『ヒポクラテスの憂鬱』あらすじとネタバレ感想!面白さが加速するシリーズ第二弾
埼玉県警のホームページの掲示板に“修正者”を名乗る書き込みがあった。今後、県下で起きる自然死・事故死に企みがないかどうか見極めろという。同日のアイドルの転落死にも言及したため、県警の古手川と浦和医大法医学教室の助教・真琴は再捜査と遺体の解剖に臨んだ。結果、炙り出されたアイドルの秘密と司法解剖制度の脆弱さとは?シリーズ第二弾、待望の文庫化!
「BOOK」データベースより
『ヒポクラテスの誓い』シリーズ第二弾の本書。
前の話はこちら。
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前回で物語のパターンが出来上がっているので、本書ではそれをベースに前回以上に各人が好き勝手しています。
真琴、古手川の若さ、勢いが目立つ一方で、経験不足ゆえに光崎、キャシーのフォローが際立つということで、非常にバランスよく出来ています。
登場人物の魅力はもちろんのこと、死者に向き合う誠実さ、謙虚さは変わらず、ミステリとしてもエンタメとしてやはり一級品です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
コレクターの登場
浦和医大法医学教室に埼玉県警の古手川が現れて、コレクター、修正者について教えてくれます。
県警のホームページの掲示板に現れたコレクターは、埼玉県で起こる自然死、事故死に何か隠されていないか注意するよういいます。
警察はイタズラだと判断していて、法医学教室の面々にもそんなことを書き込みそうな人間に思い当たる節がありません。
しかし、古手川はコレクターが単なるイタズラではなく、何らかの意図があって書き込みをしたのだと推測していました。
そんな時、再びコレクターが登場し、アイドルの事故死について疑問を投げかけ、修正するよう求めます。
ここからコレクターとの戦いが始まりました。
翻弄される法医学部
コレクターが指摘する事故死には確かに誰かしらの悪意が込められていて、古手川や真琴たちはそれを暴いて真実を修正していきます。
やがてコレクターの指摘する事故は急増し、解剖する医師たちは慢性的な多忙に追い込まれます。
追い込まれたのは疲労だけでなく、予算もです。
解剖するにはどうしてもお金がかかり、当然、予算という限度があります。
予算がなくなってしまえば必要な死体が出ても解剖することは出来ず、暴かれるべき真実も放置せざるを得ません。
コレクターは何の目的で修正者を名乗っているのか。
真琴や古手川は事件だけでなくコレクターのことも追い、やがて一連の騒動の全体図が見えてきました。
感想
正統派続編
コレクターを名乗る人物が登場し、事件の規模としては前回よりもスケールアップしています。
真琴はすっかり法医学教室に慣れ、古手川の無茶な捜査ぶりにも共感を覚えるようになり、古手川と二人して無茶苦茶な捜査をいくつも披露します。
そこに光崎やキャシー、渡瀬がアドバイス、お説教、フォローをするというもので、前回の構図をそっくりそのままパワーアップさせています。
いわゆる正統派続編といえます。
真琴やキャシーのキャラクター性のせいかエンタメ性がどうしても強調されがちですが、死体と真摯に向き合う姿勢も忘れていません。
そこから導き出される真実は推理における何よりも強力な証拠になり、ミステリとしての面白さを底上げしてくれます。
とはいえ、コレクターの正体として該当しそうな人物はそう多くはありませんので、難易度としてはそんなに高くありません。
前作もそうでしたが、バリバリの推理を楽しむというよりも、自分で推理を楽しみつつも登場人物たちの躍動する姿を見届ける方がより楽しめると思います。
恋愛にも今後期待?
前作の記事でも書きましたが、エンタメ要素の一つとして真琴と古手川の恋愛要素が挙げられます。
すでに兆候はありましたが、本書では隠すことなくお互いに意識しまくりです。
ラストの展開なんて、匂わせもいいところです。
もちろん楽しみにしているのですが、一方で二人がそういう関係になることで他作品における古手川に悪影響が出ないか?なんて心配もしています。
心配してもしょうがないんですけどね。
いずれにしろ次作以降にさらなる期待ができる要素なので、さらなる進化を遂げた続編を期待しています。
おわりに
真琴も古手川も成長した姿を見せてくれて、読んでいて納得のシリーズ第二弾でした。
これまでの中山七里さんのシリーズものに比べるとよりエンタメ性が強く、そこが魅力だと思っているので、継続しつつもさらに進化を遂げてくれると嬉しいです。
次の話はこちら。
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