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『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』あらすじとネタバレ感想!御子柴礼司シリーズ第一弾

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御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。彼は十四歳の時、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。三億円の保険金殺人事件を担当する御子柴は、過去を強請屋のライターに知られる。彼の死体を遺棄した御子柴には、鉄壁のアリバイがあった。驚愕の逆転法廷劇!

「BOOK」データベースより

『御子柴礼司』シリーズ第一弾となる本書。

ドラマ化もされています。

主人公である御子柴は弁護士として優秀ですが、一方で黒い噂が絶えず、この人は本当に主人公だろうか?と首を傾げたくなることが何度もあります。

しかし、物語が進行するにつれて御子柴が現在の形になった原因が語られ、主人公としてふさわしい心意気を見えてくれるなど、通常の弁護士による推理小説とは一味違った面白さを見せてくれます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

悪辣弁護士

冒頭、主人公で弁護士の御子柴が死体を処理するシーンから始まる本書。

また詐欺容疑で捕まった容疑者に対して半ば脅しをかけ、三億という法外な弁護士費用を請求するなど、第一印象としてはとても主人公とは思えないほどの悪辣ぶりを披露します。

殺人事件

埼玉県警の渡瀬と小手川は死体発見の知らせを受けて現場に向かいます。

衣服をはぎ取られた遺体は身元不明ですが、傷の状態から水死体であることが判明。

腕時計が特徴的で、後に死体がフリーランスの記者・加賀谷竜次であるという証言を得ます。

加賀谷は強請りの常習犯で、恨みを持つ人間はごまんといます。

同じ記者からは、加賀谷は狭山市で起きた東條美津子被告の事件を追っていたとの情報が入ります。

これは保険金殺人といわれていて、渡瀬たちは捜査に乗り出します。

保険金殺人?

昨年、工場を経営する東條彰一はトラック事故に巻き込まれ、意識不明の状態で入院していました。

妻の美津子と息子の幹也はよくお見舞いに来ていましたが、二人が病室にいたある日、人工呼吸器が止まったことが原因で彰一は帰らぬ人となりました。

調査の結果、装置に異常は見られず、何者かが装置を故意に遮断したことが判明。

事故当時、病室には美津子と幹也しかおらず、幹也は先天性の脳性麻痺によって四肢の麻痺と言語障害があるため犯行は不可能と見られます。

電源のスイッチから美津子の指紋が見つかったことで、警察は殺人容疑で美津子を逮捕します。

はじめ、世間は美津子に同情的でしたが、彰一が事故にあう十日前に契約が結ばれた保険証書が出てきたことで一変。

保険金目的の殺人だと非難が殺到します。

弁護士は情状酌量から無罪を主張する方針に切り替え、世間の風当たりはますます強まります。

その弁護士は仕事を全うする前に心労で緊急入院することになり、その後を継いだのが御子柴でした。

多額の報酬はもらえないにも関わらず、なぜ御子柴は今回の事件を担当したのか。

物語の主軸の一つになります。

事件と御子柴の関係

渡瀬たちは加賀谷の残したデータから、御子柴がかつて園部信一郎という名前で、殺人を犯した過去があることを知ります。

確かに御子柴であれば、加賀谷に自分の過去のことで強請られ、明るみに出る前に殺害するという動機があります。

しかし加賀谷が殺害された当時、御子柴にはアリバイがありました。

のらりくらり捜査をかわす御子柴と、執拗に追いかける渡瀬と小手川。

果たして御子柴は事件に関与しているのか。

物語は途中で御子柴の過去に遡り、彼がどのようにして弁護士になったのかが明かされます。

それこそが本書における御子柴の行動原理でした。

感想

第一印象が最悪

小説には様々なタイプの主人公が登場しますが、本書の御子柴はその中でもかなり強烈なインパクトのある登場をします。

まさか死体遺棄から始まるとは思いませんでした。

選択肢のない相手に高額な弁護士費用をふっかけるというのはいかにも悪徳弁護士という感じですが、この二つやその他もろもろの言動・行動が合わさってもう最悪の第一印象でした。

僕はどちらかというと正義感溢れる典型的な主人公タイプが好みなので、これは読み続けられるだろうかと若干心配になりました。

ところが、そんな心配はすぐに吹き飛びます。

いかにも悪者然とした行動が目立ちますが、時には相手のことを思いやる気持ちが見え隠れして、決して根っからの悪人でないことが分かります。

またまるで手品のような弁護論法や巧みな話術は相手を選んでいるので、裁かれるべき相手にそれが炸裂した時の快感はただの正義の味方では生みだせないほどの破壊力がありました。

後半にかけて加速する面白さ

起きている事件の関係性、御子柴の過去などが明かされてから物語は一気に加速します。

それまでも決して面白くないわけではありませんが、情報が揃ってから結末に向かうまでは一回も休まず突き進みます。

御子柴も渡部も相手に遠慮せず、言いたいことをズバズバ言う性格なので、爽快感を味わたい人にとって本書は打ってつけです。

一方で、結末自体は決して爽快かというとそういうわけではないので、その点は考慮した方がよいかもしれません。

御子柴の過去がくどい

途中、一度時間は過去に遡り、御子柴が弁護士になるまでのことを描いています。

本書のみならずこのシリーズにおいて根幹を成す部分なので、十分に描写する必要があるのは理解できます。

しかし、これが百ページ近く続くのはさすがに長いと感じてしまいました。ちょっとくどい。

これが事件を解く鍵になるかというとそういうわけでもないので、この辺りが評価の分かれるポイントになるかもしれません。

おわりに

悪ぶって見えて、実は正義の心も持ち合わせているということで、下げてから上げられるとついよく見えてしまいます。

まあ度々、中山七里作品に登場する渡瀬も決して正義の警察官とはいい難い行動や言動が目立つけれど基本的に良い人なので、案外いい組み合わせなのかもしれません。

次の話はこちら。

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