『ゴールデンスランバー』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
「BOOK」データベースより
本書は伊坂幸太郎さんの作品で、2010年に堺雅人さん主演で映画化されています。
伊坂さんは現在住んでいる仙台を物語の舞台にしていることが多く、本書のその一つです。
厳しい監視社会に、首相暗殺。
その濡れ衣を着せられた男性が二日間逃げる様子を描いた、ミステリにハードボイルドが合わさった内容で、文庫本では六百ページ以上とかなりのボリュームです。
過去と現在を行き来しながら物語が進行していくので、人によっては混乱してしまうかもしれませんので、この記事が頭の整理に役立てばと思います。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
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タイトルの意味
内容に入る前に、タイトルの意味について。
英語で記述すると『Golden Slumbers』となり、『Slumber』とは居眠り、うたた寝など浅い眠りを意味します。
直訳すると『黄金のうたた寝』ですが、作中にはビードルズの楽曲『ゴールデン・スランバー』が登場しますので、素直にここからとったと考えられます。
また作中、日本中の人間から犯人として追われる極限の状況の中で、『ゴールデン・スランバー』の歌詞を思い出しながら、日差しのように暖かい黄金にまとわりついて眠りたいとこれまでの穏やかな日々を思い出すシーンがあり、これもタイトルの由来になっていると思われます。
ちなみに楽曲の『ゴールデン・スランバー』は、トマス・デッカー作の子守唄『ゴールデン・スランバー』が由来になっています。
あらすじ
首相暗殺
仙台で新しい首相・金田の凱旋パレードが行われ、樋口晴子はテレビの中継でその様子を見ます。
すると、予期せず出来事が起きます。
金田の乗る車にラジコンヘリコプターが近づいたかと思うと爆発し、金田は死亡。
仙台は封鎖され犯人捜しが行われますが、翌日、すぐに容疑者が特定されます。
名前は青柳雅彦。晴子の元彼でした。
青柳がラジコンを購入したところが目撃されていたこと、かつて花火工場でアルバイトしていたことで爆発物に詳しい可能性が高いこと、青柳の大学時代の友人・森田森吾の銃殺による遺体が見つかったことなどが決め手です。
メディアを通じて犯人=青柳と決めつけられ、あることないこと全てが青柳のせいにされるのでした。
一方、晴子はとある証言から青柳が犯人であることに疑問を抱きます。
青柳は昔からご飯粒をいつも茶碗に残す癖がありましたが、目撃情報によると青柳らしき人物はご飯粒を残さず食べたといいます。
晴子はこのことをきっかけに、真犯人がいることに気が付くのでした。
発端
事件が起こる前のこと。
青柳は八年ぶりに森田と再会。
森田は何者かの指示で、青柳を誘導する役目を負っていました。
青柳の周りでは最近、おかしなことが続いていて、何者かが彼を貶めいれようとしているのは明白です。
森田は家族の命がかかっていることから指示に逆らえませんが、最後に気持ちが変わり、青柳が警察に捕まる前に逃がしてくれます。
その際に森田は銃殺され、車に設置されていた爆弾が爆破。
この罪も、青柳のものだということにされ、ますます状況は悪くなります。
救世主
青柳は訳が分からないまま逃げますが、仙台の街中にはセキュリティポッドが設置されていて容易ではありません。
策を講じますが、通話内容やカメラ映像などによって青柳の行動は筒抜けで、警察庁の佐々木一太郎に捕まってしまいます。
青柳は車に乗せられて万事休すかと思われましたが、突然、軽自動車がぶつかってきます。
青柳たちは車の外に出て状況を確認しようとすると、見知らぬ男が青柳を助けてくれます。
男の正体は世間で『キルオ』と呼ばれている連続殺人犯で、三浦と名乗ります。
何とかその場はしのぎましたが、いまだに青柳の置かれている状況は最悪です。
そこで青柳はかつての同僚・岩崎に集荷の依頼のふりをして呼び出すと、荷物として自分を運んでほしいとお願いし、岩崎も応じてくれます。
しかし、岩崎の知人が異変に気が付き、警察にこのことを通報してしまいました。
結果、岩崎は青柳を警察に突き出すしかなくなりますが、これまでの関係もあり逃がしてくれます。
思い出の場所
次に青柳が向かったのは、昔からずっと放置されていた車のところでした。
かつて晴子と一緒に来たことのある思い出の場所です。
前輪に鍵は隠してありますが、バッテリーを変えなければ動かないことは分かっていました。
青柳はダメ元で鍵を回しますが、当然、エンジンはかかりません。
そこでなぜかメモに自分が犯人でないことを書いてサンバイザーに挟むと、車を離れます。
すると、三浦と再会。
三浦は、今回の事件の裏には青柳を陥れようとする大きな組織がいることを指摘します。
彼らは青柳に似せて整形させた人物を何人も用意し、青柳に罪をなすりつけようとしているのだと説明します。
そして、青柳の後に車に近づいた人物がいたと教えてくれました。
そこで青柳が戻ると、今度はなんと車が動きました。
サンバイザーのメモには『だと思った』と追加されていました。
青柳は相手が晴子だとすぐに気が付きます。
晴子もこの車のことを思い出し、バッテリーを変えてくれたのでした。
青柳は晴子の想いを受け、車を動かしてさらに逃げます。
罠
三浦から連絡があり、青柳の偽物に関する情報が入ります。
三浦自身、整形してもらった過去があり、その整形外科医から青柳の偽物が仙台の病院で休んでいると情報を入手したのでした。
二人は病院で合流し、偽物を捕まえて警察に突き出し、青柳の無実を証明しようと考えます。
しかし、これは罠でした。
待っていたのは警察関係者で、先に来ていた三浦はこれを殺害。
青柳にこのことを伝えると、三浦はもう二度と動かなくなってしまいました。
活路を失った青柳ですが、病院内で裏稼業を生業にする保土ヶ谷に出会い、とんでもないアイディアを授かります。
反撃
警察、マスコミは青柳を犯人に仕立てようと動きますが、無実を信じてくれる人の存在を知り、青柳は覚悟を決めて行動に出ます。
保土ヶ谷に授かったアイディアで、雨水管の中を通って移動すると事前に用意されていたマスコミのカメラに映り、自分の無実を全国に示そうとします。
しかし警察の妨害にあい、青柳は無実の証明を諦めて逃げることを決めました。
逃げることに関しても多くの人が青柳を助けてくれます。
逃げるだけではなく、三浦の整形をした整形外科医に頼み、別人の顔に変えてもらうことにしました。
結末
警察は青柳の死体をでっち上げ、事件は一応の収束を見せました。
青柳は変わった顔でお世話になった知人に自分と知られないように接触し、自分の無事を伝えます。
そして晴子のもとにも行き、言葉を交わさずに別れます。
しかし晴子は青柳に気が付いていて、彼にだけ分かるメッセージを送ります。
結局、誰が何の目的で青柳に濡れ衣を着せたのかは分かりませんが、こうして青柳は別の人生を歩み始めるのでした。
おわりに
あえて風呂敷を畳まずに終えることに挑戦した作品で、結末にもスッキリとは違う、けれどある種の達成感が漂っていました。
ただ、僕はこういう作品苦手なんです。
誰だよ、秘密じゃない結社、と何度もヒントがないか読み返してしまいました。
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