『生き屛風』あらすじとネタバレ感想!心に染み渡る妖怪小説
村はずれで暮らす妖鬼の皐月に、奇妙な依頼が持ち込まれた。病で死んだ酒屋の奥方の霊が屏風に宿り、夏になると屏風が喋るのだという。屏風の奥方はわがままで、家中が手を焼いている。そこで皐月に屏風の話相手をしてほしいというのだ。嫌々ながら出かけた皐月だが、次第に屏風の奥方と打ち解けるようになっていき――。しみじみと心に染みる、不思議な魅力の幻妖小説。第15回ホラー小説大賞短編賞受賞作。
Amazon内容紹介より
田辺青蛙さんの作品を単独で読んだのははじめてですが、めちゃめちゃ良いです。
妖怪が登場しますが一般的なホラーではなく、妖怪には妖怪の事情があって、それは人間と何ら変わりないことが分かる作品です。
とても情緒的で、読んでいて心がほぐれていくのを感じました。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
一人の妖怪
本書の主人公は、皐月という名前の妖怪です。
皐月はいつも馬の首の中で眠る、という衝撃的な言葉で本書は始まります。
飼っている馬の名前は布団といい、皐月は朝起きると首を繋ぎ、馬体を叩くと布団は普通に生きているので、常識が通用しない世界観であることが早々に分かります。
本書はその皐月を中心とした、三つの短編で構成されています。
お願い
皐月にとあるお願いが舞い込みます。
近所の酒屋の旦那の奥方が一昨年亡くなりましたが、その霊が屏風に憑いていました。
奥方の霊はあれこれわがまま、文句を言い、旦那はじめ小間使いたちは困っていました。
旦那は道士にこのことを相談すると、独り身の女性を相手にさせると良いと助言をもらいますが、その女性の特徴が皐月にぴったりだったのでした。
皐月は気乗りしませんが、布団を標的に脅されては選択の余地はなく、奥方に会うことにします。
不思議な関係
奥方は噂通りの霊で、皐月に無理難題を早速吹っ掛けてきます。
しかし、皐月は旦那との間に結んだ制約のため妖術を使うことはできず、奥方のわがままを満たすことはできません。
そこで代わりに面白い話はないかと聞かれ、皐月は妖としての面白い話を考えます。
決して話題の多い皐月ではありませんが、まずは布団との出会いを話しました。
これを通じて皐月と奥方は不思議な関係で結ばれていきます。
感想
妖怪とは何か
本書は衝撃的な言葉で始まるので、いかに妖怪が人間と違うのかが表現されているように感じますが、すぐに種族の違いこそあれど、人間と妖怪はそう変わらないことが分かります。
皐月はそれなりの時を生きているはずですが、時に少女らしい一面を見せて、人生経験がそこまで豊富ではありません。
布団の首の中で眠るような大胆なことをしつつも、布団を気遣う仕草には間違いなく愛情が含まれていて、彼女が決して冷徹な存在ではないことが表れています。
そんな皐月が様々な経験、出会いを経る様子を描いたのが本書ですが、怪談というよりは御伽噺を読んでいるようで、終始心地よかったです。
丁寧な描写
田辺さんの作品は繊細で、描写がとても丁寧で読みやすかったです。
短編なのでページ数が限定されており、決して意外性のある展開ではありません。
しかし、その中で読者の心にしみわたるような筆致は素晴らしく、僕好みでした。
失礼な表現かもしれませんが、大作を生み出すという風ではないけれど、空気のようになくてはならない大事な作品。
そんなものを、田辺さんは生み出してくれているのだと思います。
おわりに
表紙はザ怪談ですが、中身は優しい妖怪の話で、どこかノスタルジーを誘います。
気持ちを落ち着けたい人にもオススメなので、ぜひホラー小説と決めつけずに読んでみてください。
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