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『ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒 』あらすじとネタバレ感想!人の機憶に事件を解くカギがある

harutoautumn
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★第27回電撃小説大賞《大賞》受賞作!!★
最強の凸凹バディが贈る、SFクライムドラマが堂々開幕!! 

 脳の縫い糸――通称〈ユア・フォルマ〉ウイルス性脳炎の流行から人々を救った医療技術は、日常に不可欠な情報端末へと進化をとげた。
 縫い糸は全てを記録する。見たもの、聴いたこと、そして感情までも。そんな記録にダイブし、重大事件解決の糸口を探るのが、電索官・エチカの仕事だ。
 電索能力が釣り合わない同僚の脳を焼き切っては、病院送りにしてばかりのエチカにあてがわれた新しい相棒ハロルドは、ヒト型ロボット〈アミクス〉だった。
 過去のトラウマからアミクスを嫌うエチカと、構わず距離を詰めるハロルド。稀代の凸凹バディが、世界を襲う電子犯罪に挑む! 
 第27回電撃大賞《大賞》受賞のバディクライムドラマ、堂々開幕!!

Amazon商品ページより

表紙、タイトルに惹かれて即買いした本書。

第27回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作は伊達ではなく、ライトノベルとは思えないクオリティと面白さで、その割に知名度がやや低いことに驚いてしまいました。

これからコミックス化を控えていて、今後の展開を考えると、一気に人気が爆発してもおかしくないポテンシャルを秘めています。

本書に関する菊石まほれさんへのインタビューはこちら。

電撃小説大賞《大賞》『ユア・フォルマ』菊石まれほ先生を直撃。夢の中で主人公たちに怒られたことって?

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

世界観

話に入る前に、本書の世界観について書きます。

物語開始時より三十一年前の一九九二年、『スポア(胞子)』と呼ばれるウイルスが世界規模の感染爆発を引き起こし、全世界で約三千万人の死者が出て、死因のほとんどがウイルス性脳炎でした。

そのため脳炎の発症の予防が課題となり、その中で生まれた技術によって脳炎の予防が可能になりました。

そしてその技術を活かして侵襲型複合現実デバイス『ユア・フォルマ(あなたのかたち)』が開発され、人々の暮らしは変わります。

ユア・フォルマはレーザー手術で脳に埋め込まれ、それによって健康状態のモニタリングからオンライン関係のことまで全て頭の中で済ませることができるようになりました。

また実際の出来事だけでなく、ユーザー自身の抱いた感情が記録された『機憶』によって心の可視化が可能となり、偽造が現代の技術では不可能であることから特に犯罪捜査において大きく貢献します。

孤独な電索官

ここからは物語について。

機憶から情報を得るためには電索官(またはダイバー)が該当人物のユア・フォルマに直接繋がり、その機憶に潜る必要があります。

電索官には特定の適正が必要で、本書の主人公であるエチカ・ヒエダはその中でも飛びぬけた情報処理速度を誇ります。

能力だけ見れば優秀な電索官ですが、彼女には大きな問題があります。

電索官は潜った機憶から現実世界に戻ってくるために補助官とペアを組んで仕事にあたりますが、エチカの処理能力に釣り合うだけの補助官はおらず、短期間で相棒の補助官の頭を焼き切っては病院送りにし、様々な人間から軽蔑されていました。

しかし、エチカはそんなことを気にした風はなく、ただただ己の職務だけを全うします。

新しいパートナー

エチカはとあるウイルスの感染源を探すために新たな補助官を用意されますが、その相手に驚きます。

新しい補助官であるハロルド・ルークラフトは機械仕掛けの友人(アミクス・ロボット、通称アミクス)だったのです。

人間を尊敬し、人間の命令を素直に聞き、人間を絶対に攻撃しないよう『敬愛規律』を信念としてプログラムされている機械。

エチカはアミクスの補助官なんて聞いたことがなく、アミクスに対して嫌悪感を抱いています。

出会いから最悪な二人ですが、ハロルドはちょっとした情報からエチカの性格などを言い当てるなど能力の高さを証明してみせます。

のちにハロルドはかつて英国王室に贈られた特別性で、高い能力を誇っていることが明かされます。

吹雪

不満を抱きながらも捜査に臨むエチカ。

今回の事件に関係するウイルスに感染すると、感染者の頭の中では吹雪の幻覚が見られ、実際に低体温症に陥ることが分かっています。

感染経路やわずかな潜伏期間があることなど分かっていますが、肝心の感染源は依然分からないまま。

そこでエチカは感染者の機憶に潜り込み、事件の真相に辿り着くための情報を集め、捜査の過程でハロルドとの関係の変化、彼らの過去などが明かされます。

過去

物語が進む中で、エチカがユア・フォルマの開発に大きく貢献したチカサトの娘であることが明かされます。

しかし、チカサトは自殺しており、エチカは家庭において様々な問題を抱えていました。

それが原因で今のような正確になり、アミクス嫌いもここからきています。

一方、アミクスであるハロルドにもまた重大な過去がありました。

本書では二人がぶつかり合う中で過去が明かされ、それぞれの人生の目的が見えてくるようになっています。

感想

既視感がありつつも一味違う

本書ではタイトルにあるユア・フォルマが普及したことによってあらゆる情報が取得できる環境になっていて、最近の作品でいうと伊藤計劃さんの『ハーモニー』、野崎まどさんの『HELLO WORLD』などと通ずる部分があります。

これだけを書くと既存作品の二番、三番煎じと捉える人がいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。

ユア・フォルマによって捜査方法は大きく変わりますが、アプローチの方法が変わっても捜査する凸凹バディという設定は最高に面白く、菊石さんがバディ作品だと言うのもよく分かりました。

機憶を潜って情報を得る方法も面白く、ユア・フォルマが普及した世界で生きる人々ゆえの悩み、苦しみを垣間見ることができました。

また主役であるエチカ、ハロルドのバディについて。

はじめは主にエチカが距離を置きますが、二人の過去が明かされるにつれて縮まる距離感は必見です。

理由があって嫌っていますが、それが解きほぐされることによってお互いを信じるようになる過程の描写はすごく丁寧で、失礼ですがとてもライトノベルという感じはしませんでした。

これらの点から、できればライトノベルレーベルから出版されていることから先入観を持たずに、一作品として楽しんでほしいと思っています。

特にSF、ミステリ好きであれば、読んで決して損はありません。

ライトノベルとしての評価

僕は大満足でした。

しかし、それは読む人の立ち位置によって変わるかもしれません。

SFやミステリ、バディ小説として読めば新しい世界観と古き良き面白さの見事な融合を楽しめます。

一方で、ライトノベルとして読むと、キャラクターの個性はやや控えめで、その観点だけを楽しもうとすると平坦な物語という印象を受けるかもしれません。

タイトルからも分かる通り、近年増えているタイトルであらすじが分かるような作品ではありません。

流行を取り入れず、普遍的な魅力を持った作品だと思います。

この点を良しとするかどうかは読者次第なので、購入する前に自分の立ち位置をはっきりさせた方が良いかもしれません。

おわりに

久しぶりに新しいライトノベルのシリーズに手を出しましたが、予想以上の当たりで嬉しい限りです。

掴みとしての第一弾は抜群に面白く、エチカやハロルドの関係、二人の過去にまつわる事件などに期待を持たせる良い終わり方だったので、引き続き追いかけてみたいと思います。

次の話はこちら。

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