『medium 霊媒探偵城塚翡翠』あらすじとネタバレ感想!霊視と論理で事件に挑む
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。
「BOOK」データベースより
相沢沙呼さんの新たな代表作となった本書。
小説家と霊媒師の美少女のコンビが事件に挑むというもので、ここ最近の作品の中でもエンタメ性、ミステリとしてのクオリティともに群を抜いて高い作品になっています。
それを証明するように第20回本格ミステリ大賞受賞をはじめ五冠を獲得していて、ミステリ好きであればぜひ読んでほしい一冊です。
またドラマ化されたことでも話題になっています。
本書に関する相沢さんへのインタビューはこちら。
<相沢沙呼インタビュー>1ページ目を開く前からすでに読書体験は始まっている 本の話
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
後輩の依頼
小説家の香月史郎は、大学時代に所属していた写真サークルの後輩・倉持結花から一緒に霊能者に会ってほしいと依頼されます。
結花はある日、占い師に運勢を占ってもらったところ、彼女を見て泣く女がいると告げられます。
占い師にはその女が何のか判別がつけられず、結花は霊能者にすがることにしましたが、相手が霊能者を騙った詐欺師であることを考慮して香月に同席してもらいます。
霊媒の娘
香月たちが会ったのは、城塚翡翠という霊能者の女性でした。
翡翠は香月たちの仕事など個人情報をいともたやすく当ててみせます。
本当に霊能力があるように見え、結花についてうまく言えないが何らかの不安な影を見つけます。
香月は結花について注意して見るよう言われますが、その助言はすぐに無意味になります。
それからほどなくして、結花が自宅で亡くなっているのが発見されたのです。
探偵コンビの誕生
翡翠は自身の能力によって犯人が女性で、泣き女という存在を感じ取ります。
泣き女とは名前の通り、泣いている女の霊で、それに見つめられた人は一年以内に必ず死を遂げるということが翡翠の経験から分かっています。
犯人を推理するにあたって極めて重要なヒントですが、警察をはじめ普通の人はこんなことを言っても信じません。
ましてや霊能力という非科学的な能力で得られた情報を証拠として容疑者を逮捕することなどできません。
翡翠は能力があるにも関わらず結花を死なせてしまったことに責任を感じますが、そこで諦めることはしません。
自身の能力で得られた情報を香月が論理的に組み立てることで、霊媒として得た情報を活用しようと考えたのです。
こうして小説家と霊媒のコンビが誕生し、これからいくつも事件に挑みます。
感想
霊媒という非科学的なものを推理に組み込む
本書ではタイトルにある通り、翡翠は霊媒となって死者の魂から情報を得たり、霊視によって普通の人には見えないものを見たりして、そこから犯人を割り出します。
そのため指紋、動機、アリバイなど通常のミステリで犯人の根拠となる証拠がなくとも犯人に辿り着くことができます。
ところが、ここで問題が発生します。
それは、翡翠の霊媒として得た情報はそのままでは証拠にならないということです。
死者の魂や霊視による印象から犯人が分かったとしても、警察はその情報だけで容疑者を犯人として逮捕することはできません。
逮捕するには科学的な証明が必要ですが、翡翠は自分の得た情報を科学的な証拠に変換する術を持ちません。
そこで活躍するのが小説家の香月で、彼が翡翠の見たものを論理立てて説明することではじめて証拠になります。
霊媒というある意味反則的な能力をそのまま用いるのではなく、しっかりと論理立てて説明するあたりにフェア精神が感じられ、単なる色ものミステリでないことが分かります。
論理的に考える過程が非常に面白く、ミステリそのものの面白さを再確認することができました。
単純に翡翠がかわいい
本書の魅力を語る上で、翡翠自身の魅力を外すことはできません。
霊媒として唯一無二の能力を発揮する一方で、実はその能力を否定され続けた過去があり、人や自分を信じられないところがあります。
暗い過去、宿命を背負いながらも、霊媒という特殊な背景を除けば世間知らずで無邪気な可愛らしい少女で、まさに男性の願望丸出しの女性です。
香月でなくとも彼女に夢中になると思います。
香月と翡翠は事件を経るごとに距離を詰めていくので、その過程を楽しむのも一つです。
驚きの展開
詳しいことは書けませんが、本書には上述にない最大の魅力があります。
よくどんでん返しの名作として紹介されている作品に勝るとも劣らない驚きの展開が後半に待っていて、完全に油断していた僕はそれにやられてしまいました。
完全にページをめくる手が止まらなくなり、最後まで一気読みです。
このあたりには中盤まで以上のミステリとしての面白さが詰まっていて、設定や登場人物の魅力だけでない、緻密に計算された構成力が感じられました。
おわりに
第一話の時点で良作以上であることは確信できましたが、そこからさらに読者の予想しない方向に展開し盛り上がり、令和を代表するミステリの一冊といっても過言ではないと思います。
続編もすでに発行されているので、今後もシリーズとして追いかけます。
次の話はこちら。
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