『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん8 日常の価値は非凡』あらすじとネタバレ感想!
ほんさくのとうじょうじんぶつです。みどりのぼうしのたんていのひと(ろりこん)。ろりこんぎらいのおんなのこ。おかしなおじさん。じさつしたあねをもつひと。しょしんしゃなかつぷる。ねこずきさっか。きんぱつあおすーつのひと。きれいなこわいおんなのひと。ばかんすでやってきた、うみがちかくにあるほてるにて。だれがしんで。だれがしなないか。僕とまーちやんは、知らない
Amazon商品ページより
シリーズ第八弾となる本書。
前の話はこちら。
再び主役が僕とマユに移りますが、なんと今回はあくまで脇役に収まり、初登場の人物たちが群像劇という形で話を膨らませてくれます。
これまでと違った味わいがありつつも、ちゃんとみんな壊れているのでめちゃめちゃ面白いです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
旅行
九月の五連休で、僕とマユは旅行で知らない街を訪れていました。
ホテルにチェックインすると、様々な人たちとのコミュニケーションが発生します。
入間作品でお馴染みの人である花咲太郎とトウキがいれば、お馴染みではない人もいます。
それを終えて部屋に入ると、そこには予約した僕とマユ以外の人がいました。
不審者は窓の外に逃走し、二人はそれを追うことなく二人の世界に戻ります。
三つのキー
僕とマユが部屋から出ると、途中で隣の部屋のカードキーを拾った大学生と出会います。
僕は自分の部屋だと嘘をついてカードキーを入手。
大学生はなぜか部屋の中が見たいとついてきますが、ここまでの経緯は後になって描かれます。
さらに自分たちの部屋に入った際、電気などを使うためにキーを差す場所にはすでに別のキーがあり、これで手元に三つのキーがあることになります。
事件
翌朝、僕は寝不足そうな花咲と会います。
何かがあったことは明白であり、花咲の口から語られそうなところで切り替え。
ここからは群像劇スタイルとなり、前日にあったことが様々な人物の視点をもって描かれます。
感想
ドタバタ群像劇
本書を読んで思ったのが、恩田陸さんの『ドミノ』に似ているということでした。
どちらも一人の行動が別の人物に影響を及ぼし、小さなうねりがやがて大きな波となって物語を波乱万丈に仕立てる。
これまでのみーまーにはなかった視点からの楽しみ方だったので、新鮮で面白かったです。
賛否両論について
本書をシリーズ屈指の作品と推す声がある一方で、批判の声あるいは面白くなかったという意見も散見されました。
僕はどちらの要素もありつつ、最終的に面白かったと思えたので、どちらの意見も頷けます。
シリーズの雰囲気を壊さない壊れっぷりはさすがで、それをホテルという小さな部隊でこれだけ広げたのですから、面白くて当たり前です。
一方で、従来の作品よりも分厚く、視点が頻繁に入れ替わることから、いちいち思考を切り替えることが面倒あるいは疲れてしまうという声も出てきて当然です。
これは人それぞれとしか言いようがないため、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
おわりに
これまでと作風を変えつつも、一目でシリーズ作品だと思わせるよう仕上げたのはさすがでした。
読書としてはカロリーが高めなので、じっくり読み進めることをオススメします。
次の話はこちら。
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