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『魔眼の匣の殺人』あらすじとネタバレ感想!大きな期待をあっさり超えたシリーズ第二弾

harutoautumn
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その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。残り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで、葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?! ミステリ界を席捲した『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾。

Amazon商品ページより

『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾となる本書。

前作はこちら。

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シリーズ累計120万部を突破していて、この本がなかなか売れないご時世においてとんでもない快挙をすでに達しています。

前作で多くの読者に大きな衝撃を与えただけに二作目には並々ならぬ期待がかけられましたが、本書はそれをあっさり超えてくれました。

予言という論理的思考が入り込む余地がない題材。

それをミステリにうまく組み込んでいて、最後まで驚きをもって楽しむことができました。

本書に関する今村昌弘さんへのインタビューはこちら。

今村昌弘さん『魔眼の匣の殺人』|小説丸

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

不審な予告

前作から数か月が経過した頃。

ミステリ愛好会は設立者である明智恭介を失い、残された葉村譲が会長を引き継ぎ、そこに一つ上の先輩・剣崎比留子を加えて再始動します。

前作の事件の裏には班目機関なる組織がいて、葉村と比留子はその後を追っていました。

そんなある日、葉村は『月刊アトランティス』という雑誌から班目機関へ通じるヒントを見つけます。

月刊アトランティスには事件以前に事件を予言する手紙が届いていて、予言が見事に的中したことを誌面で取り上げていました。

手紙にはM機関と記載されていますが、これまでの話の流れから班目機関である可能性は十分にあります。

差出人からは二通目の手紙もきていて、数十年前、W県の人里離れた村を班目機関が訪れ、村の最奥に実験施設を建てて超能力の実験を行っていたのだといいます。

比留子はこの話に俄然興味を持ち、まずは自ら調査に乗り出し、葉村は結果を待つことになりました。

新たなホームズ&ワトソン

その後、比留子から芳しい報告はもらえませんでしたが、葉村は彼女の考えを見通していました。

比留子は奇怪な事件を引き寄せる体質で、葉村がそれに巻き込まれることをよしとしていません。

だから実験施設を突き止め、一人で向かうのではないか。

そこで葉村は探偵に比留子を監視してもらい、彼女が一人で旅立つ日を知ったのです。

見つかってしまった比留子は観念し、二人で実験施設があると思われるW県に向かいます。

魔眼の匣

W県の山奥にあるといわれる実験施設。

道中、葉村と比留子は多くの人と知り合います。

同じ場所を目的地とする高校の先輩後輩である十色と茎沢。

ツーリングの途中でバイクがガス欠してしまった王寺。

ここに墓参りで訪れていた朱鷺野。

車のトラブルで立ち往生してしまった獅々田親子。

目的は異なれど、一行は朱鷺野の案内でサキミという予言者が住む建物に向かいます。

そこは旧実験施設で、真雁という里の名前から『魔眼の匣』と呼ばれています。

魔眼の匣にはサキミの他に付き人の神服、取材で訪れていた月刊アトランティスの編集者・臼田がいました。

臼田が中心となって話を進める中、サキミは新たな予言を告げます。

その内容は、『十一月最後の二日間に、真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ』という衝撃的なものでした。

感想

抜群のリーダビリティ

まず思ったことは、リーダビリティに優れて読者に優しいということです。

本書のインタビューにおいて今村さんは、ミステリが好きでない人にも読み飛ばさず読めるよう何度も書き直したとコメントしていて、納得の完成度でした。

前作のおさらいから、本書の舞台である魔眼の匣への誘導。

そこで出会う個性豊かな面々に、回避不可能といわれている死の予言。

そこまで丁寧に導いて、あとは本書の魅力で推理の部分の引き込む。

前作での評価に溺れることなく、ミステリ好きもそうでない人にも読んでもらえるよう様々な配慮がなされていることに好感が持てました。

後半で訪れる強烈な衝撃

もちろん、本書の魅力はリーダビリティに優れているだけではありません。

後半から一気に進む推理部分はもう圧巻でした。

本格ミステリはこれだから面白い、のお手本のような展開でした。

予言という科学の入り込む余地がない要素が、どう推理に組み込まれるのか注目して読んでいたのですが、予想とは違った方向に推理が展開されてそれが面白かったです。

またその後にもさらなる驚きが隠されていて、最後の一ページが終わるまで油断できません。

このクオリティのミステリがリアルタイムが読めるなんて、もう感謝しかありませんでした。

おわりに

前作の面白さを軽く飛び越え、圧倒的な魅力を見せつけてくれました。

シリーズ作として問題や謎を次作に繋げてくれているので、今後がますます楽しみです。

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