ミステリー

『孤島パズル』あらすじとネタバレ感想!南の孤島で起こる殺人事件と宝探しの関係は?

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。

「BOOK」データベースより

学生アリスシリーズ第二弾となる本書。

推理小説研究会に有馬麻里亜(マリア)が加わったことで青春らしさが増し、事件は前作と変わらず正統派です。

夏休みのバカンスで訪れた南の孤島で時価五億円ともいわれるダイヤモンドを探すための宝探し。

そして、閉ざされた空間で起こる連続殺人。

本書の中で『パズル』がキーワードになっていて、前作同様、推理しがいのあるちょうど良い難易度と魅力を兼ね備えています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

新入部員

冒頭、英都大学推理小説研究会に新たな部員が入部します。

それはアリスの同級生・有馬麻里亜(マリア)で、彼女は熱心なミステリファンにも関わらず、一年もの間、推理小説研究会の存在を知らないのでした。

マリアが加入したことで推理小説研究会は一気に華やぎ、青春感が増しています。

宝探し

アリスが大学二回生の夏休み、マリアは伯父である竜一から奄美大島の南に浮かぶ孤島へ招待されていました。

しかもただのバカンスではありません。

マリアの祖父はダイヤモンド五億円分を島のどこかに隠したといわれていますが、その隠し場所を誰にも知らせずに五年前に脳梗塞で死亡。

この五年間、あらゆる人間が島を血眼になって探しましたが、どこにもダイヤモンドは見つかりませんでした。

三年前、マリアの従兄である英人は島に点在する二十五体のモアイ像をヒントに隠し場所を見つけたかもしれないともらしましたが、その場所を告げずに溺れて死亡。

英人の無念を晴らすためにもと、マリアは気合十分です。

日程の合った江神とアリスが彼女に同行し、この謎に挑戦することになりました。

殺人と消えたライフル

マリアの親族や知人が多く集まり、宝探しも含めて良いバカンスになると誰もが思っていました。

ところが台風の接近する二日目の夜、竜一の義兄・牧原完吾とその娘・須磨子が死亡しているのが見つかります。

二人への凶器には銃が用いられていて、それは竜一の次男・和人が所持していたライフルでした。

しかもライフルはどこにも見当たらない。

一刻も早く助けを呼ばないといけない状況ですが、無線機が壊されていて外部と連絡がとれません。

連絡船が来るのは三日後。

それまで孤島に閉じ込められたも同然の一同ですが、四日目に今度は画家の平川が殺害されます。

推理小説研究会の面々は宝探しと並行して事件の捜査にも乗り出します。

自殺?

凶器を意図せず所持していたことを責められた和人は精神的に不安定になり、ついに死体となって発見されます。

凶器と見られるライフルも見つかり、自殺のように思われました。

ところが、自殺では説明がつかない点が見つかり、江神たちは犯人が別にいると断定。

ここまでに出てきた証拠をパズルのように組み合わせ、やがて犯人に辿り着きます。

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感想

マリアの存在が大きい

第二弾でマリアという紅一点が推理小説研究会に入部し、一気に雰囲気が華やかになります。

青春という側面がある以上、男女が揃うと話のバリエーションが増え、とても存在感の大きさを感じました。

また、江神とアリスの推理に彼女が加わることで新たな視点もでき、ディスカッションが盛り上がるのも読んでいて楽しかったです。

馬鹿らしいことを口にして突っ込まれるも良いし、真面目にあり得ないことを議論するのも良い。

彼女がレギュラーに加わることで、これからの推理小説研究会の活躍にどう影響するのか。

本当に楽しみです。

パズルを当てはめるような推理

前作同様、本書においても作者である有栖川さんから読者に挑戦状が叩きつけられます。

僕は自力で解くつもりで読んでいたので、俄然やる気になりました。

結果として犯人は間違っていましたが、ある程度は読みが合っていたので十分満足できました。

挑戦状までの事実を総合すれば、論理的な推理によって犯人を導き出すことが出来ます。

絶対に自力で解きたいという人は、ぜひ気になったポイントをもう一度見直してみてください。

それらをパズルのように組み合わせた時、犯人が浮かび上がってくるはずです。

おわりに

前作よりも登場人物一人一人が分かりやすく、個人的に本書の方が推理に集中することが出来ました。

シリーズとしてだんだん速度を上げて面白くなってきたので、次巻以降も本当に楽しみです。

次の話はこちら。