さよならポニーテール『来るべき世界』感想と解説!さよポニのネクストステージ!
グループとしての大きな節目を予感させる6 枚目のアルバムは、
Amazon内容紹介より
Remix 音源11 曲を含む、2 枚組の超大作! ! ! !
さよならポニーテール 6th album 『来るべき世界』
これまでに一度もライブを行わず、活動は主にソーシャルメディア上のみで、実態が謎に包まれている11 人組のポップグ ループ、通称“さよポニ” こと、さよならポニーテールの6 枚目となるフルアルバムは豪華2 枚組仕様の全23 曲! !
結成から10 年というキャリアを誇りながら、さまざまな演出で新鮮さをキープしてきた彼らが、本作では彼らにとって最大 の魅力である “楽曲の良さ” を軸にしつつも、実験的でバラエティに富んだ楽曲も多く、新たなステージを予感させる作 品に仕上げている。ジャケットイラストはここ最近の作品ではイレギュラーな形で神さまを迎えているが、本作ではシュー ルな絵世界が人気の“うえむら”氏を起用。連作のストーリー性もしっかり継承した奥深い作品となっており、音楽と同様、 さよポニの大きな魅力の柱となっている。
ついにさよならポニーテール(さよポニ)の6枚目のアルバム『来るべき世界』が発売されました。
さよならポニーテールについて知りたいという方はこちら。
その正体は依然として謎に包まれていますが、彼らの音楽は着実に変化・進化を続けていて、その音楽を聴けることが本当に幸せでたまりません。
CDのジャケットの時点ですでに幸せですが、歌詞カードを読むとさらに想像が膨らみ、楽曲を聞くとこれまでの良さ、新しい魅力が見えてきました。
この記事では、そんなさよポニのニューアルバム『来るべき世界』をご紹介し、既存のファンの方はもちろんのこと、新規の方にも聴いてもらいたいと思います。
タイトルの意味
楽曲の紹介に入る前に、まずはアルバムのタイトルの意味について。
こちらはクロネコさんがTwitterにて言及していました。
ここ数年はずっと手塚治虫の火の鳥みたいなアルバムを作りたくて色々と試行錯誤してきて、今回はかなりそのニュアンスを出せた気がする。なのでアルバムタイトルも初期の手塚作品から引用。 pic.twitter.com/0XVHrAmZ8V
— クロネコ (@kuroneko_pony) 2019年5月28日
僕は『火の鳥』を読んだことがないので、そのニュアンスを感じ取ることはできませんでした。
じっくりアルバムを聞きこんでから、手塚治虫さんの作品もチェックしてみたいと思います。
共通のモチーフ
あと、クロネコさんは、前作の『君は僕の宇宙』と今回のCDジャケットについて、ボーカル五人以外にも共通のモチーフがあると言及しています。
あとユニコさんが描いた前作5thアルバムのジャケと、今作うえむらさんの6thアルバムのジャケで、女子メン5人以外で密かに共通のモチーフがあるんだけど並べると分かるよね? pic.twitter.com/XqBjtTLmLj
— クロネコ (@kuroneko_pony) 2019年5月28日
この写真だと少し分かりにくいですが、宇宙船らしきものを操縦している女の子が共通しています。
新しいアルバムだと、ちょうど裏面にはっきり描かれていますので、ぜひ購入した方は見てみてください。
それが意味するところは分かりませんでしたが、その部分の想像も含めて非常に楽しい仕上がりになっています。
全体の印象
これまでに比べて、非常に音数が少ないなと感じました。
あと、音域も狭めに設定され、ゆったりと聴くことができます。
また全体に渡る幻想的な世界観が印象的で、さよポニがここではない、どこか違う星で暮らしているような錯覚を覚えました。
もしくは映画のような、フィクションの世界ですね。
これまで以上に一音一音を大事にし、ボーカルそれぞれの個性を活かしたアルバムで、全体的な完成度はこれまでよりも一歩上だと思います。
DISC 1
ここからは楽曲ごとに感想など書いていきます。
こちらにアルバムのダイジェスト版がありますので、まだ聴いていないという方はぜひ聴いてみてください。
作品全体のイメージがつくと思います。
1.森のなか
ピアノとクラップの音が印象的な曲です。
一番と二番の間でみぃなが『うんっ』とリズムをとるのが可愛い。
もしくは、咳き込んだのかな?
ボーカルが幾重にもなって作るハーモニーが美しく、作品の世界に没入できます。
2.空飛ぶ子熊、巡礼ス
そして、しっとりとした一番からのこの曲笑
発売前からMVが公開され、SNSがザワついていたのが面白かったです。
作詞・作曲をした324Pのこの曲に対するツイートも面白かったです。
前作の最終曲「メッセージ」を作り終えて、出来ることやり切った感があって、もうさよポニで何作ったらいいかよくわからなかったんです。もう終わりみたいな曲だし。
https://t.co/ZQa2Z9VemE— 324P (@324p_pony) 2019年6月9日
でも音楽は作りたかったから、開き直って好きなことしようと思って、クロネコにも「今回はやりたいようにやります」と宣言して、作り始めて1曲目は個人的過ぎてボツったけど、2曲目に作ったのが「空飛ぶ子熊、巡礼ス」です。https://t.co/CoELoTvseR
— 324P (@324p_pony) 2019年6月9日
このアルバムに多大なる影響を与えた楽曲であることは間違いありませんが、この曲を説明するのは僕の言語能力では厳しいと思いました。
ぜひ無心で聴いてください。
3.ラプンとツェル
おそらくモチーフは、グリム童話やディズニー作品で有名なラプンツェル。
しゅかのふわふわした歌声に流れるような楽器の音。
幻想的で、聴いていて気持ち良い楽曲です。
4.眠れ、シロクマ
四曲目にして、二回目のクマ。
324Pはそんなにクマに思い入れがあったのでしょうか。
最初に聴いて思ったのは、合唱曲として歌うのも面白いな、ということでした。
もちろん男子含めてパート分けの問題もありますが。
あと、みんなのうたで映像をつけてくれると、非常に世界観とマッチしそうです。
5.まるで映画のように
静かに、けれどウキウキするような曲調。
非常にさらりとしてますが、意外と歌詞の量が多くて驚きました。
タイトルからくるイメージもありますが、演劇のような世界観でキラキラとした曲です。
改めて思ったのですが、ゆゆの歌声は癖が少なく、素直に上手いなと思いました。
『勤労と感謝』もそうですが、僕はすごい好きです。
6.夜間飛行
五曲目の世界観を引き継いで入るのがいいです。
同じようにキラキラした曲ですが、こちらの方がロマンチックです。
しかし、現実離れしているというか、幻想的な部分は共通していて、今回のアルバムで一貫したテーマなのかもしれません。
みぃながいつもより大人っぽく歌いあげていて、色気も感じられる一曲です。
7.いつか夢で
これまでの楽曲と比べて、バンドのセッション感が出された楽曲です。
体が勝手に揺れるようなグルーブが心地良いです。
どちらかというと、これまでの延長線にあるようなイメージなので、色んな人に聞きやすい曲だと思います。
8.やせっぽちのメイリン
みぃなによるラップ中心の楽曲。
一曲の中で物語が展開し、歌詞カード片手に聴くと、その内容にけっこう驚かせられます。
何をやらかしたんだメイリン
もう、すっかりメイリンの虜です笑
まあ、本当に色々ありますが、なんだかハッピーエンドなのかな?
愛しているぜ、メイリン。
9.すべてが消えて
切ないピアノの音と、なっちゃんの語りかけで始める楽曲。
朗読にも似た雰囲気で、改めてなっちゃんの声の唯一性が好きになりました。
最後に『一瞬と永遠と』とありますが、『夢みる惑星』にあるあの楽曲と関係があるのかな?
10.世界のはじまり
まさにタイトル通りで、一曲の中で世界が創り出されていきます。
ドキュメントなんかで世界が創生されるまでのダイジェスト映像みたいなものがありますが、あれを見たことがある人であれば、この曲を聞いてその映像を思い出すかもしれません。
こんな過程を経て、愛とか未来が生まれたわけですから、まさに奇跡ですよね。
あと、『あー』という色っぽい声が入っていますが、なっちゃんの声です。
意外性もあって、かなり聴き込んでしまいました。
11.愛のひらめき
これまでの楽曲とは違い、少しアップテンポな楽曲。
みぃなの歌声がかっこ良いです。
さよポニの王道な曲でもあるし、このアルバムのイメージもしっかり踏まえていて、ありそうでなかった楽曲になっています。
12.あの星
壮大なイメージとしゅかの歌声で、子守唄にも聴こえる楽曲です。
包み込むような安心感があって、アルバムの終わりとして圧倒されるというよりは、聴き終わってフッと息をつきたくなるような、そんな曲です。
クロネコも言及していましたが、どちらかというと飛び道具的な存在だったしゅかがラストを飾るのは成長が感じられ、非常に感慨深いものがありました。
DISC 2
既存曲のリミックス版が11曲も収録されています。
リミックスですが、受ける印象は新曲も同然で、ぜひ既存曲と聴き比べてみてください。
個人的には『遠い日の花火』のリミックスバージョンが大好きだったので、CD音源で手に入ってこれだけで幸せです。
おわりに
正直、ダイジェスト版をYouTubeで聴いた時は、自分にはあまり合わないかもと思っていました。
しかしフルで、最初から最後まで聴いて、その思い込みはあっという間に打ち砕かれました。
結成から十年が経つさよポニですが、ぜひこの先の十年も見たいと思うような作品でした。
きっと、これがまだまだ助走で、もっともっと高い所に連れて行ってくれる。
そんな予感のような、確信のような感覚がしました。
この楽曲が一人でも多くの人に届き、さよポニに限らず音楽そのものが好きになってくれると嬉しいなと素直に思いました。
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