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『殺戮の狂詩曲』あらすじとネタバレ感想!高齢者を惨殺した男の真意とは?

harutoautumn
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少年時代に殺人を犯したが、のちに氏名を変え、弁護士となった御子柴礼司。
常識外れの論理と禁じ手すれすれの証拠を駆使し、悪評まみれの御子柴が、
高級老人ホームの入所者九名を惨殺した男性介護職員の弁護を引き受ける。
自らの凶行を崇高な使命だとうそぶく被告人の真意とは?
シリーズ屈指の衝撃作。

「被告人が無実だろうと真犯人だろうと関係ない。依頼人の利益になる判決を勝ち取るだけだ」

ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ、第6弾。

Amazon内容紹介より

御子柴弁護士シリーズ第六弾となる本書。

前の話はこちら。

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明記しませんが、おそらく実在した殺人事件をベースに書かれていることが分かる内容になっています。

被告人に勝ち目がない中で、御子柴が何を狙っているのか。

最後にしっかり驚きも用意されていて、中山七里さんの強みがしっかり活かされていました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

大量殺戮

忍野忠泰は介護士として幸朗園という高級介護付き有料老人ホームに勤めています。

冒頭、そんな忍野が凶行に及ぶ様子が彼視点で描かれますが、彼は入居者総勢三十九名を全員殺害するつもりでした。

同僚の制止にあって大量殺戮は途中で終わりますが、それでも九人もの無抵抗の入居者を殺害した忍野の異常性が強調されています。

ところが、後の取り調べなどで忍野は心神喪失しているわけではなく、受け答えも普通にできて、態度も一見問題ないように見えることが分かります。

犯行動機として、忍野は上級国民というワードを何回も口にして、生産性のない、ただ高級なサービスを受ける高齢者たちが害悪だからと答えました。

忍野の考えは幼稚で独善的で、取り調べにあたった警察官も空いた口が塞がりませんでした、

弁護

忍野の当番弁護士が彼と会いますが、この件に関わりたくないことは一目瞭然でした。

また弁護費用を忍野がろくに払えないことから、誰が国選弁護人になるのかが問題になりそうでしたが、真っ先に手を挙げた人物がいました。

それが御子柴礼司です。

このニュースは関係者に大きな衝撃を与え、バケモノの弁護を元「死体配達人」が請け負う、とまで言われてしまいます。

御子柴サイドからすると、話題性としては申し分ありませんが、悪評が広まるばかりで悪目立ち以外の何者でもありません。

弁護にしても忍野が望む無罪を勝ち取ることはまず望めず、国選弁護人のため報酬もわずか。

御子柴の狙いがまったく見えてきません。

御子柴の信念

そんな周囲の疑問を無視して、御子柴は淡々と裁判に向けた準備をします。

被告人にとって利益になる結果を勝ち取る。

御子柴はその信念を忍野に対しても適応させて、忍野の主義主張に付き合いながらも、裁判で有利になるための方法を伝えていきます。

はじめは自信満々だった忍野ですが、社会や遺族たちの反応を聞いて、次第に表情を曇らせていきます。

御子柴は周囲の人々の忠告を無視して遺族たちに話を聞きまわり、いよいよ裁判を迎えます。

感想

話題性

『上級国民』。

ここ最近の中でもここまで注目を集めた事件はなかったのではないでしょうか。

誰でも耳にしたことがあるワードで、事件の詳細や被告人について記憶に新しい人も多いと思います。

また老人ホームでの事件も実際の事件を連想させ、かなり社会に訴えかける内容になっています。

僕は小説を単なる創作として楽しみたいため、実際の事件などと紐づけられ、そこに何らかの主義主張が隠されていることはあまり好きではありません。

ただそれを抜きにすればストーリーははっきりして、読者ファーストでリーダービリティが高い点は非常に良かったと思います。

御子柴の真意

最後になるまで御子柴の真意は明かされません。

様々な供述が得られて、その材料をもとにどのような弁護を披露するのか。

一般常識では図れない、切り口の鋭い弁護が強みなので、それが読めることは非常に面白かったです。

どんな状況であっても、御子柴であれば何とかしてくれる。

そんな根拠のない信頼が湧き上がってくるので、ダークヒーローというワードが浮かんできました。

内容の薄さ

読みやすく驚きもありましたが、僕は本書をそこまでオススメしません。

理由は内容が薄いからです。

本書は三〇〇ページ以上ありますが、その多くは裁判で使用されない条文や定義の羅列、被害者遺族たちの言葉で、後者は同じような内容を言葉を変えて九回も繰り返されるので、だんだんと辟易してきます。

実際にはそういった声が大切であることはもちろんですが、小説においては無駄としかいいようがありません。

それであれば途中で省略して、その分を忍野との面会、御子柴を心配する人たちとの会話に割いてもらい、内容を厚くしてほしかったです。

ちゃんと読んだ割に得られるものが少なく、売れているシリーズにあぐらを書いているのでは?と疑ってしまいました。

ただ本書はシリーズで初読の方はほぼいないと思うので、シリーズを追ってきた人であれば読んで損はないと思います。

おわりに

最後は辛口になってしまいましたが、変わらず読者を喜ばせるツボを熟知しているなと感心してしまいました。

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