小説『PSYCHO-PASS サイコパス3〈B〉』あらすじとネタバレ感想!都知事選を終えて狐にさらに近づく第二弾
【小説版登場!】東京都知事選挙が始まった。候補はアイドル政治家・小宮(こみや)カリナとトップ格闘アスリート・薬師寺康介(やくしじこうすけ)。お互いに一歩も譲らない選挙戦の最中、小宮陣営の脳科学者・土谷荒城博士が殺害され、捜査を続ける刑事課一係と薬師寺陣営も襲撃を受ける。事件の背後には、やはり“狐”の影が……。灼と炯は都知事選に仕組まれた恐るべき目論見を阻止できるのか。TVアニメ三期のノベライズ第2弾!!
Amazon商品ページより
第二弾では都知事選、そして信仰特区構想のさわりまでが描かれます。
前の話はこちら。
〈A〉でも思いましたが、サイコパス3はシリーズでも特に話が複雑でアニメのスピード感では理解がなかなか追い付いていなかったので、こういうノベライズは非常に助かります。
知識的な面はもちろんですが、文章から伝わる緊迫感もたまらなく、文庫版で五〇〇ページ以上のボリュームもあっという間に読めてしまいました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
事件の背後にあるものは何か
前巻より始まった都知事選。
薬師寺陣営と小宮陣営の争いが激化する中、小宮陣営の脳科学者・土谷荒城博士が何者かの手によって殺害されます。
土谷が殺害されたホテルには薬師寺の第一秘書・リーが止まっており、刑事課一係はそこを事件の突破口にしようと試みますが、事情聴取中に謎の襲撃にあいます。
一係を凌駕する肉体と格闘能力の持ち主でしたが、何とか撃退。
しかし、リーをその隙に殺害されてしまいます。
捕らえた男を調べても黒幕の正体は分からず、ただ廃棄区画の住人で潜在犯だということだけが分かりました。
潜在犯が街頭スキャナに引っかからずどうやって移動したのか。
条件を絞っていくと、茗荷谷の廃棄区画が浮かび上がります。
この廃棄区画に精通した入江の案内で調査を進めますが、そこは榎宮春木が支配する城で、日々血生臭いファイトが行われていました。
榎宮に調教された者である可能性が濃厚になりますが、その移動方法についてはまだ謎が残ります。
そこで一係は前執行官で、今はジャーナリストをしている六合塚弥生に協力を依頼。
その結果、榎宮の尻尾を掴むことが出来ました。
新世代人工知能
しかし、まだ事件の全貌やその目的が明らかになっておらず、灼は土谷の方面からも事件を追います。
土谷の研究所を調べると隠し部屋があり、そこには『アイ』と呼ばれるアシスタントAIが待っていました。
灼が土谷の死を知らせると、アイは土谷の命令に従い、公安局の捜査に協力してくれます。
土谷は人間の意思決定に影響を与える話法を研究していて、その結果、生まれたのが新世代人工知能、マスコントロール・カリナことマカリナでした。
大衆の心理を完璧に分析して必要な振る舞いをもたらすマカリナと、完璧な政治家としての振る舞いを正確無比に実行できるカリナ。
以前、灼はカリナに対してメンタルトレースを実行した際、そこにあるはずの心に辿り着くことが出来ませんでしたが、それはトレースした相手が心のないAI・マカリナだったからでした。
事件はまだ終わっていない。
灼は確信します。
そして結末は、ギガアリーナで行われる討論会で明らかになります。
信仰特区構想
ここからは第三章。
都知事選での捜査を通じてじょじょに『狐』に近づく一係。
しかし、その実態を明らかにするにはまだまだ材料が足りません。
灼と炯の前の監視官は狐を追い、正体を掴むどころか一人は命を落とし、一人は色相が悪化して隔離施設に収容されています。
その捜査によって執行官たちが監視官を陥れたのではと悪評が立ち、一係として苦い経験でした。
執行官たちは新たな監視官を信頼し始める一方で、狐を追うことに複雑な心境を抱いていました。
そんな中、都知事選で勝利を収めたカリナを後援する肯定党から『信仰特区構想』が推進され、波紋を呼びます。
それだけでなく、信仰特区に関する説明会で自爆テロが発生。
賛成派は一命を除いて死亡し、反対派は全員生き残りました。
状況から考えると特区反対派による妨害工作としか思えず、一係は生き残った三人の反対派から事情聴取することにします。
感想
単なるアニメ版の補完ではない
これまでアニメのノベライズというと、あくまでアニメの補完程度にしか考えていませんでした。
本書においても、もちろんその側面はあります。
サイコパス3はシリーズの中でも特に話が複雑なのでアニメ版だけだとよく分からない部分が多々ありましたが、ノベライズであれば、分からなければ何度でもじっくり読み返せるので、物語を理解するのに非常に役立ちました。
しかし、本書はそれ以上の魅力があり、文字で描くサイコパス3の世界がここまで面白いものなのかと単純に嬉しかったです。
アニメでは表情や仕草で読み取らないといけない部分が、小説では文字として明確に描かれ、登場人物をより深くまで理解することができました。
深まる絆
まだまだな関係ではありますが、本書では一係の監視官と執行官の絆がじょじょに深まっていくのが一つの見どころです。
それも一方通行なものではなく、お互いにです。
心境の変化は言葉にならなくともちょっとした態度や仕草に表れているので、それを見つけるとつい嬉しくなってしまいます。
一方で、ここまで影の薄い如月真緒は相変わらず心を開いておらず、彼女の掘り下げが行われるのがこの信仰特区構想の話からになります。
アニメで結果を知っているとはいえ、早くノベライズでも読みたいですね。
増える謎
一係は地道な捜査によって狐に近づいているのに、なかなかその尻尾すら掴むことが出来ません。
読者は狐側も見ているので、この二つがいつ邂逅するのか今から楽しみです。
灼の父親や炯の兄の話もよく出てくるようになり、これがどう狐と絡んでくるのかも気になります。
そして、わずかに描かれる常守朱の手記。
彼女が殺人を犯したのは確定になりますが、その相手などはまだまだ明かされません。
巻を追うごとに見どころが増えるのは嬉しい一方で、じれったくもあります。
おわりに
〈A〉以上に盛り上がりを見せてくれ、ノベライズとしても一小説としてもそのクオリティが高いことを証明してくれました。
〈C〉が出るまでにもう一度アニメ、劇場版をおさらいして、しっかり準備をして待ちたいと思います。
次の話はこちら。
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