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『ブルーローズは眠らない』あらすじとネタバレ感想!安定の〈マリア&漣〉シリーズの第二弾

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両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査することになる。ところが両者への面談後、バラの蔓が壁と窓を覆い、施錠された密室状態の温室から、切断された首が見つかり……。『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!

Amazon内容紹介より

『ジェリーフィッシュは凍らない』に続く〈マリア&漣〉シリーズの第二弾である本書。

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主役である二人をはじめ、登場人物の多くが前作から引き続きなので、前作を楽しめた人なら安心して楽しめる仕様になっています。

話も構成も過去と現在を行き来するスタイルで、こちらも前作と同様ですが、そこに隠されたトリックはしっかりと練られていて、決してシリーズものという肩書にあぐらをかかない姿勢が印象的でした。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

はじめに

本書は前作と同様、過去(プロトタイプ)と現在(ブルーローズ)、インタールードの三つから構成されています。

マリアと漣は、日記によって過去(プロトタイプ)のことを知り、それを現在起きている事件と照らし合わせますが、読者の認識と同じスピードで物語が進行していくので、臨場感があって推理のしがいがあります。

過去(プロトタイプ)

逃げ出した少年

少年は両親に虐待されながら育てられ、ある時、限界に達して家を飛び出します。

あてもなく彷徨っていると、深い森の中で一軒の家に辿り着きます。

そこにはテニエル一家が住んでいました。

夫のフランクと、アルビノに生まれた妻・ケイトと、ケイトの容姿を受け継いだ娘・アイリス。

フランクは遺伝子に関する研究をしていて、エリックと名付けられた少年は彼の助手として居候させてもらいます。

はじめ、アイリスはエリックを邪魔者として扱いますが、次第にお互いに心を許せる間柄となりました。

こうしてエリックはテニエル家の一員となり、家族以外の人としてはじめてフランクの研究結果を見せてもらいます。

それは、誰も見たことのない青いバラでした。

またテニエル家の地下には実験体七十二号と呼ばれる怪物にしか見えない生物が隠されていて、フランクが何かを隠していることは明白でした。

惨劇

エリックにとって信じられないような幸せな日々でしたが、その時間は長くは続きませんでした。

警察は家出したエリックを探していて、フランクが何度追い返してもしつこく周囲を嗅ぎまわります。

そしてある日、一家を悲劇が襲うのでした。

現在(ブルーローズ)

青いバラ

世間では、不可能の象徴と言われてきた青いバラの研究が二つも同時に発表されたことで賑わっていました。

人類がバラの育成を始めたのが少なくとも二千年近く前のことで、それまで誰も成し遂げられなかったまぎれもない偉業です。

一つは牧師であるロビンが独学で交配させたもので、『天界』と名付けられたもの。

そしてもう一つは、フランキー・テニエル教授が発表したもの。

フランキーはロビンの青いバラを否定しますが、ロビンはその見解に反論し、どちらが正しいのか世間は注目していました。

探り

前作のジェリーフィッシュ事件で下手を打ったマリアと漣は、おかしなことをしないよう干されていました。

そんな時、ジェリーフィッシュ事件で一緒に捜査をしたドミニクから連絡が入り、とある人物に探りを入れてほしいと依頼されます。

その人物はフランキーでした。

詳しい事情は聞かされませんでしたが、マリアと漣はフランキーの元をたずねます。

二人はフランキーの話を聞きますが、少なくとも嘘をついているようには聞こえませんでした。

この時、フランキーの青いバラは『深海』と名付けられます。

後にロビンにも探りを入れますが、こちらも同様で、どちらが正しいのか判断がつきません。

しかし、すでにマリアと漣は事件に巻き込まれていました。

フランキーが、首だけの状態で発見されたのです。

殺人事件

マリアと漣もフランキーの事件の捜査に加わります。

フランキーに同行していたアイリーンという学生が現場で拘束された状態で発見され、現場は密室状態。

さらに『実験体七十二号がお前を見ている』という謎の警告。

不可解な点が多い事件ですが、ドミニクからもたらされた一冊の日記によって謎がさらに膨らみます。

日記は一年半前に起きた火災の焼け跡から警察が見つけたもので、それは『プロトタイプ』で登場したアイリスが書いたものでした。

符号と相違

アイリスの日記には、彼女たちを襲った惨劇の様子が書かれていて、それは今回の事件と符号する点が多いことにマリアは気が付きます。

アイリーンもまたアルビノであり、アイリスと同一人物の可能性が浮上します。

他にも、プロトタイプに登場した牧師はロビンと関係しているのか?

青いバラを作り上げたフランクは殺害されているということは、フランキーとは一体何者なのか?

考える間もなく殺人事件は続き、マリアと漣はやがて真実に辿り着きます。

全ての事件は、プロトタイプの頃から始まっていました。

感想

安定のシリーズ第二弾

同じ構成で、同じ登場人物が多く登場した本書。

マリアは相変わらず粗暴ですがここぞという時の閃きは天才的で、細かいところは漣がカバーする。

土台が前作でしっかり固まっていたこともあり、肝心の事件に集中して読むことが出来ました。

前作が楽しめたという方であれば、絶対に楽しめる安心の一冊です。

挑戦のしがいがある難易度

前作もそうでしたが、本書も推理の難易度はそこまで高くありません。

大雑把な部分は十分予測できるので、あとは頭を柔らかくして考えれば、マリアたちよりも先に真実に辿り着くことが出来ます。

推理に必要な材料はそう多くないので、じっくり一つずつ問題を整理していきましょう。

難しいトリックを求める読者からすれば少し物足りないとの声が出るかもしれません。

しかし、自力で何が何でも事件を解決したい人からすれば、本当に絶妙なバランスで、これなら解けそうとワクワクするはず。

まだDNA鑑定もできない時代の事件なので、単純に考えれば解決できるのも本書の魅力です。

マンネリ化が懸念される

基本的に文句なしの面白さでした。

ただ今後もシリーズが続くと考えた場合、マリアの取り扱いがちょっと気になりました。

マリアの無知を漣が指摘し、マリアが突っ込みを入れるというのが基本的な流れですが、どうも無理に入れているとしか思えないやりとりが散見され、蛇足のように思えました。

もちろんこういったやりとりからお互いの性格、関係性が見えてくるので不必要だとはいいませんが、やり過ぎも遠慮願いたいところ。

出来れば三作目以降で二人の関係性に変化が訪れ、この辺りが少しでも改善すると、マンネリ化を防げると思います。

新作が発表されるとつい期待してしまうシリーズなので、これからも要注目です。

おわりに

一発で終わらないところをしっかり見せつけたシリーズ第二弾でした。

登場人物的にも、アニメ化しやすいかなと個人的に感じました。

ミステリ界隈ではかなり知られていますが、まだまだ全体で見れば知名度がそこまでなので、ぜひ様々なメディア媒体で取り上げられ、多くの人に本シリーズを知ってもらいたいと思います。

次の話はこちら。

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