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『見晴らしのいい密室』あらすじとネタバレ感想!驚きに満ち溢れた短編集

harutoautumn
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核シェルターにひとり篭った男の胴体が捻り切られていた怪事、柩の中で数十カ所刺されて発見された男…。あまりにも完璧すぎる密室殺人は、本当に実行可能か!?「不可能犯罪など存在しない」と豪語する“超限探偵Σ”の華麗なる活躍を描く「見晴らしのいい密室」ほか、電子仕掛けの謎を秘めた本格ミステリ「探偵助手」などこれまで誰も見たことも聞いたこともない、精緻で巧妙な論理遊戯が導き出す唖然呆然の結末7篇。 

「BOOK」データベースより

小林泰三さんらしい言葉遊びや斬新な設定、それとは正反対ともいえる膨大な知識量。

小林さんファンであれば大満足間違いなしの一冊です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

見晴らしのいい密室

表題作。

本名は明かされず、Σ(シグマ)と呼ばれる探偵が登場します。

シグマは警察がお手上げの難事件ばかりを取り扱い、しかも合理的な解決が存在しない事件に対してのみ行動します。

そんな彼のもとに寄せられる事件が普通なはずがなく、今回も警察が手も足も出ない事件が舞い込みます。

目を擦る女

波瀬操子は引っ越した先で隣人に挨拶に向かうと、そこには三十歳くらいの女性が住んでいました。

女性は目を覚ましてしまうから静かに話してほしいといい、しかし赤ちゃんはいないのだといいます。

彼女いわく、起きているように見えて、寝ているのだといいます。

操子は彼女のことが理解できないまま隣人として過ごしますが、やがて彼女との交流の中で思いもよらない世界に巻き込まれていきます。

探偵助手

名探偵の先生と、その助手が主人公で、助手視点で物語が進みます。

先生のもとに女性が訪れ、数日前に夫が亡くなったことを伝えます。

警察は殺人を疑っていますが、女性はその疑いを晴らしてほしいのだといいます。

彼女が殺人を疑われているわけではないのに、なぜそんなことを依頼するのか。

疑問が残りながらも、先生と助手は捜査に乗り出します。

忘却の侵略

学生の僕は、妄想の助手と話すことを習慣としていました。

彼は人類が侵略者によって攻撃されているのではと疑っていました。

それを好意を寄せる裕子に聞かれ、なぜか告白することに。

恋愛ものかと思いきや、物語はSF方面へと急展開します。

未公開実験

三人の男性は、かつてのクラスメイトである丸鋸遁吉に呼ばれます

二十年ぶりに呼ぶ出した丸鋸は、何かの研究をしているようでした。

彼の意図が読めない三人ですが、現れた丸鋸は奇妙な格好をしていました。

囚人の両刀論法

ペンドラゴンとイデアルは討議をしています。

ここで登場するのが『囚人の両刀論法』というもので、全体最適と部分最適は一般的に一致しないのだといいます。

論理的、けれどユーモアでどこか馬鹿馬鹿しいやりとりが面白い話です。

予め決定されている明日

ケムロは大勢の仲間とともに算盤を弾いていました。

厳しいノルマを課せられ、ミスをすれば罰を与えられるという厳しい環境です。

ある日、ケムロは電子計算機の存在を知り、それを手をつけますが、彼の思い付きが思いも寄らない事態を引き起こします。

感想

小林さんらしさ

僕が思う小林さんの魅力は、ユーモアと論理性の両立だと思っています。

『アリス殺し』に代表されるような、頭が痛くなってくるような会話の不成立さ。

それでいて癖になる面白さがあります。

一方で、物語、特にSFを支える理論は超ハードで、真面目に理解しようとすれば、まともに読み進めることが難しいくらい緻密に描かれています。

この両立を成し遂げてしまうのが小林さんの魅力ですが、本書はまさにそれを体現していて、小林さんの著書の中でもかなりオススメの部類です。

忘却の侵略者

個人的には『忘却の侵略者』がオススメです。

ハードさは控えめで、恋愛に行くのかと思いきやとんでもSFに振り切れるところが好きです。

男女の恋愛観に関する会話が全く嚙み合っておらず、正しいことを言っている女性側が混乱してくる様が最高に面白いです。

そしてSF部分の解決方法も秀逸で、短い中に大満足なSFが展開されています。

重複に注意

本書は、実は小林さんの『目を擦る女』という作品と収録作がけっこう重複しています。

もちろん半分以上は別作品なので、それ目的で購入する意義はちゃんとあるのですが、知らずに購入して驚く人はきっといると思います。

少なくとも僕はかなり驚きました。

なので事前に知っておいて、その上で購入することをオススメします。

おわりに

小林さんの作品が好きな人であれば、読んで間違いなしの良作です。

もし小林さんの作品が気になっているけれど、長編は…という人にも、試金石となるのではないでしょうか。

本書を面白いと感じれば、小林さんの作品の多くに適していることになるので、気になっている人はぜひ挑戦してみてください。

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