み直すと、感動がすごいかもしれません。
終わりに向けて
本書の時系列は、受験を控えた高校三年生の夏休みです。
そう考えると、あとは文化祭、受験、卒業くらいしかイベントは残されていません。
巻数としては数巻でしょうか?
まあ、本書みたいにifなど挟めばいくらでも伸ばせるわけですが、順当にいけば終わりが見えそうです。
もはや時系列など超越した作品なので、本筋の完結にはもはや意味などないのかもしれませんが、一応の区切りが見えてきたのでちょっとだけセンチメンタルな気持ちになりました。
自分の人生のけっこうな期間が本書とリンクしていて、その時々で様々な感情をもらっていたのかと思うと、感慨深いです。
おわりに
ただただ微笑ましく、愛おしい作品でした。
二人も遠慮がなくなってきたこともあり、素直に自分を表現するようになったも良きです。
そこまでにかなりの時間を要したので、これから先もご褒美タイムは続きそうです。
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