ライトノベル

『ユア・フォルマIII 電索官エチカと群衆の見た夢』あらすじとネタバレ感想!二人を襲うコンビ解消の事態

★第27回電撃小説大賞《大賞》受賞のSFクライムドラマ・第3弾★!

 ――あの日、自分は選択を間違えた。
 エチカ自らの意思で抱えた、ハロルドの敬愛規律にまつわる秘密。その重圧からか、電索能力が突如急低下してしまう。
 電索官としての復帰が絶望的な状況の中、一般捜査員として新事件の捜査に臨むエチカ。そこで目にしたのは、新たな「天才」と組むハロルドの姿で――。
 エチカとハロルドが別々の場所で追うのは、「思考をのぞける人間」を自称するハッカー〈E〉。ネット掲示板に国際刑事警察機構の秘匿事項を次々書き込み、
【真実を追求せよ】とユーザーを扇動する〈E〉の真の標的とは――!? 

Amazon商品ページより

シリーズ第三弾となる本書。

前の話はこちら。

本書ではユア・フォルマのネガディブな部分が取り上げられています。

またエチカの原因不明の能力低下によりハロルドとのコンビが解消することになり、かなり重めな内容になっています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

苦悩

前巻で起きた事件から二か月後のこと。

エチカはハロルドたちRFモデルの秘密を知りながらハロルドにそのことを隠していました。

それは多大なるストレスであり、エチカはビガにお願いして非正規品のカードリッジを用意してもらい、自分の脳みそをだますことを選びます。

コンビ解消

そんなある日、捜査局は『E』という人物に悩まされていました。

Eは一年半ほど前から巨大匿名掲示板に現れ、悪質な陰謀論者としてマークされていますが、いまだに逮捕にいたっていません。

驚くべきは、Eの書き込みは、はじめは妄想も多く含まれていましたが、ある時期から信ぴょう性が高いものになり、多くの信者を作るまでになっていました。

捜査局に情報を流している人物がいるのか。

あるいは、Eは人の思考を覗けるのか。

エチカとハロルドも捜査に加わる中、突然エチカの情報処理能力が著しく低下してしまい、電索官を続けることができなくなってしまいます。

能力は不可逆であり、治療でどうのこうのできるものではない。

エチカとハロルドは現実を受けいれられないまま離れることになり、エチカは捜査官として働きだし、ハロルドは新たな電索官、ライザ・ロバンとコンビを組むことになります。

Eの正体

お互いがいなくても問題なく過ごせてしまう日々に疑問を抱くエチカとハロルド。

それでもお互いに真っすぐ向き合うことができずにいました。

それぞれの方面からEを追う中、やがてEの魔の手は捜査局にもおよび、エチカとハロルドは再び交わります。

コンビを解消した今、二人はどんな関係なのか。

人の思考を覗けるような書き込みを続けるEの正体は何なのか。

その全ては終盤に明かされます。

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感想

全体的に重く暗い

あとがきで著者である菊石まれほさんも言及していましたが、本書はこれまでに比べてやや重たい内容になっています。

予想外の出来事によるエチカとハロルドのコンビ解消。

ビガと父親との確執。

捜査局の隠している真実。

本書においても大きな謎の一つが明かされますが、それで解決というわけではなく、新たな謎が登場します。

導入から盛り上げ方が上手いのはもちろんのこと、次巻に向けての掴みもばっちりで、シリーズ三冊目とは思えないほどの完成度です。

もはやライトノベルという風はなく、ミステリ、サスペンス好きの人にもぜひ読んでほしい一冊といえます。

それをはねのける絆の深さ

上述したように、本書は基本的に重く暗い話が続きます。

しかし、その時期を経たからこそ絆を感じられるエピソードになっています。

エチカとハロルドはもちろんのこと、ビガは素直にエチカの力になりたいと思っているし、エチカもまたそう思っている。

トトキが良い上司であることは知っていましたが、エチカが捜査官の仕事を通じて知り合った捜査官も良い人ばかりで、ユア・フォルマというデバイスが普及してもなくならない人同士の繋がりを感じることができました。

おわりに

エチカとハロルドの関係性がどんどん盤石になっていく様子は、読んでいて本当に嬉しくなります。

対等になった先に、二人はどんな答えを見出すのか。

シリーズを追いかけるのがここまで楽しいのは本当に久しぶりです。

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