三津田信三『凶宅』あらすじとネタバレ感想!引っ越した山の中の家に潜む怪異とは?
山の中腹に建つ家に引っ越してきた、小学四年生の日々乃翔太。周りの家がどれも未完成でうち棄てられていることに厭な感覚を抱くと、暮らし始めて数日後、幼い妹が妙なことを口にする。この山に棲んでいるモノが、部屋に来たというのだ。それ以降、翔太は家の中で真っ黒な影を目撃するようになる。怪異から逃れるため、過去になにが起きたかを調べ始めた翔太は、前の住人の残した忌まわしい日記を見つけ――。“最凶”の家ホラー。
Amazon商品ページより
三津田信三さんの作品である本書。
偶然出会った僕が言うのもなんですが、もっと多くの人に読まれてもいいのにと思うほど良質なホラーでした。
日本ならではの得体の知れない恐怖、次第と明らかになる恐怖の根源など読み進めるごとに面白くなっていくので、ホラー好きにはぜひオススメしたい一冊です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
嫌な予感
十歳の日比乃翔太は父親の転勤にともない、東京から奈良県の杏羅市に引っ越します。
道中、新幹線の中で翔太は薄気味悪い感覚に驚きます。
それはこれまでにも何度か感じたことのあるもので、その度に嫌な出来事が起きていました。
その感覚は新居に着くまで何度も翔太を襲いますが、具体的にいつ、どこで何が起こるのか分かるわけではないので、対策のしようもありません。
翔太はそのことを家族に伝えることもできず、そのまま新居に到着します。
違和感
山の中に建つ築年数の浅い一軒家。
そこが日比乃家の新居でした。
翔太はその家を見てすぐに違和感を覚えます。
周囲に宅地用の土地がありますが、どれも工事の途中で放置されていて、これから家が建つとはとても思えません。
違和感はそれだけではありません。
出前持ちからはこの家に住む人間は長続きしないという意味深なことを言われ、現にこの家が建てられて三年の間に複数の家族が出入りしていることが明らかになります。
謎の影
新居で妹の李実がおかしなことを言い出します。
彼女のもとにヒヒノという、山に棲む謎の存在が会いに来たのだといいます。
これだけであれば幼少期特有のイマジナリーフレンドと判断することも出来ましたが、おかしなことはこれだけではありませんでした。
翔太は家の中で複数の謎の人影を目撃したのです。
それが李実のいうヒヒノなのか。
それとも別の存在なのか。
翔太は気味が悪くなり、自由に使える時間を利用してこの家のこと、この土地のことを調査することを決めます。
負の歴史
翔太は近くのアパートに住む同い年の仲南幸平と知り合い、この辺りのことについて教えてもらいます。
翔太の家と幸平のアパートの大家は同じ人で、かつてこの辺り土地全てを所有していたこと。
大家である辰巳扇、アパートの二〇六号室に住む香月という女子大生がいつからか様子がおかしくなったこと。
山には気味の悪いものが棲んでいて、そのせいかアパートでも長続きせず引っ越す人が続出していること。
この土地では予想外の不幸が連続し、さらに辰巳家では奇怪な状況での死者が続出したこと。
翔太の嫌な予感は次第に形を成して彼を襲いますが、それは序章に過ぎませんでした。
感想
シンプルで良質
本書の最大の魅力として、読者が怖いと感じるポイントがシンプルで分かりやすく、雰囲気を大事にしていることが分かる良質な文章ではないかと考えています。
引っ越した先がいわくつきの物件および土地で、立て続けに説明がつかないような現象を目の当たりにする。
調査を進める中でいくつもヒントが得られ、次第に恐怖の正体が明らかになる。
物語の構造としてはこの通りなので、じっくり読み込まなくても内容はすんなり入ってきます。
かといって単純すぎて面白くないということはなく、謎の現象を調べれば調べるほど新事実が明らかになるので、最後まで読者を飽きさせることはありません。
特に後半になると物語が加速して一気に面白くなるので、ホラー好きであれば読んで損のない良作だと思います。
やや消化不良
不満な点というほどではありませんが、読む人によっては本書の消化不良感をマイナスに感じるかもしれません。
本書において翔太の身の回りで起こるおかしな現象についてある程度の考察はされますが、それがどこまで合っているのか答え合わせはありません。
それが読了後の怖さの余韻に繋がっているので一概にダメとは言えませんが、スッキリしない結末が苦手という人は若干注意が必要です。
個人的には全てを明らかにするのは野暮だと感じることもあるので、本書の場合はこれで良かった気がします。
また翔太の小学生という年齢を考えれば、ほぼ独力で全ての謎を解くことは不自然極まりないので、その点も含めて良い終わり方だったなと思います。
おわりに
偶然出会った作品でここまで楽しめるということは稀なので、非常についていました。
予想以上に怖く、お風呂場で読んだ時はやや後悔するほどだったので、作品に影響されやすい人は明るい場所、時間帯などに読むとよいかもしれません。
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