サスペンス
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『背の眼』あらすじとネタバレ感想!緻密に構成された道尾秀介の圧巻デビュー作

harutoautumn
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児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か?第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

「BOOK」データベースより

道尾秀介さんのデビュー作で、第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞した本書。

道尾さんと同姓同名の人物が主人公を務め、本書は真備シリーズの第一作目でもあります。

連続する児童の失踪。

自殺した四人の人間に共通する、背中に浮かぶ二つの目。

上下巻で無数の謎が散りばめられ、最後に一気に結末に向かって収束する勢いは圧巻です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

連続失踪事件

小説家の道尾秀介は旅行で福島県の白峠を訪れます。

この地では二年の間に四人の子どもが失踪していて、警察は関連性があると見て捜査するも何の手掛かりも得られずにいました。

一人目の失踪者・糠沢耕一は失踪後に見つかっていますが、それは首だけでした。

道尾は亡くなった少年の首が見つかったという川で何者かの声を聞き、恐怖を覚えます。

不明瞭な言葉に、どんな意味が隠されているのか。

道尾は予定を変更して東京に戻り、ある場所をたずねます。

背の眼

道尾が訪れたのは、大学時代の友人・真備庄助が所長を務める真備霊現象探求所でした。

道尾は福島の山中で経験したことを真備、それからアシスタントの北見凛に説明します。

霊現象かどうかについて判断してくれるのかと思いきや、道尾は真備から彼のもとに寄せられた四枚の写真を見せられます。

写真はどれも道尾がこの前までいた白峠で、そこに映る人物の背中にあるのは二つの眼。

しかも背中に目が浮かんでいる人たちはみな、その後に自殺しているのだといいます。

二つの件に何か関係があるのか。

真備は興味を持ち、道尾と凛を連れて白峠を訪れます。

背の眼の正体

真備の調べによって、四枚の写真に浮かぶ目が亡くなった耕一のものに似ていることが判明します。

道尾はまたしても謎の声を聞き、ただの聞き間違いでないことを改めて知ります。

真備は様々な調査を重ね、少しずつピースが集まっていきますが、一向にはまる気配を見せません。

白峠では天狗による神隠しなどと言われているが、本当に今回の件は真備の求める霊現象なのか。

物語が進行するにつれて新たな事実が次々に判明し、やがて二つの件を結ぶ真実が明らかになります。

感想

圧倒的な構成力

これが本当にデビュー作?

そう驚くほどに本書の構成は綿密に計算され尽くしていました。

上下巻というボリュームもさることながら、下巻の中盤頃までは謎ばかりが提示され、一向に解決を見せません。

本当に事件は解決するのだろうか。

ご都合主義な展開で濁すんじゃないだろうか。

何度も不安になりましたが、全くの杞憂でした。

終盤になると探偵役の真備が一気に真相を明かし、その説得力はすさまじく、そこまで抱えていた謎が吹き飛ぶ感覚はなんともいえない快感でした。

しかも推理パートではじめて気が付いた伏線も多く、どれだけの計算を重ねたら本書のような作品が出来上がるのだろうと感心するしかありません。

ホラー、サスペンス、ミステリ。

いずれの要素も高いレベルで融合しているので、上記のいずれかのジャンルが好きであれば本書は必読です。

やや冗長

本書の解説部分にも書かれていますが、やや冗長だとマイナスの評価を下す意見もありました。

実際、僕もそれは思いました。

物語を成立させる上でそこまで重要とは思えない謎もそれなりにあり、それらがあることで物語のテンポがあまりよくないと感じる部分もあります。

これは人を選ぶポイントかと思います。

しかもこれでも書籍化にあたってかなりの文量を削除したというのですから、元の作品がどれだけ大作だったのか想像もつきません。

読み終えてしまえば面白かったで済むのですが、読んでいる最中は出口があるのだろうかと不安になる時もあったので、これから読む人は心して読んでください。

ただ決して脅しているわけではなく、物語の結末はきっとあなたを楽しませてくれるものなので、それを信じて読んでもらえればと思います。

マンガはオススメしない

本書は小池ノクトさん作画でコミカライズもされています。

読みましたが、僕はあまり好きではありませんでした。

絵自体はそれなりですが、本書は自分の頭で想像を働かせるから面白いのであって、マンガにすると怖さ、不気味さが中途半端でした。

それから登場人物がしっくりきません。

主人公の道尾は著者ご本人の顔を自分で勝手にあてていたし、凛は幼さの残る少女をイメージしていました。

それがマンガだと違っていたので、受け付けなかった理由となってしまいました。

もちろん読んで損するというものではないので、気になる人は一度アマゾンなどでレビューを参考にすることをオススメします。

おわりに

道尾さんの実力の高さがうかがえるデビュー作でした。

真備シリーズとして続編も刊行されているので、しっかり読み込んでおくと次作以降をより楽しめると思います。

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