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『サマーウォーズ』映画の小説版を徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!!

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小磯健二は、憧れの先輩・篠原夏希に、「4日間だけフィアンセの振りをして!」とアルバイトを頼まれ、長野県の田舎に同行することに。夏希の曾祖母を中心にご親戚に囲まれながらも、大役を果たそうと頑張る健二のもとに、謎の数列が届く。数学が得意な彼は、夢中で答えを導きだすが、翌朝世界は一変していた。世界の危機を救うため、健二と夏希、そして親戚一同が立ち上がる。熱くてやさしい夏の物語。映画「時をかける少女」の細田守監督・最新映画を完全ノベライズ。

【「BOOK」データベースより】

細田守さんが送る大人気映画のノヴェライズです。

こちから読んだ人はもちろんですが、映画を先に見た人でも十分楽しめる内容になっています。

すでに夏の風物詩となっていて、定期的に金曜ロードショーなどで放送される機会もあると思うので、ぜひノヴェライズの後に映画もチェックしてみてください。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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巨大電子空間『OZ』

あらすじに入る前に、本書を語る上で外せないのは巨大電子空間『OZ』の存在です。

もはや老若男女問わず世界中の人が『OZ』と呼ばれる電子ネットワーク上の仮想世界に集まり、自分だけのアバターを操ってその世界を楽しんでいます。

それだけでなく、個人情報などもOZに集まっていますが、高度なセキュリティによって守られています。

しかし、本書ではこのOZに危機が訪れ、世界滅亡のピンチが訪れます。

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一夏のバイト

久遠寺高校に通う小磯健二。

彼は同じ物理部の友人・佐久間敬と一緒に、夏休みを利用してOZの保守点検のアルバイトをしていました。

そんな時、突然、学校のマドンナ・篠原夏希が部室を訪れ、二人にバイトの話を持ち掛けます。

バイトとは、夏希と一緒に田舎に旅行に行くという極めて簡単な内容で、健二は夏希に憧れているのでこれは唯一ともいえるチャンスです。

あいにく、募集人数は一人で、佐久間とジャンケンで決めることになりますが、健二は見事にバイトの権利を勝ち取るのでした。

数学が得意

東京駅で待ち合わせる健二と夏希。

目的地は、夏希の大おばあちゃんが住む長野県上田市でした。

大おばあちゃんの誕生日会があるが人手が足りないという話で、健二はそれを鵜呑みにしますが、その話には裏がありました。

道中、健二が数学オリンピックの日本代表を目指すも落選したこと、数学に関する類まれなる能力を持っていることが明かされますが、いまいち夏希にはピンとこず、距離を縮めるには至りません。

夏希が眠ってしまうと、健二はOZにログインし、エキシビションゲームを観戦します。

二つのアバターが戦いを繰り広げるゲームで、キング・カズマと呼ばれるウサギの姿をした戦士が圧倒的な強さを誇っていました。

まさしく世界一です。

健二は、自分も世界一になれば冴えない自分でも変われたのではと思い、日本代表を逃してことを後悔するのでした。

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婚約者のふり

上田駅に着くと、夏希の親戚と合流。

一緒に大おばあちゃんの家に向かいますが、道中でどんどん親戚の人数が増えていきます。

さらに、親戚一同の健二に対する視線には好奇が含まれ、夏希の様子もどこか変です。

健二は疑問を感じつつも、大おばあちゃんの家に着きます。

そこは広大な敷地にある立派なお屋敷でした。

まずは大おばあちゃんに挨拶することにしますが、健二は夏希の話にとにかく合わせるよう事前に指示されていました。

会うと、大おばあちゃんこと陣内栄は九十歳とは思えないほど活力に満ち溢れた人でした。

そんな栄に対して、夏希は健二のことを『彼氏』と紹介し、健二は驚きを隠せません。

そう、夏希は体調を崩した栄を心配し、安心させようと健二に恋人のフリをさせようというのです。

彼女がいたことなどない健二は夏希のお願いを拒否しますが、ここまできたら逃げ出すこともできません。

何より憧れの夏希の頼みということもあり、健二はなし崩し的に受け入れるのでした。

名家

食事の場で一同が会しますが、ここにいるだけで夏希の親戚は二十人以上。

しかもこれからまだ増えるといいます。

当然、みんなの興味は健二に注がれますが、栄は健二を立派なお婿さんだと認め、これには誰も異論を唱えません。

陣内家は栄で十六代になり、戦国時代から数々の戦を勝ち抜き、今の地位を築いてきた名家です。

健二は今さらながら、とんでもないバイトを引き受けてしまったと思いますが、一方でこの一時を楽しいと感じるのでした。

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来訪者

しかし、和気藹々とした雰囲気を一人の来訪者が壊します。

突然現れたのは、大おじいちゃんの妾の子ども・侘助でした。

侘助はかつて栄の山を売り、その金を持ってアメリカに逃げた経緯があり、親戚一同から嫌われていました。

そんな中、夏希は侘助に懐いていて、健二は面白くない思いをするのでした。

その夜、『Solve Me』というタイトルのメールが健二に届きます。

メールには暗号によく使われる疑似乱数が書かれていて、健二は一心不乱にそれを解きます。

解き終えると、解答を返信して眠りに落ちますが、翌朝、子どもたちに乱暴に起こされて客間に連れて行かれます。

テレビのニュースで、OZが大混乱に陥っていると報道され、そこには健二の顔写真が表示されていました。

ハッキング

OZは現在、何者かによって不正アクセスされ、システムが次々に書き換えられていました。

そして、管理センターに侵入してハッキングを行っていたアバターは、まさしく健二のものでした。

健二はまさかと思ってOZにログインを試みますが、何度行ってもログインできません。

異変を感じ、佐久間に連絡をとると、昨夜、多数の人間にOZの認証パスワードに関するメールが送られていたことが発覚。

そう、健二が解いたあの暗号です。

とりあえず仮のアカウントをもらい、健二はOZにログインすると、そこでハッキングされた自分のアバターを見つけます。

しかし、圧倒的な力を前になす術もなくやられる健二ですが、そんな彼を助けるアバターがいました。

それはあのキング・カズマであり、その主は夏希の親戚で健二の隣にいる、池沢佳主馬という少年でした。

AI

一度はキング・カズマが偽健二のアバターを捕らえますが、親戚の子どもの妨害にあって佳主馬は偽健二を離してしまいます。

その隙に偽健二は行き交うアバターを食べ、成長します。

その姿は威圧感を放つ仏像のようで、先ほどと比べると段違いの強さでした。

しかし、またしても子どもたちの妨害にあい、佳主馬は敗北してしまいます。

健二は何とかキング・カズマを助け、佐久間の状況を確認すると、健二のアバターをハッキングしたのは開発中の実験用AIで、名前がラブマシーンであることが判明します。

その後、親戚一同にニュースのことが知れ渡り、健二の嘘がたちまちのうちにバレてしまいます。

そして犯人扱いされ、親戚の警察官に逮捕されて連れて行かれてしまうのでした。

栄の人望

その後もラブマシーンは活動を続け、OZに関係するあらゆる情報が錯綜し、日本中がパニックに陥っていました。

カーナビの情報があてにならないことで交通渋滞が発生し、パトカーで移動中だった健二たちは特例で一度、屋敷に戻ります。

OZは高いセキュリティがあったからこそ、あらゆる公共機関はOZを利用していますが、今回はそれが完全に仇となりました。

栄はこの状況を敵に攻め込まれているようだと感じ、あらゆる知り合いに電話を掛け始めます。

全国にいる人々を励まし、事態の収束に向けて出来ることをします。

これに健二も触発され、もう一度、OZの管理センターに入るために暗号を解きます。

一方、ラブマシーンも事態が収束に向かっていることに気が付き、その原因を探します。

そして見つけたのが、陣内家でした。

開発者

混乱はとりあえず解消し、一同は健二のことを見直します。

しかし、ラブマシーンを倒せたわけではないので、根本的な解決にはなっていません。

そんな中、ラブマシーンを開発したのが侘助であることが判明します。

侘助は今回の件について罪悪感を抱くことなく、ただ自分の成果を誇ります。

全ては、栄に認めてほしかったからでした。

しかし、栄は侘助を薙刀で切りかかり、侘助はその場から立ち去ります。

その夜、健二は栄と花札をすることになり、その中で夏希を託されます。

それに対して健二は、気弱ながらも支えたい意思を表明するのでした。

反撃

翌日、栄が亡くなり、陣内家は悲しみに暮れます。

女性陣は葬儀の準備を始めますが、男性陣は栄の仇をうつべくラブマシーンに反撃を企てます。

一同はスーパーコンピューターを用意し、電源は漁船から供給し、冷却は漁船にある大量の氷で行います。

これも陣内家のなせる業です。

そして、佳主馬の出番です。

キング・カズマの名前で果たし状を送ると、それにラブマシーンが応じて現れます。

ラブマシーンは大量のアバターを吸収してさらに狂暴になっていましたが、佳主馬は互角の戦いをします。

そんな中、佳主馬が目標のポイントにラブマシーンを誘導し、捕獲することに成功しました。

誰もが成功を確信しましたが、親戚の一人・翔太が栄の遺体を冷やすために冷却用の氷を持ち出し、スーパーコンピューターがオーバーヒート。

ラブマシーンを捕獲していた罠は崩壊し、ラブマシーンはさらに多くのアバターを吸収して巨大に成長します。

そんなラブマシーンにキング・カズマが敵うはずもなく、あえなく敗北するのでした。

そして、謎のカウントダウンが始まります。

諦めない

女性陣が葬儀の準備を進める中、夏希は健二のことを思い出していました。

栄が亡くなった時、夏希は悲しさのあまり、優しい健二に甘えました。

そして、健二は勇気を出して夏希の手を握ってくれて、男性が苦手な夏希も思わずその手を握り返したのです。

思い出して思わず顔を赤くする夏希ですが、その時、親戚の一人が栄の家族に宛てた遺書を見つけます。

夏希はそれを持って、客間の男性陣のもとに行きますが、モニターには謎のカウントダウンと共に世界中の原子力発電所、そして制御不能状態になっている小惑星探査機『あらわし』の映像が映し出されていました。

あらわしにはGPS誘導で任意の場所に落下させることができ、そのGPS制御にはOZのシステムが使われています。

ラブマシーンはGPSの制御アカウントを奪っていて、このカウントダウンはあらわしが世界中の原子力発電所のいずれかに墜落するまでの時間だと見られています。

この問題を解決するには、二時間以内にラブマシーンから制御アカウントを取り戻さないといけません。

そのためには佳主馬の力が必要で、佳主馬はこれから生まれてくる妹のことを思い、ボロボロになったキング・カズマで巨大なラブマシーンに挑みますが、瞬く間に敗北し、吸収されてしまいます。

ここにきて陣内家全員がことの重大さに気が付きました。

そして、健二だけはまだあきらめていません。

夏希は健二の姿に触発され、あるものを取りに行きます。

それは、侘助が栄に切り付けられた時に落とした彼の小型端末でした。

それで侘助に連絡をとると、栄が亡くなったことを伝えます。

妾の子どもとして疎まれていた侘助を優しく迎え入れてくれたのが栄であり、侘助は大急ぎで陣内家に戻ります。

遺言

侘助はまだ戻ってきていませんが、栄の娘・万理子が代表して栄の遺言を読み上げます。

そこには自分の死後のこと、侘助が帰ってきたらお腹いっぱい食べさせてほしいこと、みんなと一緒にいられて幸せだったことが書かれていました。

そして、そこに侘助が戻ってきます。

栄の遺言通り、まずは食事をとることにしてこれからのことを考えます。

栄の遺言のおかげで、絶望的なこの状況でもみんな笑っていました。

侘助はこれからラブマシーンを無力化するプログラムを組みますが、大量のアカウントを奪われた状態では本体にプログラムを打ち込むことはできません。

そこで今回の作戦の鍵になるのは、栄が勝負強いと太鼓判を押していた夏希です。

花札

カウントダウンが残り一時間を切った時。

ラブマシーンに対して、夏希の操る袴姿の女性アバターが勝負を仕掛けます。

選んだゲームは、夏希の大得意な花札です。

ラブマシーンは四億ものアカウントを持つのに対し、夏希が賭けるのは陣内家のアカウント二十人分です。

圧倒的に不利な条件ですが、夏希は持ち前の勝負強さで勝ちを重ね、着実にラブマシーンに奪われたアカウントを取り戻していきます。

アカウントが増えるとレートを上げ、大量のアカウントを取り戻すことに成功しますが、それでも時間はあまり残されていません。

夏希は次第に緊張感と重圧で冷静さを失い、ついに一敗してしまい、取り戻したアカウントのほとんどを奪い返されてしまいます。

今のレートでは夏希はゲームに参加できず、もはやダメかと思われました。

その時、『74』だったアカウントが『75』に増えます。

それは、夏希にアカウントを使ってほしいと言ってきたドイツ人でした。

それがきっかけとなり、世界中の人たちがアカウントを夏希に貸してくれます。

その数は一億五千万を超え、OZの守り神であるくじらのジョンとヨーコからはレアアイテムを授けられ、夏希はみんなの温かさに涙を流します。

これに対して、ラブマシーンはレートを一千万まで引き上げて勝負を仕掛けてきます。

しかし、夏希にもう迷いはありません。

圧倒的な力を見せつけ、ラブマシーンのアカウントが残り『2』まで減ります。

最後の勝負

歓喜する一同ですが、カウントダウンはなぜか止まっていません。

よく見るとそれは一つだけで、あらわしの落下先、それは陣内家でした。

ラブマシーンは管理センターに逃げ込み、内側からロックして中に誰も入れさせません。

もはやあらわしの任意のコース変更はできません。

陣内家は避難を始め、近所の人の誘導も始めます。

しかし、侘助と健二はまだ諦めていません。

もし今からでも管理センターから偽の補正情報を送れば、少しでも落下コースを変えることができます。

健二は佐久間に管理センターのロックの暗号を表示してもらうと、前のメールの時と同様、解読にかかります。

しかし、解き終わる前にラブマシーンは暗号を変えてしまい、その度に健二は解き直しを余儀なくされます。

夏希をはじめ、みんなが健二を励まし、健二は歯を食いしばって暗号を解きます。

そんな時佐久間は、健二が数学オリンピックに出場したのは世界一になって夏希と釣り合う男になるためと明かし、夏希を驚かせます。

しかし、残り二分。

もう間に合わないかと思われた瞬間、健二はボールペンとノートを置き、暗算で二千桁もの数字に挑みます。

頭を使い過ぎたために鼻血を流しますが、栄に言われたことを思い出して頭をフル回転させます。

そして、ついに暗号が解けました。

ラブマシーンがパスワードを変える前に管理センターの入口を開けると同時に、侘助のプログラムが完成してラブマシーンの無力化に成功します。

あとは、佳主馬に託されました。

キング・カズマはボロボロになりながらもラブマシーンの顔面に渾身のパンチをお見舞いし、見事撃退します。

結末

健二たちの頑張りによってあらわしの落下コースはズレ、なんとか助かりました。

後日、栄の遺影に向かって改めて誕生日のお祝いをします。

侘助はラブマシーンの開発者だと名乗り出ましたが、あくまで開発しただけで罪に問われることはありません。

そして、健二と夏希ですが、あれだけのことがあってもまだ一歩踏み出せずにいました。

しかし、それを親戚一同は許しません。

お膳立てをすると、見つめ合う二人。

健二は帰ったら話したいことがあると結論を濁しますが、夏希も待ってますと顔を真っ赤にし、誰がどう見ても答えは明らかでした。

一応の決着をつけると、健二は保留になっていたOZの暗号解読の件を説明するために理一と共に警察に出頭します。

理一からはサイバーテロ対策関係の仕事を勧められますが、健二はこりごりだと拒否します。

しかし、男は少しくらい謎めいている方がモテると言われると、詳しい話を聞かせてくださいと身を乗り出すのでした。

最後に

青春、家族、絆。

生きる上で大事なキーワードがたくさんつまり、それが見事に調和された夏の名作でした。

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