『沙耶の唄』あらすじとネタバレ感想!伝説的ゲームの完全ノヴェライズ
「なぜ―僕なんだ?」
Amazon商品ページより
「それはね、あなたがひとりぼっちだから」
不幸な交通事故により家族を失った青年・匂坂郁紀。奇跡的に一命を取り止めた彼には、目に映るものすべてが形を変え、醜く歪んでしまう不思議な後遺症だけが残った――
そんな郁紀の世界に突然現れたのは、うつくしい少女。「沙耶」と名乗る彼女の存在は、郁紀の汚穢に塗れた日常を美しい色に染めていく。彼にとって、それはただ一筋の光だった……。
発売から15年、今なお霞むことなく高い評価を受け続けてきた虚淵玄(Nitroplus)原作の伝説的ゲーム作品『沙耶の唄』を、ノベルゲーム界の先駆者・大槻涼樹×不変の担当イラストレーター・中央東口が甦らせた、初のノベライズ作品!
セールになっていたことから何の気なしに購入した本書ですが、まさか18禁ゲームが元になっているとは知りませんでした。
そして原作を虚淵玄さんが手掛けているということで、どんな作品かある程度予想がつきつつも、期待が膨らみました。
個人的にはゲーム未体験でも十分楽しめたので、表紙やタイトル、あらすじで気になったという人はぜひ手にとってみてください。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
事故
大学生の匂坂郁紀は、家族で車で出かけている時に、タンクローリーの横転事故に巻き込まれます。
父母の遺体はどちらか判別がつかないほどひどい有様でしたが、郁紀は奇跡的に一命を取り留めます。
しかし、難しい脳外科手術を受けたことで、郁紀には後遺症が残り、それ以来、世界が一変してしまいます。
人間も世界も異形なものに見えてしまい、人の話す言葉もそれまでとは違ったように聞こえてしまい、郁紀からしたら化物の世界に紛れ込んだようなものでした。
郁紀はなんとか周囲に合わせようとしますが、友人たちからしたら様子がおかしいのは一目瞭然で、当たり前の生活すら送ることが難しい状況でした。
沙耶
そんな中で、郁紀は沙耶という少女と病院で出会います。
沙耶は郁紀が入院していた病院の医学部教授・奥涯雅彦の娘で、行方不明になった父親を探しているのだといいます。
沙耶だけを人間だと認知できる郁紀と、孤独を抱えた沙耶。
二人は惹かれ合い、沙耶を自宅に呼んで一緒に暮らすようになります。
ここだけ見れば幸せそうですが、二人の生活が異常なことは描写から分かり、美しさと醜さが表裏一体となって描かれます。
不幸の始まり
郁紀の変化に、友人たちは心配、あるいは怒りを覚え、それぞれ行動を開始します。
しかし、彼らは知りませんでした。
郁紀がもう戻れないところまでいってしまったことを。
あくまで郁紀を一人の人間として扱う友人たちでしたが、郁紀からしたら友人たちはただの化物でしかなく、その相違が次々と悲劇を生み出します。
そして、物語は壮絶な結末を迎えます。
感想
美しさと醜さの境
本書は郁紀とその他の視点を入れ替えることで、世界を巧みに描かれています。
一方から見たら醜くおぞましい風景でも、もう一方から見たら美しく映る。
読者はどちらの視点も知っているため、本当の世界はどちらなんだろうと次第に境界線が曖昧になっていきます。
当たり前に考えれば郁紀以外の人間が見ているものこそが正しく美しいと感じると思います。
しかし、郁紀は元々被害者であり、彼が悪いわけではありません。
そう考えると彼の歪んだ認知から見ている風景にも複雑な気持ちを抱くようになるので、この辺りの揺らぎ、不安定さは読んでいて良かったです。
踏み込み切れない
本書を読んで良かったと思いつつも、どこか奥の方まで入り込めないような感覚を覚えました。
誰かに特別感情移入をしたわけでもなければ、性的なシーンや気持ち悪いシーンに特別何かを感じたわけでもない。
悪くないのに、良いと自信を持っていえないあたりが、その現れなんだと思います。
ゲームではこれらの描写がヴィジュアル化されているので、また違った感覚があるのかもしれませんが、僕はあまりグロテスクな作品が得意ではないので、そこまではしない予定です。
元々こういった作品と思って購入したわけではないため、このずれがこの評価に繋がっているのかもしれません。
おわりに
自分にはそこまでフィットしませんでしたが、虚淵作品のエッセンスが感じられたので満足です。
ジャンル的に人を選びますが、原作を尊重しつつも小説ならではの良さがあると感じたので、気になった人はぜひ読んでみてください。
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