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『後宮の烏2』あらすじとネタバレ感想!

harutoautumn
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後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が――。烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か? 烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?

Amazon商品ページより

シリーズ第二弾となる本書。

前の話はこちら。

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先代の言いつけ通り、これまで人との関りを極力避けてきた寿雪ですが、今では侍女を置き、高峻も頻繁に立ち寄るようになりました。

変化に戸惑いながらそれを受け入れつつあり、その流れは本書でも続きます。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

甦り

ある夜、女性が夜明宮を訪れ、寿雪に対して人を生き返らせてほしいと願います。

しかし、寿雪にできるのは招魂といって一度だけ死んだ人を呼ぶことだけで、生き返らせることはできません。

望みを断たれた女性は泣きながら去っていきますが、落とし物をします。

それは想夫香というもので、想い人のために薫く香でした。

この時点ではこれで終わりに見えましたが、後になってこの件が終わっていないことが明らかになります。

子ども

その後、すぐに次の人が来ます。

相手は衣斯哈(イシハ)といい、侍女の九九(ジウジウ)も知る飛燕宮の宦官です。

衣斯哈は足に怪我を負っていて、それは指導役によるものなのだといいます。

傷を手当した後、衣斯哈は飛燕宮に自分と同じかちょっと年上の子どもが立っているのだと話します。

もちろん人間ではなく、幽鬼です。

衣斯哈以外には見えず、それが原因で体罰を受けますが、寿雪は幽鬼が存在すると断言します。

過去

寿雪は九九と共に飛燕宮に聞き込みにいくと、先帝の時代、当時の燕夫人に想いを寄せていた少年宦官がいたことを教えてくれます。

彼が献上した青燕の尾羽は燕夫人のお気に召し、それ以来、少年は尾羽を集めるようになりました。

この話によって過去と幽鬼の結びつきが見えてきて、解決に向けて動き出します。

感想

賑やか

寿雪は先代の言いつけを破って人に囲まれるようになりますが、それは本書でも続きます。

冒頭に登場する衣斯哈も夜明宮で務めることになり、さらに人が増えます。

それによって終始無愛想な寿雪の本来の性格が浮かび上がってきて、これまで以上に魅力的な人物に移ります。

夜明宮で務める人の共通点は寿雪を慕っていることで、この関係は巻を経るごとに強固なものになっていきます。

この関係が寿雪を苦しめることにもなりますが、それ以上のものを与えてくれるもので、夜明宮が次第に賑やかになっていくのが嬉しいと読書中何度も思いました。

臨場感あるシーンもある

寿雪は特殊な力を備えていて、それによって死者を読み出したりしますが、本書では超常的なものが戦闘シーンでも用いられます。

これによって推理系では味わえないような臨場感、緊迫感を生み出していて、物語の流れにさらに緩急をつけてくれます。

くどくなく、あっさりしているところもポイントで、魅力的だけれど引き際がちょうど良い。

このバランス感覚もまた本書の特徴で、これがあるがゆえに最後まで飽きずに読むことができました。

おわりに

本書でシリーズの土台がだいぶ固まってきました。

これからは広がるだけでなく、物語がどんどん深くなっていくので、その様子もぜひお楽しみください。

次の話はこちら。

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