『直木賞』と『芥川賞』の違いを解説!
読書をあまりしないという人でも、『直木賞』や『芥川賞』の名前をニュースや書店で見かけたことはあると思います。
受賞=すごい作品、くらいの認識はあるかもしれませんが、それぞれどんな賞なのか分からない、という人もきっと少なくないはず。
かくいう僕も十数年読書してきても全く気にしていませんでした。
実はそれぞれの賞に歴史があり、選ばれる作品に違いがあります。
そこでこの記事では、それぞれの賞の特徴や違いについて書いています。
これから自分好みの本を探す上で参考にしてもらえると幸いです。
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直木賞と芥川賞の違い
どちらも1935年に創設され、それ以降、年二回発表されています。
選考委員の合議によって決定されるという点は共通していますが、選ばれる作品にはそれぞれ特徴があります。
直木賞
直木賞とは通称で、本当の名前は『直木三十五賞』といいます。
直木三十五とは明治から昭和にかけて活躍した小説家で、脚本家や映画監督としても活動していました。
作家の基準
直木賞はもともと無名および新人作家を対象としていました。
しかし、回を重ねるごとにこの目的は薄れ、『中堅作家』という文言が追加されています。
この『中堅』という言葉が非常に曖昧で、何年目までが中堅かという明確な線引きはありません。
そのためすでに作家として一定のキャリアを持つ人たちが受賞するようになり、無名あるいは新人作家が受賞するとは限らないのが現状です。
2020年下半期に『心淋し川』で直木賞を受賞した西條奈加が作家活動を始めたのは2005年。
2016年下半期に『蜜蜂と遠雷』で受賞した恩田陸さんは1992年から作家活動をしていますので、受賞当時で24年のキャリアを積んでいたことになります。
これは中堅なのか?と首を傾げたくなりますが、作品自体はどれも読んで損のない名作ばかりなので、個人的には気にしていません。
作品の基準
直木賞に選ばれるのは、大衆小説です。
大衆小説は、後述する芥川賞で取り扱う純文学と対した位置にあり、芸術性よりも娯楽性に重きを置いた作品のことをいいます。
ただ娯楽とは非常に曖昧なカテゴリーで、ミステリでもSFでも内容によっては大衆小説であり、最近だとエンタメ小説と呼ばれるものがこれに該当すると思います。
芥川賞受賞作と比べると文章的にも内容的にも分かりやすく面白い作品が多いので、読書に不慣れな人は直木賞受賞作から選ぶと失敗が少ないと思います。
芥川賞
芥川賞とは通称で、本当の名前は『芥川龍之介賞』といいます。
芥川龍之介の作品は学校の教科書で触れる機会もあるので、知っているという人も多いと思います。
作家の基準
芥川賞の対象は『無名あるいは新人作家』です。
この無名あるいは新人、というのがどこまでの範囲のことをいうのかについてしばしば議論になっています。
最近だとデビューして数年。
すでに他の賞を受賞した上で芥川賞を受賞したり、すでにデビューして10年が経過して地位を固めていた作家が受賞したりすることもありましたが、世間一般の新人というカテゴリーからはそう離れていないように感じます。
2020年下半期だと『推し、燃ゆ』で宇佐美りんさんが受賞していますが、受賞当時21歳ということで、新人向けであることが分かると思います。
ちなみに宇佐美さんは綿矢りささん、金原ひとみさんに次いで三番目の若さでの受賞なので、かなり異例な若さであることが分かります。
作品の基準
直木賞の項目でも少し言及しましたが、芥川賞の対象は純文学で、かつ短編および中編作品です。
規定はありませんが、原稿用紙にして百~二百枚程度の作品が受賞するケースが多く、直木賞受賞作に比べてサックリ読むことが出来ます。
ページ数が少ないとそれだけ一冊の値段が抑えられるので、それだけ発行部数に繋がりやすくなります。
これから成長・発展していく若い作家を応援する賞として、非常に分かりやすい基準になっています。
実は境界が曖昧
ここまで両賞の違いを説明してきましたが、二つの境界が曖昧になることがしばしばあります。
純文学作品で名を馳せた人が直木賞を受賞するなど、その時々の審査員によって多少の違いが生まれます。
もちろんその逆もしかり。
個人的な感想でいうと、2020年下半期の直木賞受賞作『心淋し川』、芥川賞受賞作『推し、燃ゆ』は上記の分類にどうもしっくりこない印象を持っています。
どちらも素晴らしい作品であることに間違いはないのですが、とっつきやすさでいえば『推し、燃ゆ』は最近の社会の実情にあった大衆作品だと思うし、一方の『心淋し川』のテイストは大衆作品とはまた違うところにあるのではと感じています。
本選びのポイント
ここまで挙げた違いをまとめます。
直木賞:幅広い作家の大衆小説。短編~長編。
→手軽に読書を楽しみたい、実力のある作家の作品が良い
芥川賞:無名、あるいは新人の純文学。短編~中編と短め。
→全く新しい作家に触れたい、純文学が読みたい
あくまで目安ですが、この観点から直木賞、芥川賞受賞作を見れば自分好みの本が見つかりやすいと思います。
もちろん審査員とあなたの考えが合わないこともあるので、できれば両方チェックすることをオススメします。
同時に発表され、多くのメディアで報道されるので、それほど手間にはなりません。
おわりに
多くの受賞作それぞれに設立の背景、目的があります。
それを知るだけで自分好みの作品が格段に見つけやすくなりますので、ぜひこの記事を参考にしてあなたが一冊でも多くの良作と出会ってくれたのなら嬉しいです。
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