ライトノベル
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『薬屋のひとりごと 10』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
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無事に西都に到着した猫猫。
環境は変化しても仕事は相変わらずで、薬屋として、また医官手伝いとして働いていた。
どこに行っても呑気なやぶ医者に、何を考えているかわからない新人医官・天祐。
猫猫は、壬氏の火傷が二人にばれないようにとひやひやしながら西都での日々を過ごしていた。
壬氏もまた皇弟として政務をこなす毎日だが、西都側は壬氏を名前だけの権力者として扱っていた。
そんな中、猫猫は農村部を視察するために連れて来られた羅半兄とともに農村へ行くことに。
視察するにあたって、かつての羅漢の部下・陸孫が動いていることに気付く。
彼は、中央とは異なる農村部のやり方に疑問を持っていた。
一方、かつて起こった大蝗害の生き残りの老人と出会うのだが—–。

Amazon商品ページより

シリーズ第十弾となる本書。

前の話はこちら。

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意外な人物が思わぬ活躍を見せたり、予想していたことが予想以上の衝撃で起こったりと、盛り上がること必至の巻です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

羅半兄

少しぶりに羅半兄が登場します。

相変わらず顔出し、名前出しなし。

貴重な突っ込み役として参戦してくれますが、彼には意外な才能がありました。

それは農民としての才能です。

持てる知識を持って西都の農業に貢献し、食糧難の危機を抱える情勢において貴重な戦力となります。

再会

馬閃は壬氏がいくつか命を受けていて、その一つが家鴨の飼育でした。

蝗害対策として、飛蝗を食べてくれる家鴨の飼育を任せられた馬閃。

飼育に詳しい人物に教えを請おうとしたわけですが、そこで紹介された人物がなんと里樹でした。

元妃とは思えない質素さと、以前にはなかった生気。

二人はお互いに気があるのに、奥手で前に進むことができない。

チャンスはいくらでもあるのに前進しない距離感を楽しむことができます。

歴史

蝗害に関する歴史が一部明かされます。

かつて風読みの民という一族がいて、彼らは草原全体の祭祀を任される立場にいました。

それが一つの部族によって滅ぼされました。

風読みの一族は数多くの鳥を飼っていて、実はそれによって蝗害を未然に防いでいたことがあとになって分かります。

しかし、時すでに遅し。

風読みの一族がいなくなったことで蝗害を未然に防げる人はいなくなっていて、今の窮地はいってしまえば自業自得であることが判明します。

感想

意外な人物の活躍

今回の旅を少し早く総括してしまうと、一番の功績者は羅半兄ではないでしょうか。

普通という武器を最大限に活かして常識に欠ける面々を突っ込み、農民としての才能を遺憾なく発揮して困難に立ち向かう。

それでいて常識人なので、いたって予想通りの反応をいつでも見せてくれるので、予想がたやすい。

まさかここまでキャラが立つと思わなかったので、思わぬ収穫でした。

二人の行く末

絶対に何かあると思った馬閃と里樹の関係が、ここで再び始まります。

もちろんこれくらいのことで進展する二人ではありませんが、きっかけがあれば十分です。

面白そうな気配を麻美が敏感に察知したので、これから先で部外者によって二人の関係は少しずつ進んでいくことになります。

何らかの形になるまではまだ時間がかかりそうですが、今後の見どころが増えました。

起こるべきこと

蝗害は天災のように、人間にはコントロールできないものかと思われましたが、全部がそうではなかったことが明かされます。

全てを防げるわけではありませんが、未然に防ぐ術はあり、人間がそれを自分の手でなくしてしまったのでした。

面白い話ではなく、それでも猫猫たちはすぐにでも起ころうとしている蝗害に備えなければなりません。

改めて浅はかな人間の引き起こすことと、それに対する不安や怒り、文句は嫌だなと思った瞬間でした。

おわりに

緊迫感のあるシーンが見どころですが、しっかり緩急がついていて、とにかくバランス感覚が素晴らしい巻でした。

一つの区切りとなりつつも、新たな面白さや事件の種が同時に蒔かれているので、この先も面白い展開を読めそうです。

次の話はこちら。

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