『目嚢ーめぶくろー』あらすじとネタバレ感想!従姉妹から古文書から怪異が顔をのぞく
ホラー作家・鹿角南が出会う新たな怪異。従姉妹から預かった正体不明の古文書から見つけた怪談らしき記述を読み解くうち、身辺でおかしなことが起こり始める――。『祝山』(映画化決定)、『203号室』(ハリウッド映画化)のベストセラー著者の、背筋が凍る本格ホラー!
Amazon内容紹介より
鹿角南シリーズ第二弾である本書。
前の話はこちら。

ホラー作家の性ゆえに厄介事に首を突っ込んでしまう南ですが、ここでも当たりを引き当ててしまいます。
このじわりじわりと忍び寄る恐怖は素晴らしく、良いことが待っているわけがないと分かっているのに読み進めてしまう魔性を感じました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
蔵
亡くなった祖母の十三回忌で親戚が集まった際に、鹿角南は従妹の香織から夫・淳と話してほしいといいます。
淳の実家には古い土蔵があり、家の一帯は菊池家の土地だったのだといいます。
彼が知りたがっているのは、江戸時代、菊池家が本当に今の場所にあったかどうかでした。
南は蔵に興味があるため、まずは自分で調べてみることにします。
古文書
後日、淳が蔵を片づけたところ、菊池家のことが書かれていると思われる古文書を見つけます。
南は厄介だから手を引こうと思っていましたが、怖い話が載っていると知ると、俄然やる気が出て解読を引き受けてしまいます。
そうして送られてきた古文書の入った箱ですが、あまりに汚く、現在はベランダに置かれていました。
どうしたものかと思っていると、異変が起きます。
目嚢
ベランダから音が聞こえるようになり、ある日、南が箱の入ったポリ袋を開けると、中からヤスデが出てきます。
その後は殺虫、殺菌と大騒ぎでしたが、ようやく意を決して古文書に取り掛かります。
しかし、中身は順番が狂っているのか文章が繋がっておらず、解読は困難を極めました。
一方で内容は日記、覚え書きのようなもので、怪談実話が書かれていることが俄然興味がわきます。
南は怪談、怖い話がないかと読み進めますが、そこで目嚢という名前に興味を引かれます。
感想
モチーフが最高
ホラー小説といえば、古い蔵や古文書は必須アイテムではないでしょうか。
これが登場したらまず面白い。
展開が読めてしまうのについ夢中になってしまうし、予想していたであろう展開でもなぜか驚いてしまい、読み進めてしまったことを後悔する自分がいる。
相反する感情と、制御できない自分。
この時点で本書に取り込まれているので、それだけで本書がホラー小説として良作であることが分かります。
もちろんよくあるモチーフを用いつつも、設定や引き込み方など加門七海さんらしい魅力が光っていて、それがあわさることで強い引力になっていることは間違いありません。
リフレインの強さ
僕が個人的に感じたのは、どんな小説でもリフレインがはまると強いということです。
特にホラーではリフレインされる表現や演出が登場した瞬間、現実と非現実が入れ替わるような感覚があります。
本書ではその一つがヤスデで、ちょっと気持ち悪いやつが登場することで、否が応でも嫌な予感が走りました。
そこに引き込むには当然テクニックが必要なわけですが、加門さんであればそれくらいわけありません。
このリフレインにやられたという人であれば、本書がドハマりすることは間違いありません。
おわりに
『裂神』の発売に合わせて読みましたが、加門さんの作品の面白さに改めて気がつきました。
これをきっかけに、加門さんの作品ランキングが作れるくらいきっちりかっちり他の作品も読んでみたいと思います。
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