ミステリー

『教場』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

君には、警察学校を辞めてもらう。この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。誰も逃げられない。前代未聞の警察小説!

【「BOOK」データベースより】

本書はフジテレビ開局60周年特別企画として木村拓哉さん主演でドラマ化され、2020年1月4、5日に二夜連続で放送されることが決まりました。

フジテレビ開局60周年特別企画 教場

木村さんは物語の中心となる警察学校の教官・風間役なので、今から楽しみです。

警察小説というと、どうしても現場での話をイメージしがちですが、本書は警察官を目指す生徒と教官・風間の教場でのやり取りが描かれていて、非常に新鮮でした。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

第一話『職質』

この話の主人公は宮坂定(みやさかさだむ)。

彼は警察官になるべく教場で日々、勉強や実習に励んでいますが、その道は厳しく、途中でリタイアしていく同期も多くいました。

中でも宮坂は平田という同期と並び、次に辞めるのではと噂されるほど成績がよくありませんでした。

そんな時、教官の植松が肺炎で入院することになり、代わりにやって来たのが風間公親でした。

風間はすぐさま、宮坂がざと下手な職質を授業でしたことに気が付きますが、宮坂はその理由を言いません。

その代わりに、風間は宮坂に、一日の中で気になったことを毎日報告するよう命令します。

いわゆるスパイで、問題となる種を事前に把握するためです。

宮坂はある日、便器用の洗剤がなくなったことなどを報告します。

すると、風間は何かに怒ったのか、宮坂たちの代全員にランニングを命令します。

その後、入浴の時間になりますが、平田に手錠をかける練習相手になってほしいと頼まれ、腕を貸します。

そのまま手錠をかけられますが、ベッドの鉄枠に通されたことで宮坂は異変に気が付きます。

はじめ、平田は厳しい訓練に耐えられず、脱走するつもりかと考えますが、違っていました。

平田が取り出したのは、便器用の洗剤た硫黄入りの入浴剤です。

この二つを混ぜ合わせることで、有毒ガスが発生します

平田は宮坂が手を抜いていることに気が付いていて、見下す宮坂もろとも心中しようと考えたのです。

宮坂の制止を振り切り、平田は二つを混ぜ合わせます。

宮坂は思い切り体を捩り、手首を肉離れ、もしくは骨折し、気絶して物語は終わります。

後に、便器用の洗剤の中身が事前に、風間によって水に代えられていたことが判明し、事なきを得ます

宮坂の報告から今回のようなケースを想定し、犯人が平田だと突き止めていたのです。

平田はこの後、退校します。

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第二話『牢問』

この物語の主人公は楠本しのぶ。

楠本はインテリアコーディネーターのキャリアを捨て、警察官を目指していました。

優秀な成績で周囲から一目置かれる一方、友人で成績のあまり良くない岸川沙織をかばうなど仲間思いなところもあります。

岸川は最近、脅迫状のような手紙が届くようになって悩んでいました。

犯人に思い当たる節はありませんでしたが、すぐに楠本が犯人であることが判明します。

しかし、風間はすぐにそのことを見抜きます。

警察官を目指すのも、何か強い動機があるはずだと追及されますが、楠本は答えません。

ある日、トレーニング室に行くと、宮坂がベンチプレスをしていました。

楠本はアシストをするふりをして補助をせず、宮坂が風間のスパイであることを吐かせます。

その後、楠本は車庫で車のワックスをかけますが、何者かによってはめられ、立体駐車場のパレットに足を挟まれ、気絶してしまいます。

 

気が付くと、宮坂がやってきますが、彼は助けてくれません。

宮坂は風間に命令されて楠本をはめた本人であり、風間は、楠本と岸川の間にあったことを話すまで解放するつもりはありません。

風間が手紙の犯人が楠本だと気が付いた理由、それは楠本がミントオイルを染み込ませたハンカチでした。

楠本は眠気対策に持ち歩いていて、手紙からもミントオイルの匂いがしたのです。

楠本は観念し、岸川が自分の婚約者を車でひき殺したことを告白します。

車は弁柄色で、岸川の車と同じでした。

楠本は岸川を逮捕するために警察官を目指したのです。

しかし、宮坂は風間から指示を受け、岸川の車の写真を見せます。

車は弁柄色ではなく、楠本は偏光性の塗料が塗られていることに気が付きます。

たまたま楠本が見た角度の色が弁柄色なだけであって、岸川は犯人ではありません。

楠本は警察官をやめると宣言し、こんなことをした風間の非道ぶりを世間に知らせてやると決意。

助けてほしいと、涙を流すのでした。

第三話『蟻穴』

鳥羽暢照(とばのぶてる)は音や風圧で物の速度を割り出す特技を持っていました。

彼は白バイ警官を目指しています。

ある日、隣の住人の石山が、原付と軽自動車が事故を起こしたことを教えてくれます。

そんな時、無断外出をした人間がいることが問題となり、フェンスに残った指紋から同期の稲辺が疑われます。

しかし、問題の時間、稲辺が自習室にいたことを鳥羽は知っています。

犯人は稲辺ではありません。

そして、稲辺もまた、その時間に鳥羽を見かけたと証言。

正しいことですが、鳥羽は稲辺を見ていないと嘘をつきます。

 

その後、鳥羽と稲辺は表面上、元の関係を取り戻したように見えました。

ところが、風間は鳥羽の耳が悪くなったことを見抜きます。

水中での救出訓練時、鳥羽は耳を負傷していたのです。

風間が気が付いたのは、彼のつけていた日記を見ていたからでした。

そこには嘘も含まれていて、それは軽自動車と原付が接触した音を聞いたことです

本当は石山から聞いただけですが、耳の良さをアピールするためについてしまったのです。

そして、これが稲辺の件で偽証した理由でした。

事故の音は自分の部屋にいなければ聞こえず、日記に嘘を書いたことがバレると学校をクビになってしまいます

風間は稲辺に謝ることを条件に、日記の件は不問にします。

 

後日、鳥羽は稲辺に射撃場で会い、謝ることを決意します。

稲辺にメモを読んでほしいといわれてその通りにすると、鳥羽は突然、イヤープロテクトをされて何も聞こえなくなってしまいます。

瞬間接着剤でつけられ、どうしようかと思いながらメモを読むと、そこには戦時中、一人の兵士が鼓膜を蟻に食い破られた話が書かれていました。

両耳からはカサッと音がして、鳥羽は自分の耳に蟻がいることに気が付きました。

この話はここで終わりますが、第四話にて鳥羽はこの件で耳を怪我し、白バイ乗りへの道をほぼ絶たれてしまったことが描かれています。

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第四話『調達』

この物語の主人公は日下部准。

校内で小火が発生し、犯人探しが行われていました。

そんな中、日下部は同期の樫村の不正を見つけ、教官に密告しようと考えていました。

ところが、樫村は日下部の成績が悪いことに目をつけ、成績の点数稼ぎを駆って出て、日下部はその取引に応じてしまいます。

 

後日、日下部は例年、授業でされる定番の質問の答えを樫村に教えてもらい、教官の点数を稼ぎます。

しかし、内容が火に関することで、他の同期は小火の犯人が日下部なのではと疑います。

そんな中、風間は真相に気が付いていました。

後日、先輩警察官の尾崎が覚醒剤所持で捕まります。

尾崎は覚醒剤を炙って使おうとして、誤ってテーブルの一部を焦がしてしまったのです。

そして、尾崎が無罪になるよう協力したのが樫村でした。

樫村は、日下部を犯人に仕立て上げ、尾崎が無罪になるよう働きかけたのでした。

第五話『異物』

この物語の主人公は由良求久。

彼はパトカーの乗務員を希望していて、ある日、実習でパトカーを運転します。

その時、由良は車内にスズメバチがいることに気が付き、パニックを起こします。

彼は一度、スズメバチに刺されたことがあり、もう一度刺されればアナフィラキシーショックを起こして死んでしまうかもしれません。

由良は運転操作を誤り、学生の列に突っ込みます。

風間が逃げ遅れた学生・安岡を庇い、代わりに事故にあいます。

幸い、右足の怪我で済みましたが、由良はパトカーにスズメバチをいれたのが安岡であると疑います。

しかし、後に犯人などいなかったことが判明します。

 

後日、由良は風間に蜂を怖がり過ぎるところが欠点だと指摘され、スズメバチの巣の駆除を命令されます。

その時、風間はスプレー缶から泡を出してスズメバチをおびき寄せ、由良はスズメバチがパトカーにいた理由に思い至ります。

スプレー缶の中身は整髪料で、事故のあった日、教官の神林がつけていました。

スズメバチはその匂いに誘われてパトカーの中に入ってしまったのです。

由良は今回の経験を経て、大きな成長を果たすのでした。

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第六話『背水』

物語の主人公は都築耀太。

都築は優秀な成績をおさめていましたが、大きな挫折をしてこなかったことが弱点でもありました。

卒業文集編さん委員になった都築は、宮坂たち、本書で大きな挫折を味わい、成長を果たした同期の文集を読み、自分との差を痛感します。

卒業試験を控えて体調を崩し、風間にそのことを見抜かれます。

風間に度胸がないことを指摘され、都築は考えた末に、文集に未来のことを書きます。

卒業にかかわる二つのイベントでトップの成績をおさめたと書き、それが嘘にならないよう自分にプレッシャーをかけたのです。

そして、都築は見事それを現実に変えてみせました。

風間はまあまあの度胸だと都築を認め、都築も風間に教わった通りの正しい敬礼で風間を見送るのでした。

エピローグ

本書に登場した訓練生は卒業し、風間は新たな訓練生を迎えます。

誰もが自信や理想に満ち溢れていますが、風間はそれらを容赦なく打ち砕きます。

そんな中、警察官を目指す動機として、警察官に文句があると口にした訓練生がいました。

これは、優秀な警察官になる人物がよく口にする言葉であり、風間は頬が緩むのをおさえられませんでした。

最後に

命の危険がともなう警察官ですが、その訓練さえも過酷であることが描かれた作品でした。

そして、そうした挫折を経て成長する訓練生を見ていると、不思議と風間と同じような気持ちになりました。

次の話はこちら。

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