『ナイフをひねれば』あらすじとネタバレ感想!主人公に殺人容疑がかかるシリーズ第四弾
「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!
Amazon商品ページより
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第四弾となる本書。
前の話はこちら。
シリーズではじめて主人公側が容疑者とあげられ、逮捕までの時間が差し迫る中での推理を要求されます。
これまでの通りの緻密に組み立てられたミステリが楽しめるのはもちろんのこと、いつ逮捕されるのか分からないサスペンスのようなハラハラドキドキも楽しむことができます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
不一致
これまでもホロヴィッツとホーソーンはたびたびぶつかってきました。
冒頭、ホロヴィッツは元々の契約である三冊の本を書いたことを理由に、これ以上はホーソーンの物語を書かないことを宣言します。
これまでに数多くの事件に巻き込まれ、命に危機に瀕したのですから当然の反応です。
ホーソーンが代案を提示してもホロヴィッツは首を縦に振らず、二人はすれ違ったまま距離を置くことになります。
劇
この頃、ホロヴィッツは自身が脚本を手掛けた劇曲『マインドゲーム』の対応に追われていました。
かつて舞台関係の仕事に憧れていたこともあり、ホロヴィッツにとっては念願の仕事でした。
渾身の一作はプロデューサーの目に留まり、巡業公演が決まります。
五ヵ月もの間、巡業は順調に進み、予想以上の反響がついにロンドン公演に結びつきます。
そして、ロンドン公演初日が無事に終わり、関係者はパーティーでお祝いをしていましたが、そこに悪意をもったコメントで有名な劇評家、ハリエット・スロスビーが現れます。
彼女が関係者をとことんまでこきおろしただけでも最悪なことですが、公演後すぐにその記事がネットにあがり、マインドゲームの公演に暗雲がたちこめます。
殺人容疑
翌日、ホロヴィッツのもとにグランショー警部が訪れ、ハリエットが何者かによって殺害されたことを明かします。
凶器はマインドゲームの関係者全員に配られた短剣ですが、それは不良品で、ホロヴィッツのものだけが特徴でした。
ホロヴィッツの手元に短剣はなく、ここで彼は自分たちに負の感情を持つグランショーの意図を知ります。
彼女たち警察は、ホロヴィッツが殺人犯だと確信しているのです。
ホロヴィッツに身に覚えがなくとも、状況は彼が犯人であることを示しています。
抵抗も出来ず連行される中、ホロヴィッツは自分を救えるのはホーソーンしかいないと思い、彼に助けを求めます。
感想
最悪の状況
本書は冒頭百ページで、これ以上ないほど主人公サイドが追い込まれた状態で物語が始まります。
グランショーは憎たらしいですが、状況はホロヴィッツが犯人であることをこれでもかと物語っていて、反論の余地が現状ではありません。
この屈辱と絶望の中で、喧嘩別れしているホーソーンがなんだかんだ言いながらも手を差し伸べてくれる。
これだけでワクワクが止まりませんでした。
ホロヴィッツがどれだけ拒否しても、最終的にはホーソーンを全面的に頼ってしまう。
ホーソーンもうまいことホロヴィッツより優位に立ち、物語を支配する。
本シリーズの構造がこれでもかというほど現れていて、とても面白かったです。
タイムリミット
本書はこれまでと違い、推理に使える時間が圧倒的に少ないです。
証言を集めるだけでもギリギリなのに、それを組み合わせ、ホロヴィッツに罪をなすりつけようとした犯人に辿り着かなければなりません。
ホーソーンがこの無理難題に挑むわけですが、その中にはさりげない伏線が張られていて、それが後になって効果的に活きてきます。
この丁寧な作りこみが非常に好感を持て、最後まで読者の期待を裏切らない、むしろ高まった期待をさらに上回ってくれる名作を提供してくれました。
おわりに
アンソニー・ホロヴィッツが、読者の期待を裏切らない数少ない小説家の一人であることを改めて教えてくれた一冊でした。
どこを切り取っても味わい深い一冊なので、ぜひ潤沢な時間を使ってお楽しみください。
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