2024.05.18

『予言怪談』あらすじとネタバレ感想！未来が見えた人の怪談譚

harutoautumn

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予言怪談 (竹書房怪談文庫)

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それは希望か？絶望か？

予知・予言・予兆・予感…
気鋭の14人が紡ぐ、未来が見えた人の怪異譚52話！
2025年の大災難説に震える現代人に贈る異色の怪談集。
Amazon商品ページより

『予言』。未来のことを伝えた時、そこにどんな恐怖が生まれるのか。

本書では未来のことを題材にした実話怪談的な話が多数収録されています。

起こったことだけでなく、これから起こるかもしれないという恐怖が味わえる一冊です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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Contents

あらすじ
感想
- 懐かしさ
- 後に残る怖さ
おわりに

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あらすじ

本書には五十以上の作品が収録されていて、全てのあらすじを記載することが難しいため、ここでは僕が特に気に入った作品をピックアップして記載します。

籠目：吉田悠軌

私が知人が主催する百物語に参加し、そこで変な遊びについて聞きます。

頭から大きな籠を被り、網目の向こうがキラキラと光るのが見えるのだといいます。

残念ながら私はそこで居眠りしてしまい、続きを聞き逃してしまいましたが、数年後になって別の人から同様の話を聞くことになります。

それは遊びではなく、昔行われていた予知でした。

エレベータ：響洋平

高樹さんは雑居ビルのエレベータに乗ると、中には初老の男性と赤い着物をきた女性がいました。

少しして男性がかつて師事した日本画のY先生であることに気が付き、高樹さんは声をかけますが、返事はありません。

人違いかと思いますが、そんなことはないと思いつつもその場を取り繕うと、突然男性に右腕を掴まれます。

このシーンだけでも怖いものがありますが、本当の怖さはこの後に待っていました。

神勢調査員：幽木武彦

私は占い師として活動していて、Kさんと知り合います。

はじめはKさんの人生相談をしていましたが、やがて彼女には特殊な能力があることに気が付きます。

彼女には幽霊だけでなく、神や仏が見え、コンタクトをとることができました。

感想

懐かしさ

予言と聞いて、僕は真っ先にノストラダムスの大予言を思い出しました。

当時、子どもで状況をよく分かっていませんでしたが、何となく何か起こるのではという漠然とした不安を抱いたことを覚えています。

最近では予言に限らず、オカルト全般があまり流行っていないように感じますが、それは余裕のなさからきているのではと思っています。

あるいは娯楽に溢れて、こんな胡散臭いものに興味を持たなくても退屈しない時代になったからなのか。

その良し悪しは置いておくとして、予言という言葉に惹かれたことは事実で、内容もその期待を裏切らないものだったので、僕の同じような第一印象を抱いた方であれば読んで損はありません。

後に残る怖さ

本書の特徴は、どの作品も余韻が長く続くということです。

予言は結果まで出ていれば怖かった、で終わります。

しかし予言が放たれ、まだ答えが出ていないことも多くあります。

そうすると、どうなるのか。

僕らは所詮戯言だと内心思いつつも、もしかしたら実現するのでは？という漠然とした不安や恐怖に襲われることになります。

本書はその余韻含めて恐怖を楽しめるので、ちょっと時間がある時に読む方がより楽しめるのかなと感じました。

あと、日常の今まで気にかけてこなかったことに何らかの意味を見出しそうになる瞬間が出てきたので、ちょっとだけ日常を侵食するような不気味なパワーも備えています。

おわりに

題材、表紙、選んだ作品全てが好みで、ぜひ色々な人に読んでほしいと感じた一冊でした。

最近、田辺青蛙さんが気になっていたので、いくつもの作品が読めたことが地味に嬉しかったです。