『無限の回廊』あらすじとネタバレ感想!終わらない悪夢の先に待ち構えているものは?
「まだ?」と声が聞こえるたび、佐々木るみはそっと目を開いて、絶望に囚われる――。最強の拝み屋・物部斉清が死んだ。心霊案件を取り扱う事務所の所長である彼女は、不妊に悩む依頼人が連れてきたおぞましい怪異を止めきれず、物部を巻き込んでしまったのだ。頼る者がいない中、るみは自らの中に巣食う獰猛で最凶の敵に立ち向かうこと
Amazon商品ページより
になる。次々と開く扉の中で待ち受けるのは、はてなき悪夢と深淵。シリーズ最大の衝撃作!
シリーズ第四弾となる本書。
前の話はこちら。

今回はおそらく意識しての構成だと思いますが、まんまと芦花公園さんの術中にはまってしまいました。
三〇〇ページないくらいのボリュームの中で、僕の感情がどれだけジェットコースターのような乱高下を繰り返したことか。
これだから読書は止められません。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
悲しみ
物語の冒頭、佐々木るみは葬儀に参列していました。
亡くなったのは、神にも等しい力を持っていた拝み屋・物部斉清です。
葬儀後、るみは物部家の世話係をしていた竹末保に連れられて、物部の祖父・正清と母親・清美に会います。
彼らは物部の死を悲しんでいますが、決してるみを責めません。
それがるみにはかえって苦しい。
なぜこんな状況になったのかは、ここから語られます。
依頼
るみのもとに、青山幸喜の紹介で依頼人がやってきます。
その人は田町糸といい、会った時点でかなり攻撃的でした。
彼女は夫との間に子どもが欲しかったのですが、夫の態度や行動に心がこもっていないことに怒りを感じていて、るみにぶつけます。
それだけであれば単なる夫婦の不仲で済むのですが、もちろんそれだけではありません。
妊活の中で糸は『子どもをさずける神』のことを知り、島根の社をお参りします。
非科学的なことですが、なんとお参りしてすぐにお腹が大きくなったのです。
糸は素直に喜びますが、どう見ても普通の妊娠ではありません。
病院で検査したところ、お腹の中にあったのは大量の水でした。
拡大する影響
その後も抜いて水は溜まり、ついにもっと事態は悪化します。
ある深夜、目覚めた糸は磯の匂いを感じたかと思うと、あまりの気持ち悪さに倒れて、救急搬送されます。
病院で目覚めると、病室の窓には汚い植物と泥がついていました。
この現象は糸のみならず、周囲にまで影響を及ぼしていたのです。
同じ病院に入院していた老人はこの現象を知っていて、赤い馬の話をして、振りまいている糸に激怒します。
それでもどうすることができず、周囲を巻き込んで状況は悪化し、るみは自分には手に負えない状況であることにすぐに気がつきます。
対処できるのは物部だけだと彼に相談しますが、これが最悪の始まりでした。
感想
絶望の連続
本書はとにかく絶望の連続です。
読者視点ですら圧倒的なのですから、当事者であるるみの心情は計り知れません。
物部斉清の死から始まるわけですが、るみのせいではないとはいえ、彼女が彼に救いを求めなければこうはなりませんでした。
責任を感じてしまっても当然です。
しかも物部の親族は誰もるみを責めないため、誰も免罪符をくれません。
るみは自分で自分を責めるしかない。
これだけでも苦しい時間ですが、実はこんなものはほんの序の口です。
個人的にはその後の章の片山敏彦とのやり取りが出来事が最高に怖くて、気持ち悪かったです。
え、そういう方向に舵取りするの?
著者の正気を疑った瞬間でした。
失望
読み進めていくと、物部が亡くなってからのるみの動向が分かってきます。
こう言ってはなんですが、物部が死んだことよりも遥かにショッキングでした。
誤解を恐れずに言えば、ずっとゴミ溜めを見ている気分です。
何の生産性もなく、ただ汚いものを見せられている不快感。
この時間はなかなかきつくて、同時に芦花公園さんはなぜこんな展開を…?と失望を隠せませんでした。
真の狙い
ところが、その失望すら芦花公園さんの手のひらの上であったことが終盤になって分かりました。
本書の主人公が誰なのか。
何を描きたかったのか。
それが分かると霧が晴れたようになり、登場人物の言葉一つ一つが清らかな水のように沁み込みます。
圧倒的な満足感でした。
唯一気になることがあるとすれば、本書で生まれた結果が今後のシリーズにどんな影響を与えるかです。
一冊かけて果たしたことだからこそ、何か意味があるはずだけれども、どんな影響をもたらすのかが把握しきれない。
これは良い意味で消化不良で、次への期待が俄然高まります。
おわりに
年々心に刺さる読書が減っている中で、やられた…と心の内で何度も呟いてしまいました。
それくらい衝撃的で、自分の中に流れ込んできた作品でした。
久しぶりに二度読み決定です。最高の読書でした。
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