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『三体0【ゼロ】 球状閃電』あらすじとネタバレ感想!三体へと繋がる前日譚

harutoautumn
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14歳の誕生日の夜に“それ”に両親を奪われた少年、陳。謎の球電に魅せられ、研究を進めるうちに、彼は思いも寄らぬプロジェクトに巻き込まれていく。史上最強のエンタメ・シリーズ『三体』三部作で描かれたアイデアやキャラクターが登場する、衝撃の前日譚!

Amazon商品ページより

三体よりも前のことを描いた本書。

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がっつり三体に繋がっている、というよりも、緩くではありますが三体に繋がる伏線が張られていて、すでに三体を読んだ人であれば知っている登場人物も活躍します。

三体ほどとんでもないスケールというわけではありませんが、時代が持つ背景を活かした暗さ、苦さがあり、三体とは違った楽しみ方ができました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

球電

陳の十四歳の誕生日の時、彼の人生は一変します。

雷雨が荒れ狂う中、突然、壁をすり抜けてバスケットボール大の赤い光が家の中に侵入します。

それは巨大な爆発を引き起こすと、両親は一瞬で灰になって死んでしまいます。

それだけではありません。

冷蔵庫は無事なのに、中のものが茹で上がり、陳のパーカーはなんともないのに、内側のシャツが灰になっていました。

この現象は長らく説明されませんが、この瞬間から、陳は球電に夢中になっていました。

出会い

陳はそれから学問に命を捧げ、それ以外のことには目もくれません。

大学に入ると、陳は大気電気学を学ぶようになり、そこでその後の球電研究において鍵となる人物たちと出会います。

彼らは形こそ違えど球電と関わりを持ち、それが陳に様々な影響を与えます。

物語が進むにつれて球電研究は進み、決して非現実的ではないことが証明されていきますが、それは夢の達成という良いものではなく、悲劇のはじまりに過ぎませんでした。

感想

三体よりも前の作品

本書の日本語訳が出版されたのは二〇二二年末。

三体よりも後になりますが、実は劉慈欣さんにとって二作目の長編SFで、発表されたのが二〇〇四年。

二十年近いタイムラグがありますが、その年月を感じさせない不朽の名作としての風格を持っています。

中国版の順番としては本書⇒三体ですが、個人的には三体シリーズ⇒本書を読む順番の方が楽しめるかなと思いました。

というのも、本書に張られた伏線のようなものが三体という作品をほのめかしていて、三体シリーズを読むことによって気が付くことができるからです。

もし三体シリーズをすでに読んだという人も、本書を十二分に楽しむことができるので、ご安心ください。

理解できないほどの執着

本書に登場する主要人物はみな、球電に取りつかれています。

目的こそ違えど、彼らにとってそれこそが人生の全てです。

それ以上に優先することなどなく、離れようと思っても、気が付けばそれに引き寄せられてしまいます。

その執着がこれまでありえなかった現象をあり得る形に認識できるようにするわけですが、同時に取り返しのつかない事態も引き起こします。

特に最後のスケール感は圧巻で、これを最大限楽しむためにもそれまでの過程をじっくり読んでください。

三体とは切り離して読む

本書は三体の前日譚であり、シリーズに登場する丁儀が活躍するので、確かにシリーズに繋がってはいます。

しかし、その繋がりは緩やかで、量子学の考え方が三体にリンクするまではその繋がりを実感する機会はあまりありませんでした。

そのため、一応は前日譚である、程度の心構えで読み始めるとちょうど良いかもしれません。

量子学に基づくストーリーは見事で、不確定さゆえの寂しさやロマンのようなものが感じられました。

おわりに

三体ロスのすさんだ気持ちを埋めてくれただけでなく、新たな感動を与えてくれた一冊でした。

三体シリーズとどちらが面白いか判断が難しいですが、本書の方が情緒があり、心にくるものがありました。

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