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『さよならドビュッシー前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
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『さよならドビュッシー』の玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍!脳梗塞で倒れ、「要介護」認定を受けたあとも車椅子で精力的に会社を切り盛りする玄太郎。ある日、彼の手掛けた物件から、死体が発見される。完全密室での殺人。警察が頼りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を巻き込んで犯人探しに乗り出す…「要介護探偵の冒険」など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。

「BOOK」データベースより

タイトルに前奏曲(プレリュード)とある通り、『さよならドビュッシー』の前日譚にあたる本書。

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発売の時期から考えると、シリーズ第三弾にあたります。

シリーズの主人公である岬洋介の登場は控えめで、本書の主人公は『さよならドビュッシー』にも登場した香月玄太郎です。

人のことを考えず無茶苦茶なことばかり口にする玄太郎ですが、作品を読み進めるごとにその人柄に惹かれ、洋介とは違った魅力にやられてしまうこと間違いなしです。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

要介護探偵の冒険

香月玄太郎は一代で莫大な富を築き、愛知の界隈においてその名前を轟かせていました。

ところが二年前に脳梗塞で倒れ、回復するも四肢が自由に動かなくなり、今は介助者のみち子に介助してもらいながら生活しています。

ある日、玄太郎の所有する土地で建築中の家で烏森という建築士が死体となって見つかります。

しかも家は内側から鍵を掛けられ、密室の状態。

誰が何のために烏森を殺害したのか。

人死にで地所の価格が下がることを懸念する玄太郎ですが、警察の捜査は一向に進展せず、業を煮やした玄太郎は自ら捜査に乗り出します。

要介護探偵の生還

玄太郎が脳梗塞で倒れた頃の話。

彼がみち子とどのように出会い、どのようにして今の状態まで回復したのか。

それまでの努力や周囲の支えが描かれています。

要介護探偵の快走(チェイス)

玄太郎の周囲で高齢者ばかりが襲われる事件が発生します。

一見、何の共通点もないように見えますが、玄太郎は不意に被害者はみな地元の人間であることに気が付きます。

そこで玄太郎は自ら囮になりますが、襲われたのは別の高齢者。

しかし、そこで玄太郎は犯人の正体、犯行の意味に気がつき、一計を案じます。

それは、賞金をかけた後期高齢者と障害者による車椅子競走でした。

要介護探偵と四つの署名

閉店間際の銀行にいた玄太郎とみち子ですが、そこに偶然四人組の銀行強盗が現れ、行内の人たちを人質にとって立てこもります。

彼らの目的は銀行の地下大金庫に眠る地金で、それだけで数億に上ります。

玄太郎は強盗の手際に感心しつつも、次第に違和感を募らせ、今回の事件の全体像を知ることになります。

要介護探偵最後の挨拶

玄太郎が岬洋介と出会い、洋介が玄太郎の所有するマンションに入居するまでの話。

玄太郎の古くからの知り合いで国民党愛知県連代表の金丸公望が急死したという知らせが入り、玄太郎は金丸の自宅に向かいます。

金丸の死因は青酸カリの摂取と分かったものの、摂取経路だけが分からず、捜査は難航します。

政治家として敵も多い中で、誰が金丸を殺害したのか。

犯行現場は趣味のレコード関係のもので溢れ、玄太郎では分からないことばかり。

そこで洋介に協力を求めたところ、彼はたちどころに事件の全貌を明らかにしてしまいます。

感想

今の時代に必要な痛快な物語

本書の魅力を語る上で、何よりも玄太郎の存在は外せません。

介助者がいなければろくに動けないにも関わらず、誰が相手でも鋭い言葉を飛ばし、損得だけでない己の感覚を信じて突き進む。

非常に昭和的で、元号が平成を超えて令和になった現代において、一部の人からは受け入れがたい価値観だと思います。

あくまでフィクションの話だから許されるものの、現実においてこうはいきません。

しかし、それでも確固たる意志を持って人生を貫く姿は素直にカッコイイし、そういう人物だからこそ憧れ、ついていきたいという気持ちになります。

いわゆるカリスマ性で、何となく水戸黄門をテレビで見ていた頃の感覚を思い出しました。

自由を求めて逆に窮屈になった現代に置いて、本書は今こそ必要な物語ではないかと考えます。

たまには良し悪しは置いておいて、素直に心に響く物語を読んでみるのはいかがでしょうか。

ある程度の辛抱が必要かも

玄太郎も自覚していますが、彼は他人の迷惑など考えず思ったことを口にし、お世辞にも性格が良いとはいえません。

セクハラ、パワハラなどを撲滅しようと世界全体で動く中でいかにも前時代的な考え方で、基本的にフィクションとして割り切っていた僕でも序盤は多少の嫌悪感がありました。

しかし、読み進めることで玄太郎の言動の裏に隠された熱い、あるいは温かい思いに触れ、そういった乱暴な言動も彼の魅力の一つなんだと気が付けるようになっていました。

人を傷つける言動、行動はあってはいけないことですが、ここはフィクションと割り切っていただき、慣れるまでしばしお付き合いいただければと思います。

おわりに

『さよならドビュッシー』を読んで先に結末を知っているだけに複雑な思いがありましたが、玄太郎の勇志が見られて僕は大満足です。

本書単体でも十分意味や魅力が伝わる構成になっていますので、『さよならドビュッシー』の前に読んでみるのもありかもしれません。

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