『フルメタル・パニック! アナザー10』あらすじとネタバレ感想!
ガルナスタンの決戦に敗れた、新生D.O.M.S.。荒野に取り残された市之瀬達哉と三条菊乃は、決死の脱出行に挑むことに! その一方、捕らわれたアデリーナにもカエサル・プロジェクトの魔手が迫っていた!
Amazon商品ページより
シリーズ第十弾となる本書。
前の話はこちら。
前巻を挟み、ようやく本編ラストに向けての動きが始まります。
今のD. O. M. S.側にとって絶望的な状況を、達哉たちはどう打破していくのか。
常に見どころなので、余すことなくお楽しみください。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
絶望的な状況
達哉が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所で、側には菊乃がいました。
二人は八巻での出来事の後、崖の崩落からなんとか生き残り、近くの洞窟で休んでいました。
アデリーナは別の場所で生きていますが、二人の視点では彼女は死んだことになっており、絶望の中にいます。
救援が期待できないとなると、二人は自力で助けを求められる場所まで行かなければなりません。
こうして、ビハインドな状況から始まります。
異常性
二人のレイヴンの損傷は激しいものの、何とか動かすことはできます。
状況を考えていると、ガルナスタンの正規軍が近づいてきます。
二人は生存率を高めるために二手に分かれ、なんとかしのぎますが、そこで達哉は仕方がないとはいえ躊躇なく相手の命を奪います。
菊乃から見た達哉は明らかに精神的にもかなり追い込まれていて、仲間たちと合流するまでその異様さが際立った描写がされます。
トゥリヌス
アデリーナは奇跡的に助かっていて、ミハイロフたちによって保護されていました。
捕虜とはいえ丁重な扱いで、ミハイロフたちが彼女を決して単なる敵として捉えていないことが分かります。
アデリーナはその後、引き渡されるわけですが、相手は国家指導者であるオルカンでした。
彼女の知るオルカンとはかなり変わっていましたが、外見の変化はほんの少しでしかありません。
オルカンは地下シェルターに案内し、そこでASであるトゥリヌスを見せます。
トゥリヌスはまるで意志があるような動きをしてアデリーナを驚かせますが、オルカンはさも当然のようにそれを受け入れていて、彼の狂気が十二分に感じられるシーンになっています。
感想
再起に向けて
九巻を挟んでいますが、本書冒頭でD. O. M. S.の面々は最悪の状況にあります。
あるものは遭難して、あるものは捕らえられ、あるものは仲間を失って失意の底にあり。
各々が立ち上がれなくてもおかしくない状況にあります。
しかし、もちろん達哉たちはそこから這い上がるわけで、本書では再起に向けた一連の流れが描かれます。
かなり陰鬱な雰囲気ではありますが、その後の華々しい活躍があると思うと、このシーンも楽しむことができました。
敵の異様さ
一方で、本書では最後の敵となるオルカン、というかトゥリヌスの異様さがしっかり描かれています。
自律した動きだけでなく、自ら人間ような意志をもって誰の操作もなく動き出す。
無印とは違った展開を見せてくれ、最後の敵がどれだけ異様なのかが分かります。
再起した達哉たちが何と対峙しなければいけないのかが分かるので、この対比はなかなか良かったです。
最後の大盛り上がりに向けた準備という内容ですが、それでも絶望と希望の描写が丁寧で、達哉たちの気持ちに寄り添いながら読めました。
おわりに
内容的にかなり重ためですが、それがあるからこそ盛り上がるのがフルメタという作品です。
色々な人物の視点からそれぞれの心情が見えてくるので、ぜひお楽しみください。
次の話はこちら。
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