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『倒錯のロンド』あらすじとネタバレ感想!複雑な仕掛けが物語を何度でもひっくり返す

harutoautumn
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“原作者”と“盗作者”の緊迫する駆け引きに息を飲む。受賞間違いなしと自信を持って応募した推理小説新人賞が、何者かに盗まれてしまった! 盗作をいくら主張しても誰も信じてくれない。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていくときの衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の“原点”に位置づけられる名作、改訂が加わった新装完全版。

Amazon商品ページより

折原一さんの著作である本書は、『倒錯』とタイトルにある通り、何回でも物語がひっくり返ります。

最後には丁寧に全て説明されるわけですが、一度読んだだけだとなかなか理解できない。

それくらい複雑に入り組んでいて、真実を知りたい読者を離してくれない魅力を持っています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

新人賞への応募

小説家を目指す山本安雄は、第20回月刊推理新人賞に応募するための小説を書き始めます。

ウィリアム・アイリッシュの有名サスペンス小説『幻の女』と同名のタイトルにすることはすぐ決まりますが、そこからなかなか構想が思いつきません。

焦るだけの日々が数か月続きますが、ある日突然、山本のもとにインスピレーションが訪れます。

それまで止まっていたのが嘘のように山本の筆は驚く早さで進み、わずか二週間で完成させてしまいます。

山本にとって会心の出来で、応募前から受賞を確信していました。

紛失

山本は出来上がった原稿を友人の城戸に見せると、面白いが字が読みにくいと指摘を受けます。

応募までまだ一か月ありますが、山本にワープロの使用経験はありません。

すると城戸は自分がワープロで原稿を打ち直すと申し出てくれ、山本は彼に原稿を預けます。

すっかり安心しきった山本ですが、ここで問題が起きました。

城戸は電車で原稿をなくしてしまったのです。

しかも原稿のデータが入ったフロッピーも同じ袋に入っていたため、原稿は完全に失われてしまったということになります。

城戸が必死になって探すも原稿は見つからず、激怒した山本は彼との友人の縁を切ると宣言するのでした。

盗作者の計画

その頃、城戸のなくした原稿を永島一郎という男性が見つけます。

永島は原稿を読んでとても面白いことに気が付きますが、この時点では山本に返すつもりでした。

書かれている住所を訪れた永島は、山本に縁を切られて茫然とする城戸と肩がぶつかり、その時は返せませんでした。

永島は改めて出直そうと一度帰りますが、ここで魔が差します。

会社をやめたばかりの永島にとって一千万円という賞金は魅力的であり、『幻の女』であれば受賞できるという確信がありました。

しかし、山本の名前を変えて応募しても、山本本人が盗作に気が付き、訴えられるのは明白です。

この時、永島は名案を思いつきます。

山本を自殺したように見せかけて殺害してしまえば、盗作に気が付く人間はこの世にもういません。

永島はこの悪魔的発想に魅了され、山本(アパートですれ違った城戸)をこの世から消すための計画を練り始めます。

感想

どんでん返しの数々

どんでん返しを売りにした作品は数多くありますが、本書はその中でも特に物語が何度もひっくり返ります。

ある程度熟読した読者であれば、いくつかの真相にはたどり着けると思います。

ところが、本書の仕掛けはそれだけにとどまらず、そこからさらに読書を驚かせてくれます。

いくら用心していても見抜くことのできない、入り組んだ迷路のような構成。

最後の解説でその手があったか!と何度も驚かされ、読み終える頃にはスッキリした読了感を得ることができました。

感情移入は難しい

本書に登場する人物は極端な人が多いです。

立場によって態度をガラッと変え、はっきりいって好ましくない人ばかりです。

そのため誰に感情移入しようとしても何か違う、と納得いかない人も多いと思います。

本書は物語に仕掛けられた驚きの数々を楽しむことがメインの楽しみであって、登場人物と自分を重ね合わせて楽しむ読書には正直向きません。

もし感情移入しないフラットな読書が好きでない場合は、本書はあまりオススメしません。

完成版がオススメ

本書は単行本、文庫本として発売された後、約三十年後に完成版が発売されています。

『完全』ではなく『完成』です。

これだけの長い年月を経て、何が加わって完成に至ったのか。

本書の特殊な事情があるからこその完成形であり、小説という創作の新たな面白さに気が付くことができました。

はじめて本書を読む人には完成版をオススメするとして、すでに読んだことのある人も完成版にて本書の真髄を見届けてもらえればと思います。

おわりに

読者の頭さえもおかしくなってしまいそうな混沌とした作品ですが、最後の解説によってそれが一気に晴れます。

この感覚は他の作品ではまず得られませんので、ぜひ挑戦してみてください。

その際、疑いを持って読んでいた方が驚きは増しますので、自分なりに推理しながら読んでみてください。

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