『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 XI 誰が書いたかシャーロック』あらすじとネタバレ感想!バスカヴィル家の犬に持たれた疑いとは?
実在の出版社が舞台! ビブリオミステリの人気シリーズ最新刊。
ベストセラー作家になっても変わらない日々を送る李奈 。いつものようにコンビニバイトを終えて自宅マンションに帰り着くと、そこには担当編集の菊池と同い年の小説家、優佳の姿が。じれた様子の2人ら“ある賞”の候補になったことを知らされる。加えてその後、コナン・ドイル著『バスカヴィル家の犬』の謎の解明を英国大使館から依頼される。その謎とは? いったいどんな目的で? そして、気になる賞の行方は……。
Amazon商品ページより
シリーズ第十一弾となる本書。
前の話はこちら。
今回はコナン・ドイルの名作『バスカヴィル家の犬』を題材にしています。
ミステリ好きにはたまらない題材なので、絶対楽しめるはずです。
一方で、以前からあったメタ発言の類が今回もあって、ちょっと辟易したりもしました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
候補
李奈がアルバイトからマンションに戻ると、優佳とKADOKAWAの菊池が待っていました。
そこで伝えられたのは、李奈の作品が直木賞の候補作にノミネートされたことでした。
あまりのことに、なかなか現実を受け止められない李奈。
編集者たちはデリケートな時期ということで李奈への接触を避けるようになりますが、李奈はただ心穏やかにして発表を待とうと思いました。
論争
そんなある日、李奈と優佳は菊池にいきなり車で連れ出されます。
向かった先はイギリス大使館でした。
相手は文学研究に携わる教授たちで、彼らが見せてくれたのはコナン・ドイル著『バスカヴィル家の犬』でした。
実はこの作品には不備があると指摘する人たちが少なからずいて、それは著者の表記をコナン・ドイルだけでなく、フレッチャー・ロビンソンと共著という形にするべきというものです。
『バスカヴィル家の犬』の完成度にはロビンソンが関わっていて、中にはロビンソンの作品をドイルが買い取ったという人までいます。
依頼
イギリス大使館の面々は本書に関する真実を知りたいと考えていて、自国の研究者だけでなく、各国の文学者たちに解決の依頼をしていました。
日本での依頼対象が、李奈ということです。
報酬は名誉だけであり、李奈に得はほとんどありません。
しかし、小説家として気になる謎であり、直木賞の発表を控えて創作活動に集中できる環境にありません。
李奈はこの依頼を引き受けることにしますが、そこには作品に関する謎の他に、様々な人物たちの思惑が隠されていました。
感想
目を引く題材
ミステリ好きであれば、コナン・ドイルのシャーロックホームズシリーズを知らないということはあまりないと思います。
さらにその中でも『バスカヴィル家の犬』は知名度・人気共に高い作品なので、題材としてこれ以上ないほど目を引くものです。
世界的に有名な作品が、著者が別の人かもしれない。
実際にある論争を取り扱っていて、非常に興味深いです。
海外の作品なので英語が不得意な李奈は苦戦して、おまけに英国大使館からの依頼ということで、いつもと勝手も違います。
加えて李奈自身の直木賞の行方も気になるところなので、様々な方面に気持ちを割かないといけません。
これだけのネタを三〇〇ページ満たない中できっちり消化するので、かなり豪華で楽しめました。
メタ発言が気になる
数作前から、本シリーズは李奈が活躍したものを白濱瑠璃が執筆したもの、という体になっています。
なので、作中の李奈の活躍によってシリーズを重ねることができるわけで、出版に関わる人たちは並々ならぬ関心を注ぎます。
これくらいであればまだ許容範囲なのですが、本書はそれを超えるくらいメタ発言が目立ちます。
ここで終わると○○ページだよ、といった類のセリフが何回も登場し、フィクションとはいえ興ざめしてしまうことが何度もありました。
著者や出版社の思惑を、キャラクターに代弁させているような気持ち悪さがあり、最後まで集中して読み切ることができませんでした。
きっとこの先もこういった手法はとられるわけで、そう思うと気が重いです。
一方で、作品が面白いことには変わらないため、複雑です。
おわりに
松岡圭祐さんの作品はシリーズの作数がかなり積み重なるので、このままぬるぬる続くのだろうか。
そうすると、いつついていけなくなるのか。
そんな不安を抱いた話でした。面白いんですけどね。
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