『これは経費で落ちません!5』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
真夕が経理部に異動してきて一カ月半。異動直後にミスをしてからは、数字が怖くて仕方がない。そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ヴィジュアル系バンドの追っかけだ。イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ”。追っかけ仲間からアレッサンドロも参加すると噂の、複数バンドの合同打ち上げに誘われ?森若さんをとりまく天天社員の人生模様。
「BOOK」データベースより
『これは経費で落ちません!』シリーズの第五弾で、今回は沙名子を取り囲む社員たちにスポットライトが当てられたサイドストーリーが五本とエピローグが描かれています。
前の話はこちら。
内容は四巻までの復習、もしくは続編になっているので、シリーズを通して読んだ方であればこれまでの復習になります。
内容を忘れてしまったとしても、これを読めば分かるように工夫されていますので、全く問題ありません。
ニュートラルな沙名子と違い、各登場人物の心情が揺れ動く様子は面白く、時にキツイ時もあります。
この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
佐々木真夕 初恋アレッサンドロ
一巻からさかのぼること半年前。
真夕が広報課から経理部に配属されたばかりの頃の話です。
真夕は経理部の重苦しい雰囲気に慣れず、仕事もミスをしてばかり。
そんな彼女を支えていたのが、CAROLINEというバンドのボーカル・アレッサンドロでした。
ある日、真夕はライブの打ち上げに誘われ、そこにアレッサンドロも参加するのだといいます。
真夕は大学一年の頃からアレッサンドロのことが好きで、ライブの日の仕事を全力で片付け、定時で退社するつもりでした。
定時間際になって、自分で消したと思ったフォルダを見つけて、中を見ずに消去しますが、それがトラブルの引き金となります。
そのフォルダは真夕ではなく勇太郎のもので、バックアップはありません。
勇太郎は激怒しますが、沙名子は真夕にお使いを頼み、勇太郎の頭を冷やす時間を作ります。
真夕が戻ってくると新発田部長含めて四人で手分けして作業をすることになり、二十二時になんとか片付きました。
当然、ライブはキャンセルです。
真夕は勇太郎に謝りますが、彼はもう怒っていません。
さらに距離を感じていた沙名子ですが、このトラブルをきっかけに佐々木さん→真夕ちゃんと呼んでくれるようになり、距離を縮めます。
真夕が思っているよりもみんなが自分のことを評価してくれていることが分かり、気持ちが軽くなります。
そして帰り道、コンビニに寄ると、店内にアレッサンドロと同じ紫色の髪の男性がいました。
彼はレジでおでんを注文していて、真夕は不意に『アレッサンドロがおでん好き』であることを思い出します。
慌ててお店の外に出て男性に声を掛けると、『餅入り巾着、好きですか?』と聞きます。
男性は好きですよと答えると、車で去ります。
真夕は今言われた言葉を思い出し、頑張る力をもらうのでした。
山崎柊一 カラークリスタル
営業部販売課のエース・山崎の話です。
彼は人間観察が好きですが、見えすぎてしまったことで何度も吐いたことがあり、それからはメガネをかけ、視力に制限をかけています。
山崎は優秀ですが仕事熱心というわけではなく、必要最低限のことで済ませる傾向にあり、沙名子にはしっかりそのことを見抜かれていました。
山崎は出張ついでに営業をかけ、ホテルの女性支配人・竜村美枝子に気に入られることに成功。
話も落ち着いてきて、誰かに引き継ぎたいと考えていました。
一方、以前訪問販売のアルバイトで知り合った加工工場の経営者・落合と会い、彼の仕事を手伝うシーンも描かれています。
その後、山崎は恋人である智花とデートしますが、唐突に別れ話を切り出されます。
智花は、山崎が営業をかけた竜村美枝子の娘だったのです。
智花が山崎を思う気持ちは本物ですが、このことが美枝子にバレると困るのは山崎であり、彼のことを思って別れる決意をしたのでした。
山崎は、この食事代は経費として申請。
沙名子に確認するついでに、『本当は人が怖い、と言ったら信じますか?』と聞きます。
これに対し、沙名子の答えは『信じません』でした。
山崎は沙名子のお墨付きをもらったことで自信がつき、心の内でお礼を言うのでした。
平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛
総務部の由香利の話で、三巻の第四話『困ったなー。仕事もらえるなら、貸してあげてもいいけど?』と裏表の関係にあります。
由香利は株式会社サウス&スター社長の三並愛美と知り合い、向こうから接近してきて急速に仲を深めます。
三並のアドバイスは魔法の笛のように響き、由香利は女性らしさを取り戻しますが、それも言われてしばらくの間で、自分に合っていないことには薄々気が付いていました。
また三並は由香利と友人として接しているのではなく、由香利を通じて天天コーポレーションからの仕事をとることが狙いでした。
そして、由香利は三並に百万円貸していますが、三並はなかなか返してくれません。
そこで由香利は、ファクスのリースを三並の会社で契約するための稟議書を提出。
それを受けた沙名子は、由香利と三並が個人的な関係であることを知っていましたが、由香利が否定するのでその稟議書を通します。
しかし、由香利はついにこの関係を終わらせようと考え、三並にリースの件を断り、その件については沙名子に問い合わせるようメールします。
するとあっけないほどにすっきりし、婚活もこれで終わりにしようとパーティーに参加。
すると、由香利のことが気になって潜入した沙名子と会い、二人は映画好きという共通点で仲良くなります。
その後、三並からは百万円が返金されました。
また婚活の中で『ゾンビーノ』という男性からメールがきて、彼との関係はどうしようかと考えるのでした。
中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女
真夕の同期で営業部企画課の希梨香の話で、三巻第二話『逃げるなよ? 絶対に逃げるなよ?』の続編になります。
タイトルから分かる通り、希梨香はこれでもかというくらい女性的な女性で、経理部の美華もそのことについて言及しています。
彼女は現在、同じ企画課の仙田と仕事の打ち上げという名目で食事をしたところ、仙田の彼女からそのことについて連日抗議のラインが届き、女性のめんどくささというものを改めて実感していました。
希梨香は越野蓮という婚約者と同棲もしているので、もちろんその気もありません。
一方職場では、希梨香がリニューアルに携わった入浴剤が好評で、第二弾も企画しようという話も出ていました。
しかし悩みの種もあり、それは同じ企画課の馬垣の存在でした。
かつて馬垣は入浴剤のデザイナーともめたことがあり、それに対処したのが希梨香でした。
今回も、第二弾の話が決まる前から馬垣は単独でデザイナーのもとに行き、さも企画が決まったかのような話をし、余計な仕事を増やします。
しかもその後の会議で、企画課の希梨香以外は第二弾が決まったことを知っていることが発覚。
おまけに今回は希梨香中心ではないということで、希梨香は怒りを爆発させます。
仙田はそんな彼女に同調するような素振りを見せますが、彼も企画のことを知っていて黙っていたわけで、実は村岡課長や馬垣と同様に敵だったのです。
いくら抗議しても仙田は余裕そうな対応をするため、希梨香は仙田の彼女とラインで揉めていることを社員全員にバラそうとします。
すると、さすがの仙田も焦り、希梨香のスマホを奪おうと実力行使に出て、それを他の社員に目撃されてしまいます。
これが決定打となり、第二弾は希梨香が担当で決まります。
仙田もいつもの調子を取り戻していて、とりあえずは一件落着。
希梨香は、自分が女らしい女だったら何もかもうまくいったに違いないと思い、男っぽい女は損だと一人愚痴るのでした。
田倉勇太郎 三十八歳の地図
沙名子の先輩にあたる勇太郎の話で、二巻第四話『これは本当に経費で落ちません!』の続編になります。
勇太郎は親友・熊井良人の横領を隠していましたが、沙名子がそれを見つけ、良人は天天コーポレーションをクビになっています。
また先日、広報課の皆瀬織子(既婚)との不倫現場を沙名子に目撃され、彼女とは気まずくなっていました。
勇太郎は、良人一家が今回の件で家庭崩壊してしまわないか心配していましたが、良人の仕事も落ち着いてきて、自分が守ろうとしたものがそこまで弱くなかったことを知ります。
一方、浮気をする夫に離婚を切り出さない織子に苛立ちを覚えていました。
そのことを何度も伝えると、織子はついに夫に離婚を切り出しますが、夫は離婚を拒否。
あれは浮気ではなかったという話を、勇太郎はとても信じられません。
それでも織子が迷っていると、自分は恋愛経験がないことを暴露。
これには織子も驚きますが、二人は結局、豪華なラグジュアリーホテルに消えていくのでした。
エピローグ~いつもの森若さん~
沙名子の手元には、織子の夫が浮気する現場の写真のデータがありました。
しかし、沙名子はその扱いに困り、いつ何と言われても対応できるように保管します。
次に由香利の件ですが、今回の一件で新人社員向けのマナー講習は、三並の会社ではないところに決め、その費用の件で沙名子に報告が入ります。
他にも色々な動きがありますが、全体的には平和です。
真夕は『天天コーポレーション経理部は平和ですねえ……』と呟き、沙名子もそれに同意します。
こんな日ばかりではありませんが、たまにはこんな日があってもいいと思う沙名子でした。
おわりに
お金が絡む部署ということで、経理部にいる沙名子のところには面白いくらい情報が集まることがよく分かる短編集でした。
沙名子が優秀ゆえの苦労が垣間見え、ぜひプライベートは太陽と幸せになってほしいと思います。
多部未華子さん主演でドラマ化も発表されたので、これからもますます目が離せません。
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