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『平成怪奇小説傑作集2』あらすじとネタバレ感想!時代の変わり目を反映した傑作集

harutoautumn
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仄暗い土俗の闇から浮上する怪談文芸。時を超えた地霊の囁きに耳かたむける作家たち。天空から飛来する恐怖の大王(テロリズム)が全世界を戦慄させた、二十世紀から二十一世紀への巨大な転換期にあって、平成日本の怪奇小説シーンは、日本と日本人の深淵へ肉迫してゆく……平成時代に生まれた怪奇小説の名作佳品を、全三巻に精選収録するアンソロジー第二弾!

Amazon商品ページより

第二弾となる本書。

第一弾はこちら。

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あらすじにもあるように、二十世紀から二十一世紀への転換期となった時期であり、その変わりゆく時代背景が反映された内容になっています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

匂いの収集【小川洋子】

僕と彼女の話。

彼女は匂いの専門家で、この世のあらゆる匂いを収集することを趣味にしています。

途中までは彼女がいかに魅力的な人物であるかが描かれるのですが、すぐに違う一面を持っていることを知らされます。

一文物語集【飯田茂実】

全文が一文で完結している物語が十二収録されています。

空に浮かぶ棺【鈴木光司】

日本で大人気となったホラー小説・映画『リング』のサイドストーリー『バースデイ』に収録されている一編。

高野舞は目を覚ますと、見知らぬ場所にいました。

コンクリートの壁に囲まれ、記憶が断片的にしかない。

舞は少しずつ記憶を手繰り寄せながら状況を整理していくのですが、情報が集まってくると置かれた異常な状況が明らかになります。

グノーシス心中【牧野修】

深澤千秋は小学校で異人と捉えられていて、嫌われるために生まれてきた子どもだと当時の担任から言われるほどです。

両親でさえ千秋を愛せず、気味悪がるほどですが、そんな彼がカグヤマという男性によって誘拐されます。

世間的には誘拐という認識で問題ありませんが、実際は千秋がカグヤマに興味を示し、ついていったというのが正しいです。

二人は霊的人間(プネウマティコス)、独り子(モノゲネス)といった怪しげな概念をもって共感しあう異常な関係性を見せますが、それもほんの序の口でした。

水牛群【津原泰水】

猿渡は精神的に不安定になっていて、それが肉体にも影響を与えていました。

ろくに睡眠、食事がとれず、酒ばかりが進む日々。

そんなある日、猿渡は伯爵と呼ばれる人物を呼びます。

伯爵は怪奇小説の執筆を生業としていて、猿渡の状態を聞いて、彼をある場所へと連れていきます。

厠牡丹【福澤徹三】

夜ひとりで厠にいる時、牡丹の花の折れるところを想像してはいけない。

その思考が霊を呼ぶから。

私の記憶に残るその言葉に呼応したかのように、亡くなったはずの父親が自宅を訪れます。

それが何を意味するのかは、後になって語られることとなります。

海馬【川上弘美】

私は海に住んでいましたが、匂いに誘われてとある男と一緒に住むようになります。

その後、様々な主を経て、今は四人の子どもがいました。

陸の生活に慣れた私と、まだ海を知らない子どもの対比が描かれます。

乞食柱【岩井志麻子】

明治時代の岡山の民家には、必ず乞食柱(ほいどばしら)がありました。

乞食はその柱の所で物乞いをするとされていて、家に住む人と乞食を分ける境界線のような役割を持っています。

岩井志麻子さんの作品らしく、岡山弁で書かれ、土着色が強い作品となっています。

トカビの夜【朱川湊人】

三十年以上前、私はトカビを見たといいます。

トカビとは朝鮮のお化けのようなもので、いたずら好きな小鬼です。

これは大阪万博前の大阪での出来事を描いた作品です。

蛇と虹【恩田陸】

とある姉妹の言葉が交互に挿入されて構成されている作品です。

心配性で、何事にも不安や不吉なものを見出してしまう妹、現実的でそんな妹を心配する姉。

性格はかなり違っていますが、それでも姉妹の絆は深いことが言及されています。

この物語では、二人の言葉をもとに過去の出来事が次第に明瞭になっていき、その意味が分かるようになっています。

お狐様の話【浅田次郎】

伯母の話。

彼女の祖父は経力を有しており、彼を頼ってお狐憑きがよくやってきました。

お狐様が憑くのは、まだ幼くてきれいな女の子と決まっていて、ここでは香奈という少女のことが描かれます。

水神【森見登美彦】

五年前の話。

私の祖父が亡くなり、通夜に参加します。

その後、親戚で集まって夜の宴をすることになり、一同は祖父の馴染みである芳蓮堂が預かりものである家宝を持ってくるのを待っていました。

酔いが進む中で祖父や親族の思い出話をしますが、その夜、不思議なことがいくつも起こります。

帰去来の井戸【光原百合】

大学生の由宇は、伯母の七重が切り盛りする雁木亭でアルバイトをしていました。

七重は体調を崩しており、普段滅多に弱音を吐かないことからも、彼女の状態が思わしくないことがうかがえます。

ある日、雁木亭の常連である浜中が店を訪れ、引っ越すことを伝えて別れます。

その後、浜中が亡くなったことが知らされますが、ここで雁木亭の秘密が明かされます。

六山の夜【綾辻行人】

京都で毎年行われる五山の送り火というイベントが題材となった物語。

私は、体調不良で訪れた病院の医師の勧めで、五山の送り火を病院の屋上から見ることにします。

病院の屋上からは五山全てが見えるとして、当日は多くの人が集まりますが、今年は六山の年で、例年とは違った趣向でした。

歌舞伎【我妻俊樹】

兄弟の話。

弟が子どもの頃、砂場で乾電池を拾ったという話をしますが、そこからラジオ、歌舞伎という話に繋がります。

軍馬の帰還【勝山海百合】

とある家の話。

馬が二年前に軍に徴用されてしまい、その後の消息は分かっていませんでした。

そんなある日、末の息子が、馬が帰ってきたといい、馬小屋から柵を蹴る音がしてきます。

芙蓉蟹【田辺青蛙】

芙蓉の花を食べた蟹は、その匂いが移って美味しいのだといいます。

一見、私と誰かが普通に会話しているような描写ですが、すぐに異常な状況であることが分かります。

鳥とファフロッキーズ現象について【山白朝子】

ある日、家の屋根に鴉のような鳥が引っかかっていました。

鳥は翼に怪我を負っており、私と父親は鳥を介抱します。

怪我が治って自然に帰るのかと思いきや、鳥はなついたのかその後も家に居座り、二人もそのことを気にしませんでした。

鳥は人の気持ちが読めるのか、私や父親の望むことをしてくれるようになりますが、これが大きな出来事を呼ぶことになります。

感想

異色作が多い

本書を平成怪奇小説傑作集の最後に読んだのですが、僕は本書が一番バラエティに富んでいて、異色作が多いという印象を受けました。

人智を超えた怪異が出るというホラーが王道だとすると、本書ではそれのみにとどまらず、人外のものであったり、時代が大きく異なったり、作品によってテイストが全く異なります。

怪奇小説という枠組みの中でこれだけのバリエーションがあることが、時代の転換期となった平成中期ならではの特徴なのかもしれません。

この特徴によって、常に新鮮な気持ちで最後まであっという間に読むことが出来ました。

また作品によって一、二ページでまとまっている作品も多くあり、ちょっとした隙間時間でも読めてしまい、かつしっかり満足感を得られるというところも、読みやすい一因かもしれません。

甲乙つけがたい

短編集となると、大体はイチオシ作品がすぐに決まるので、なるべく皆さんにご提示するようにしています。

しかし、本書に限っては嬉しいことに、絞ることが難しいくらいにオススメだらけです。

具体的にいうと小川洋子さんの『匂いの収集』、牧野修さんの『グノーシス心中』、森見登美彦さんの『水神』、光原百合さんの『去来来の井戸』、綾辻行人さんの『六山の夜』、田辺青蛙さんの『芙蓉蟹』、山白朝子さんの『鳥とファフロッキーズ現象について』がオススメです。

これだけ作品数を挙げるともはやオススメになっていないのですが、本当に甲乙つけがたいくらいにどれも秀逸です。

あえて総合的に見るのなら、『芙蓉蟹』が特にオススメです。

二ページという中で一気に世界観に引き込み、それをあっという間にがらりと変えて読者の感情をがらりと塗り替えてしまう。

これだけ多くの本を読んできた中でも新しい感覚なので、ぜひ味わってみてください。

おわりに

平成中期ということもあり、あらゆる世代と親和性が高いのではと思いました。

過去の名作を知る人にも、過去の作品が古臭くて苦手という人にも満足感を与えられる作品ばかりなので、もし平成怪奇小説傑作集の中でも選びたいという人には、本書だけでも読んでくださいとオススメします。

次の話はこちら。

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