『陽気なギャングは三つ数えろ』あらすじとネタバレ感想!九年ぶりの新作でも懐かしい四人
陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。直後から、ギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は追いつめられた!必死に火尻の急所を探る四人組だが、やがて絶対絶命のカウントダウンが!
「BOOK」データベースより
シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
前作から九年ぶりの新作で、作中でもある程度の時間経過があります。
しかし、強盗四人のやることは変わらず、これまで通りの愉快なやりとりを見ることができます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
久しぶりの銀行強盗
四人は二年ぶりの銀行強盗に臨み、いつも通りに成功をおさめます。
その際、警備員が投げた警棒が久遠の左手に当たり、負傷。
これが後のトラブルの種になります。
また防犯カメラが街のあちこちに仕掛けられるようになったなど以前よりも強盗の仕事がやりにくくなったことが語られていて、強盗から足を洗う可能性も示唆されています。
疑惑
四人は銀行強盗からしばらくして、大学生になった慎一がアルバイトしているホテルに集まっていました。
慎一はホテルの利用客に理不尽に怒られ、久遠は反射的にパスケースを掏ってしまいます。
中には名刺があり、利用客が火尻政嗣という名前で、週刊誌の記者であることが分かりました。
しかし、このまま財布が見つからないとホテルの信用問題に関わるということで、久遠はパスケースを返そうと火尻の泊まる部屋に向かいます。
久遠がドアの前に立つと、中から出てきたのは銀行強盗のような目出し帽をかぶった人物で、そのまま逃走。
火尻は久遠が来たことで無事でした。
火尻は特ダネのためこのホテルに泊まっているため、警察には通報しません。
一方、テレビで流れるニュースを見て、火尻は久遠の左手も怪我していることに気が付きます。
久遠は何事もなかったように去りますが、火尻は久遠が銀行強盗なのではと疑惑を持ち、ハイエナのように久遠や他の三人をつきまとうようになります。
特ダネ
ホテルには火尻の特ダネであるアイドルで女優・宝島沙耶が滞在していて、ひょんなことからホテルに滞在していたことが世間に知られてしまいます。
何も言わずに姿をくらませていた沙耶は謝罪会見を開きますが、火尻は彼女のことを諦めていませんでした。
火尻の本性
成瀬は火尻に自分たちが狙われていることを知り、火尻のことを調べます。
火尻は自分に関係のないところで赤の他人が苦しむところを楽しむゲスな人間で、彼の記事によって間接的にでも死んだ人間が複数人いました。
訴えられたことが何度もありますが、敗訴しても火尻は今もなお記事を書き続けており、何の反省もしていません。
また会員制のカードゲームにはまり、多額の借金を背負っていることも判明しました。
火尻の目的は、成瀬たちを脅して自分の借金の肩代わりをさせることです。
成瀬たちが銀行強盗だという証拠は乏しいですが、火尻なら記事にどうとでも書くことができ、その影響は四人だけでなくその家族にも及びます。
成瀬は火尻の借金を返済するために動いているように見せかけ、ある計画を進行させるのでした。
感想
胸糞悪い分、爽快
火尻が本当にいい味を出しています。
ここまで何が起きても同情できないクズのような人間は久しぶりです。
しかし、狡猾で確実に成瀬たちを追い込んでいく手法もさすがで、ラストになるまでハラハラしっぱなしでした。
その分、最後に披露される鮮やかな解決方法は清々しいものがあり、鬱憤をためた甲斐があるという出来でした。
無数のギミック
本書に限らずですが、伊坂さんは作中のさりげない所にギミックを仕掛けるのが本当に上手で、本書でもそれが何度も炸裂します。
ただの背景にしか見えないことが実は後々重要になる、なんてことが当たり前のように起こり、読み終えるとまた読み返して確認してしまいました。
ただ楽しくなるように書いているだけのように見えて、実は緻密な計算のもとで正確に描かれている。
そんなギャップも本書の魅力の一つです。
今後について
前作から九年ぶりの新作となった本書ですが、次作がいつ頃出るのか非常に気になります。
作中で、銀行強盗は年々難しくなってきていると四人がこぼしているので、そろそろ潮時なのかもしれません。
寂しい気持ちがしつつも、次がシリーズ最後の作品だとしても待ち遠しい。
そんな気分です。
おわりに
三作目で改めて思いましたが、響野だけ能力があまり貢献していないんですよね。
しかし、存在感は抜群で、響野がいると何とかなるような根拠のない自信が湧いてくるのだから不思議です。
九年経っても全く面白さの衰えないシリーズなので、ぜひこのまま突き進んでほしいと思います。
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