ホラー

『ほねがらみ』あらすじとネタバレ感想!収集した怪談がやがて現実を侵食する

安易な気持ちで、恐怖の実話を集めてはいけない――!
ネットでバズった恐怖小説が、書籍化により、拡、散。

「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符号が見られる。読者の皆さんとこの感覚を共有したい」から始まる、ドキュメント・ホラー小説。

大学病院勤めの「私」の趣味は、怪談の収集だ。手元に集まって来る、知人のメール、民俗学者の手記、インタビューのテープ起こし。その数々の記録に登場する、呪われた村、手足のない体、白蛇の伝説。そして――。
一見、バラバラのように思われたそれらが、徐々に一つの線でつながっていき、気づけば恐怖の沼に引きずり込まれている!

「読んだら眠れなくなった」「最近読んだ中でも、指折りに最悪で最高」「いろんなジャンルのホラー小説が集まって、徐々にひとつの流れとなる様は圧巻」など、ネット連載中から評判を集めた、期待の才能・芦花公園のデビュー作。

――「次の生贄は誰がいいと思いますか」

Amazon商品ページより

小説投稿サイト「カクヨム」で連載していたものがTwitterで一躍人気になり、書籍化された本書。

詳しいことは後述しますが、これほど現実世界に浸食するほどの恐怖を持つ作品がネットに転がっていたのかと驚き、新たなロマンや夢を感じさせてくれました。

ちなみに、本書の元となった小説は一部、現在もカクヨムに掲載されています。

ほねがらみー某所怪談レポートー(芦花公園)カクヨム

購入を迷っている人は、まずそちらを読んでから検討すると間違いがないと思います。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

タイトルの意味

内容に入る前に、タイトルの意味について。

タイトルは漢字で『骨絡み』と書き、梅毒や結核が全身に及び、骨がうずくこと、またはその症状を指します。

本書では梅毒だと明記されています。

恐怖にとりつかれ、状況が悪化している状態を指す言葉として用いられています。

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あらすじ

怪談収集

私は大学病院に勤める医師で、怪談の収集を趣味にしています。

はじめはネットで収集していましたが、やがて収集の場を病院に移します。

人の生死が関わる場所ということもあってその手の話が自然と集まっていて、私は少しずつ怪談を収集していきます。

私はそれらを書き記しますが、やがてそこに奇妙な符号が見られることに気が付きます。

創作から実話へ

私は収集した怪談と現実世界の共通点に気が付き、怪談が実話である可能性を見出しますが、あくまで創作だと思って接します。

しかし、違う人から聞いた別々の怪談さえもリンクしていることが分かり、この辺りから怪談が創作から実話への変貌しつつありました。

私の周りでは奇妙なことが起こり始め、次第に怪談からあふれ出した恐怖が私を浸食します。

原因

私は友人であり学者の齋藤に協力をあおぎながら調査を進め、それぞれの怪談に共通する恐怖の正体を探ります。

その正体は神なのか、それとも魔なのか。

私の体調や取り巻く環境はますます悪化し、原因を断ち切るために怪談のもととなった現地に向かいます。

しかし、そこで待っていたのはさらなる恐怖でした。

感想

現実を浸食する

本書は主人公の私が集めた怪談がいくつも集まって構成されていて、まるで5chなどに掲載されている怪談の寄せ集めを読んでいるような感覚でした。

創作としてよく出来ていて、適度に楽しめる。

そんな単純な感想でした。

ところが、集めた怪談同士が実はリンクしていて、さらに私の生活とも繋がっていることが分かるあたりから作品が豹変します。

それまで創作と軽く見ていた怪談が急に真実味を帯びだし、もしかしたら実在するかもしれないと思うと怖くなりました。

この感覚はネット発の作品ならではというか、今までのホラー小説ではあまり感じたことのないもので、偶然とはいえとんでもない作品を見つけてしまったと嬉しくて仕方がありません。

物語のまとめ方がうまい

はじめは私が収集した怪談がただ羅列されているように見えますが、中盤以降になってこれらが繋がっていることが分かります。

さらにそれらは私を取り囲う現実世界ともリンクしていることが分かり、そこから一気に物語は収束していきます。

その先に待っているのは読み始めの頃には予想すらしていなかった結末で、このまとめ方が非常にうまいと感じました。

SNSが普及した現代ならではの構成だけでなく、小説としてのレベルも十分高いことがうかがえ、話題性だけないことが良く分かりました。

後半がやや尻すぼみ

非常によくまとまっていると思います。

しかし、期待値が大きかったせいか、結末についてはやや尻すぼみと言わざるを得ません。

詳しい言及は避けますが、怪談としての得体の知れない恐怖に寄せ切るか、実体を持つ恐怖としてもっとやり切るか、どちらかはっきりしてくれたらもっと満足感が高かったように思えます。

ただ、あくまで個人的な意見であり、僕の読解力がもう少し高ければ本書の意図するところがもっと正確に伝わった気もします。

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おわりに

テレビなどで怪談、都市伝説などを取り上げた番組をすっかり見なくなった中で、こういう新しいホラー小説が出てきてくれたことを本当に嬉しく思います。

芦花公園さんはこれからの活躍が期待される作家さんと思いますので、次作以降もしっかりチェックしていきます。

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