『リラ荘殺人事件』徹底ネタバレ解説！あらすじから結末まで！
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よなよな書房
『クローズドサスペンスヘブン』あらすじとネタバレ感想！犯人探しは天国で？
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俺は、間違いなく殺された――。なのに、ここはどこだ？ 気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、ここは天国屋敷で、現世で惨殺された６人が記憶をなくした状態で天国に返り咲いたらしい。俺は、誰だ？ なぜ、誰に殺された⁉ 館ものクローズドサークルに新風を吹き込む、“全員もう死んでる”系ミステリー、爆誕。
Amazon商品ページより
登場人物が全員死んでいて、天国が殺人現場で、そこで犯人を当てる。
そんな新感覚ミステリです。
天国ということで、常識では有り得ないことが起こりますが、しっかりルールに基づいて構築されているので、推理に破綻はなくしっかり楽しめます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
天国
男は目を覚ますと、綺麗な海岸にいました。
首を斬られた感覚があるのに、どこにも傷がない。
おまけに自分が誰なのか分からない、記憶喪失状態にありました。
少し歩くと、そこには既視感のある屋敷があって、中年男性が待っていました。
屋敷の中に通されると、そこには中年男性の他に四人の男女がいて、彼らが説明してくれます。
自分たちもまた記憶喪失で、ここは天国だと。
殺人現場
六人は見た目の特徴からヒゲオ、ヤクザなどあだ名をつけ、以後、それで呼び合うようになります。
彼らは生前、この屋敷に集まっていて、そこで何者かによって殺害されたのでした。
通常、成仏に必要なのは心残りの解消であり、それは犯人を突き止めることではないか。
六人はそう考えるようになり、犯人探しを始めます。
様々な可能性
天国では、一日ごとに何者かが新聞を配達してくれます。
天国での一日は現実世界での一時間に相当していて、新聞は一時間で新たに判明したことが記載されています。
六人は新聞をもとに、事件当時の状況を整理し、犯人が誰なのかを考えます。
六人の誰かが犯人なのか、それとも他に関係者がいるのか。
誰もが記憶喪失のため、カマをかけても引っかけることはできず、より論理的な思考が求められます。
感想
設定が面白い
天国が推理の舞台ということでいきなりぶっ飛んでいますが、それ以外の設定も凝っています。
事件当時のことを知らせる新聞。
天国での法則。
どれもしっかり定義づけされているので、ぶっ飛んだ設定でいて、推理がちゃんとできる構成になっています。
天国が活かされている
本書はどうしたら成仏されるのかが焦点になっていますが、ここも面白かったです。
何かやり残したことがあったのか。
犯人を知れたらそれで満足なのか。
ここがポイントになっていて、推理をする上で大事な要素です。
通常のミステリに比べて、若干後出し感も否めませんが、推理できるようしっかり提示してくれるので、その点もご安心ください。
キャラのブレ
個人的に気になったのは、キャラクターのブレです。
本書は表記上、第三者目線で描かれていますが、心情としてはヒゲオが視点となっています。
自然とヒゲオに感情移入しながら読んでいくわけですが、彼の性格や性質がシーンごとに異なるように感じて、それがずっと違和感としてありました。
探偵役として冷静で論理的なキャラクター性に見えて、急にコミカルに立ち回ったり、お粗末な推理を披露したり、どれが本当の彼なのかよく分かりませんでした。
それが最後まで解消されなかったので、残念なポイントではありました。
おわりに
本書自体面白いのですが、帯の道尾秀介さん、湊かなえさんの名前の主張が強すぎで、商法によって悪い印象も植え付けているような気がします。
これから読む人は可能であれば道尾さん、湊さんのコメントを一切合切無視して、ニュートラルな観点から本書をお楽しみください。
その方が絶対に楽しめます。
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