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『紅蓮館の殺人』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

harutoautumn
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山中に隠棲した文豪に会うため、高松の合宿をぬけ出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。これは事故か、殺人か。葛城は真相を推理しようとするが、住人と他の避難者は脱出を優先するべきだと語り―。タイムリミットは35時間。生存と真実、選ぶべきはどっちだ。

「BOOK」データベースより

森博嗣さんの作品以外はほとんど読んだことのない講談社タイガですが、タイトルでもう名作な気がして思わず購入しました。

分かりやすい設定で、条件もかなり制限されているので推理が捗る作品になっています。

探偵とはどんな生き方なのか。

そんな問いについて、本書は言及しています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

落日館

物語の主人公は高校二年生の田所。

彼の学校では夏に四泊五日かけて軽井沢で勉強合宿することになっていますが、田所には合宿中にある目的がありました。

それは彼が大ファンである文豪・財田雄山の軽井沢の山中にある屋敷を訪ねることです。

田所は友人で探偵の葛城を誘い、合宿三日目に合宿を抜けます。

山道を進んでいますが、その時、雷が落ちて山火事が発生してしまい、下山できなくなってしまいました。

道中で出会った小出とまた偶然出会いますが、葛城は彼女の嘘を見抜きます。

小出が登山で訪れたといいますが、服装からそれは違うと。

気になるところではありますが、今は山火事から逃げることが先決だと山を登り、ついに雄山の屋敷『落日館』に辿り着くのでした。

脱出方法

三人を出迎えてくれたのは雄山の息子である貴之と、その子どもである文男、つばさでした。

携帯は繋がらず、消防隊が消火してくれるのを待つしかありません。

貴之から三階には立ち入らないよう言われますが、田所はつい出来心で上がってしまいます。

そこにいたのは寝たきりの雄山でした。

その後、この近くに住む久我島、そして久我島の妻の保険のことで訪問していた保険会社の調査員・飛鳥井も助けを求めてやってきました。

人数が増え、これからの方針を決めます。

落日館には様々な仕掛けが施されていて、下山できる隠し通路がどこかにあるといわれています。

一方、久我島は自宅に貴重品などを取りに戻りたいと言い出しますが、電話線が生きていれば助けを呼ぶことができます。

そこで二手に分かれて行動することにします。

そんな中、田所は飛鳥井が気になっていました。

彼女とは初対面ではなく、一度会ったことがありました。

飛鳥井は探偵で、田所は鮮やかな彼女の推理を聞いてすっかり探偵という生き方に魅せられたのでした。

しかし、自分は探偵になれないことを痛感し、今は葛城という探偵の助手をしています。

殺人

久我島の家に行きますが、電話線は焼き切れていました。

屋敷に戻るも隠し通路は見つかっておらず、とりあえず助けを待ちます。

その夜、田所は気弱になっているつばさと話し、無事にこの窮地を切り抜けられたら葛城もいれて三人で遊ぶことを約束します。

しかし翌朝、つばさは死体となって発見されました。

そこは吊り天井の部屋で、通常はワイヤーによって天井が吊り上げられていますが、なぜかワイヤーが切れていて、つばさはその天井に押し潰されていました。

葛城は殺人事件だと主張しますが、親友である甘崎美登里の死をきっかけに探偵をやめてしまった飛鳥井は事故だと主張し、両者の意見は対立します。

飛鳥井は十年前、シリアルキラーを追い詰めました。

そのシリアルキラーは犠牲者の爪にネイルアートを施すなど特徴があったことから『爪』と名付けられました。

しかし、爪を追い詰めたことで甘崎は殺害され、彼女の絵が持ち去られていました。

その後、爪だと見られている男性は自殺しています。

お宝

生き残るためにそれぞれが行動する中で、小出はつばさの書いた図面を見つけます。

それは落日館を示すもので、図面にはお宝の文字がありました。

葛城は図面を読み解き、吊り天井の裏にある隠し部屋を見つけますが、中から見つかったのは爪に奪われたはずの甘崎の絵でした。

絵には煤がついていて、それは山火事が起きてからここに運び込まれたことになります。

爪は実は生きていて、この中にいる?

葛城は全ての真実を暴くことを決意するのでした。

それぞれの正体

全ての真実とはつばさの事件だけでなく、文字通り全てです。

まずはじめに暴かれる真実。

貴之、文男、つばさは財田家の人間ではなく、雄山の財宝を目的にこの家に入り込んだ詐欺師でした。

彼らは家族ではありませんが、家族同然で暮らしていました。

次に久我島について。

彼には妻の栗子がいますが、すでに久我島によって殺害された後でした。

口論による突発的な殺人で、葛城は久我島の家を訪れた時にこのことに気が付きました。

最後に小出について。

彼女は本物の貴之に依頼され、雄山の未発表原稿を盗みに来た盗賊でした。

隠し通路

正体が暴かれたものの、館が燃えるまでもう時間はありません。

しかし、ここで意外な事実が明らかになります。

雄山の原稿の入った金庫がなくなっていますが、この中の誰も盗んでいないといいます。

葛城は金庫の行方を追う中で、ついに隠し通路を見つけました。

盗人はここから金庫を落とし、持ち出したと考えられます。

一同は生き残るために隠し通路を通って脱出を試みますが、道中にいたのは憔悴した本物の貴之でした。

彼は隠し通路から屋敷に入り、金庫を持ち出すも力尽きてここに止まっていたのでした。

本物の貴之も連れていき、ついに梯子を上れば出口というところまで来ました。

ところが飛鳥井は、手を伸ばした久我島の手を離してしまいます。

久我島は落下し、そのまま亡くなるのでした。

真実

飛鳥井が手を離したのはわざとで、それは久我島が爪だからでした。

久我島は捕まらないために隠居していましたが、栗子殺害を機に殺人衝動を抑えることができなくなり、そこに飛鳥井が訪れます。

久我島は飛鳥井に注目されたくてつばさを殺害しましたが、飛鳥井は彼を満足させないためにわざと無視し、事故だと嘘をつきます。

はじめから久我島=爪だと気が付いていたのです。

ポイントは甘崎の絵で、折り目がついていないことから、A3の画用紙を折りたたまずに持ち込める人物に限られ、それは久我島だけでした。

そして飛鳥井は、久我島の自己顕示欲が満たされないようつばさの死を偽装するために吊り天井を落とし、死体を潰したのでした。

結末

安全なところまで避難したところで、葛城と飛鳥井が対峙します。

飛鳥井はつばさの死の要因が葛城にあることを指摘します。

事件の日、つばさは隠し部屋に入るために天井を操作する人間を求めていて、久我島に自らお願いしました。

それが殺害に繋がりますが、なぜ田所や葛城ではダメなのか。

つばさは葛城のことが好きになり、彼が雄山のファンであることを知りました。

そこで隠し部屋にある雄山の秘蔵コレクションを取りに行こうと考えました。

当然、葛城にはお願いできないし、彼に近い田所にも頼めません。

葛城のミスはそれだけではありません。

彼は推理に頼っていましたが、久我島たちや他の誰かが危ない行動に出た際に、被害を抑える手段などなく、無事だったのも結果論でしかありません。

結局、葛城は全てを解くために、全てを壊そうとしたのです。

田所は大好きな葛城が崩れていくのを見ているしかありません。

そして、それでも葛城は謎を解くことしかできない悲鳴に近い声を絞り出すのでした。

感想

読み終わって最初に思ったのが色々惜しいな、ということです。

タイトルといい、舞台設定といい名作を匂わせるものばかりでした。

しかし、実際に読んでみると以下の点が気になりました。

・生死に関わるタイムリミットがあるのに、緊迫感がまるでない

・『探偵』という言葉を安易に使いすぎてとても安っぽい

・登場人物の個性がいちいち鼻につく

特に最後の点について、ライトノベルのような登場人物の設定が気になりました。

それが悪いというより、探偵の生き方について突き詰めていくという本書のコンセプトに合っていない気がします。

もう少し現実味がほしいというのが本音です。

終わり方からして続編も考えられそうなので、続編があれば今後も追ってみたいと思います。

おわりに

ミステリー好きであればたまらないシチュエーション、そして全ての謎を探偵が暴く。

特に後半の真実を暴くパートは圧巻なので、ぜひ読んでみてください。

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