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『TAS 特別師弟捜査官』あらすじとネタバレ感想!学校一の美少女の飛び降り死に隠された秘密とは?

harutoautumn
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学校一の美少女に誘われた。直後に彼女は死んだ。
鮮やかに畳みかけるラストの展開は「どんでん返しの帝王」の真骨頂! まさにエンターテインメントの極み! ブックジャーナリスト内田剛(解説より)

関節を有り得ない方向に曲げ、赤黒い血溜まりの中で死んでいたのは、学校一の美少女だった──。飛び降り自殺と噂する生徒。転落事故と主張する校長。騒ぎ立てるマスコミ。校内外が騒然とする中、クラスメイトの慎也は、ある引っ掛かりを覚えて事件性を疑う。そこに従兄で刑事の公彦も加わり、二人は潜入捜査を開始する。猛スピードの展開、予想だにしない結末。ノンストップ学園ミステリー。

Amazon商品ページより

中山七里さんとしては珍しい学園ミステリです。

クラスの目立たない男子が学校一の美少女に声を掛けられ、取り付けた約束の前に少女が亡くなってしまう。

いかにもテンプレートな設定ですが、結末には中山さんならではの怒涛の展開が待っていて、ライトノベルと言い切るには抵抗のある魅力がありました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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タイトルの意味

内容に入る前に、タイトルの意味について。

『TAS』とは表紙にも書かれていますが、『TEACHER AND STUDENT』つまり師弟を意味します。

本書では主人公の慎也と母方の従兄弟で刑事の葛城公彦が親戚を越えた師弟という形で捜査に臨み、慎也は捜査員として学校内で活動します。

特にひねりはないので、文字通りの意味として受け取ってもらえれば大丈夫です。

あらすじ

謎の転落死

慎也は突然、学校一の美少女・雨宮楓に声を掛けられ、放課後会う約束をします。

帰宅部で冴えない自分を、なぜ楓は誘ったのか。

理由は分かりませんが、慎也は放課後が待ち遠しくて仕方ありませんでした。

しかし、その約束が果たされることはありませんでした。

昼休みが終わる頃、楓は美術室から落下し、そのまま亡くなってしまったのです。

事件の究明

学校中が騒然とする中、学校側はメンツを保つために楓の死を事故として片づけようとしていますが、誰も彼女が自殺する理由に思い当たる節がありませんでした。

すぐに警察が捜査を開始。

生徒一人一人に聞き取りをすることになり、慎也の順番がやってきます。

すると、慎也には聞き取り担当の刑事に見覚えがありました。

それは慎也の母方の従兄弟である葛城公彦でした。

慎也は、捜査一課の葛城がここにいる時点で、ただの事故でないと推測。

葛城はその観察眼に敬意を表し、可能な範囲での情報を提供します。

警察のこれまでの調べで、楓が大麻の常習者であることが判明しました。

品行方正の楓が、なぜ大麻に手を染めたのか。

葛城は大麻の売人が学校内にいる可能性を考慮し、慎也に楓の関係者にそれとなく探りをいれてほしいと依頼します。

これは立派な捜査の片棒を担ぐ行為であり、本来、学生に依頼することではありません。

しかし、慎也は楓の死の真相を明かすために依頼を了承し、こうしてここに特別師弟捜査員が誕生しました。

第二の事件

慎也は楓のことをより知るために、彼女の所属する演劇部に急遽入部します。

友人の拓海や幼馴染の瑞希にはなぜ入部したのかと怪しまれますが、なんとか切り抜けます。

演劇部で部員の話を聞くと、次第にこれまで知らなかった楓の一面が見えてきます。

そんな中、後輩の大輝は『楓の周りにサリエリがいた』と意味深な発言をし、慎也に対して楓のことで話したいことがあると約束を取り付けようとします。

ところが、またしてもこの言葉が実現することはありませんでした。

大輝が体育館のステージから落下し、亡くなってしまったのです。

事故も考えられる状況ですが、同じ高校の演劇部から短期間に二名も死亡者が出るなんて普通ではありません。

慎也は部員たちの反発を受けながらもそれとなく探りを入れ、やがて二つの事件の真相を知ることになります。

感想

新たな中山さんの一面

中山さんというと、ミステリでも様々なバリエーションを誇り、読者を飽きさせないことに定評があります。

その中でも本書は高校生が主人公の青春ミステリで、まずそれが新鮮です。

高校が舞台ということで生徒同士のやりとりはフランクで、ライトノベルといっても差し支えない読みやすさに仕上がっています。

しかし、読みやすいからといって、面白さも軽いかというと、そんなことはありません。

ラストにかけて怒涛の展開が待っていて、その結末は青春ミステリで片付けられないほどの苦さを誇っています。

ここにきても中山さんが当たらしい一面を見せてくれることに驚き、嬉しくなりました。

あの人が登場

慎也とタッグを組むことになる刑事の葛城。

中山さんの作品を読んできた人であればその名前にピンときたかもしれませんが、彼はこれまでに何度も別作品で登場しています。

一番分かりやすいところでいうと、『静おばあちゃんにおまかせ』でしょうか。

人の好さそうなところだけが取り柄で、それ以外はパッとしないという頼りないプロフィールですが、伊達に刑事として働いていません。

学校内の情報収集は慎也に任せつつも、自分はちゃっかり一足先に事件の真相に辿り着き、年長者としての威厳を見せてくれます。

葛城が頼りになるというのも不思議な感覚で、それが読めただけでも成果がありました。

結末まで堪えられるか

ただ正直、僕は読み進めるのがしんどかったです。

ウケを狙ったであろうキャラクター設定、やりとりがことごとく面白くなく、肝心の捜査が全然頭に入りませんでした。

慎也の性格にしても前半と後半で別人のようで、一貫性のなさからくる違和感が最後まで拭えませんでした。

一方で、最後の物語の畳み方はさすがの出来で、安定の中山クオリティでした。

そこは保証できるので、あとはそこまで読み進められるかどうかです。

そこまで込み入ったミステリではないので、ちょっとしんどいと感じた人は適当に読み流しながら結末を目指すのも一つの手だと思います。

おわりに

尖らせすぎたせいで僕にははまりませんでしたが、中山さんの新たな一面を見られたのは収穫でした。

今後、シリーズ化できる余地がありそうなので、続編が出たら読むのか。

今から悩ましい問題です。

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